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2008年07月31日 14:14:43
チャンプ(1931年版)
 映画「チャンプ」のDVDを六月下旬に見ました。

 1931年の作品で、監督はキング・ヴィダー。

 かつて世界チャンピオンだった酒びたりの男が、息子のために再びチャンピオンを目指すという話です。非常に王道の物語でした。

 そして、子役のジャッキー・クーパーの演技が非常に上手かったです。



 最初にも書きましたが、話は本当に王道です。

 能力はある(元世界チャンピオン)けど、今はそれが発揮されていない主人公が、底辺の生活の中の唯一にして最大の希望(息子)が奪われそうになり、それをしっかりと放さないために困難な道(復帰戦)を目指すという話です。

 もう本当に、ストライクゾーンど真ん中の直球勝負です。

 短めの作品でしたが、よく出来ていて楽しめました。まあ、終盤のボクシング・シーンは、かなり大味で、前時代の戦い方(フットワークほとんどなし)だなと思いながら見ていましたが。



 以下、粗筋です。(ある程度のネタバレはあり。それが問題になるような映画ではありません。終盤直前まで書いています)

 主人公はボクシング重量級の元世界チャンピオン。しかしそれは過去の栄光で、今は酒とギャンブルに溺れる生活をしている。

 彼にはまだ少年の一人息子がいた。その息子はよく出来た子で、酔った主人公を介抱したり、ボクシングの練習を促したりしていた。

 主人公は、ある時、ギャンブルで大勝する。その金で、息子がかつてから欲しがっていた馬を買ってやる。

 息子はその馬を競馬場で走らせる。そこで主人公と息子は、思いがけない人物に出会う。

 その人物とは、主人公のかつて妻だった女性だ。彼女はチャンピオンだった主人公と結婚し、息子を産み、主人公が転落人生をたどった時に、息子を手放し、富豪と結婚していた。

 主人公は彼女のことを息子に話していなかった。

 彼女は久しぶりに自分の息子を見て、彼を自分の手元に引き取りたいと考える。

 主人公は反対する。だが、金がないためにお金をもらって息子を会わせに行かせる。しかし、決して息子を手放そうとはしなかった。

 だが、転機が訪れる。町で酔っ払って喧嘩をした主人公は牢屋にぶち込まれる。息子の将来を思えば、富豪に嫁いだ元妻に息子を引き取らせる方がいいのかもしれない。

 主人公は泣く泣く息子を手放す。

 だが、息子は主人公のことを愛していた。脱走した息子は主人公の許に戻ってくる。

 この子のために、お金を稼がなければならない──。

 そう決心した主人公は、再び世界チャンピオンを目指すためにトレーニングを始める。



 以下、個人的な感想です。

 この母親は根性捻じ曲がっているなと思いました。

 金のために夫と息子を捨てておきながら、久しぶりに息子を見たからといって、再び自分の物にしようとするのはどうかと思います。

 虫がよすぎます。

 息子にとって何がいいかという問題は置いておいて、こういった身勝手なことをする人間は幸せになって欲しくないなと思いました。
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