映画「天然コケッコー」のDVDを七月上旬に見ました。
2007年の作品で、監督は山下敦弘、脚本は渡辺あやです。
渡辺あやは、「ジョゼと虎と魚たち」(2003)の脚本も書いていますね。
田舎の過疎地の、小学校と中学校が一緒になった少人数の学校が舞台の映画です。
そこに東京生まれの中学生の男子が入って来て、中学生の女子の主人公が次第に引かれていくという話です。
映画を見た感想は、「こりゃあ、予算の下り難い内容だな」です。
映画の出来のよしあしではなく、話の内容がです。
特に大きな盛り上がりもなく、淡々と季節と心の移り変わりを描く系の映画です。原作としてくらもちふさこのマンガが付いていますが、もし付いていなければ予算は付かなかっただろうなと思いました。
いい映画か、悪い映画かというと、そこそこいいです。悪くはありません。
しかし、特に強い印象を残すような映画ではないので、それほど頑張って見る必要はないかなと思いました。
似たような空気を感じる作品として「茶の味」(2003)があるのですが、映画としては「茶の味」の方が数段よかったです。
以下、粗筋です。(終盤の最初ぐらいまで書いています。特にネタバレ的なことはないです)
田舎の過疎地の学校に東京の中学生が転校してきた。同じ学年の中二の少女は、最初彼に反発を覚える。だが時とともに次第に仲良くなる。彼女は都会に住んでいた彼に、都会への憧れを重ね合わせる。
二人は、中学の修学旅行として東京に行く。少年は東京で、かつての同級生たちと行動を共にして大いに盛り上がる。
その様子を見ながら、少女は疎外感を覚える。
高校受験が近付いてきた。少年は東京の高校を受けたいという。少女は地元の高校に一緒に通いたいと思っていた……。
映画を見ていて思ったことが二つあります。
一つは、田舎の少女の世界観の狭さです。物事の経験が薄いせいか、世界認識に幅がなく、物凄い狭い範囲でしか物事を想像できません。
もう一つは、少年の感覚のずれ方です。悪い子ではないのですが、判断基準が普通の子とだいぶ違い、その表現方法もどこかずれているので、少女はぽかんとすることが多いです。
どちらも、変な主人公たちということでくくれるのかもしれないですが気になりました。