映画「マイ・フェア・レディ」のDVDを七月下旬に見ました。
1964の映画で、監督はジョージ・キューカー、脚本はアラン・ジェイ・ラーナー、主演はオードリー・ヘプバーンです。
大作です。ミュージカルです。173分もあります。
話自体は前述「ピグマリオン」で書いたのと基本的に同じです。なので粗筋は「ピグマリオン」に譲ります。
ストーリーの追加要素としては、花売りの女性の「父親」の出番がかなり増えていることです。
これはまあ、ミュージカルパートのメリハリを出すためだと思います。
基本的には「ピグマリオン」の物語の合間にミュージカルパートを挟むという構成です。
あと、観客がかなり気になるところですが、この映画でオードリー・ヘプバーンは実際には歌っていないそうです。
□Wikipedia - マイ・フェア・レディ (映画)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83...
さて、映画で気になったところを書きます。
この物語は、だみ声で発音の酷い花売りの女性が、きれいな声で発音の美しい淑女になるという話です。
しかし、「ピグマリオン」のミュージカル版の「マイ・フェア・レディ」では、花売りの女性が歌を歌うたびに美しい声になります。序盤から。
「おい、設定と違うじゃないか」
つまり、物語とミュージカルパートが完全に分離しています。
これは日本人向けではないなと思います。
「歌って踊るシーン」だけのためのミュージカルパートは、日本人にはちょっときついです。それで173分もあると、かなり厳しいです。
この映画を見る直前に「ピグマリオン」を見ていたということもあり、「マイ・フェア・レディ」の評価はだいぶ落ちました。
また、こういったミュージカルのための改変の一つとして、花売りの女性の「父親」の出番が増えています。
ただ、「ピグマリオン」の方では、父親のラストの結末の前振りがなく、そこが補われている点は、脚本上よくなっていると思いました。
とはいえ、この映画で花売りの父親は必要以上に出すぎているので、その部分は蛇足だなと思いました。
ミュージカル好きの人は見てもいいと思いますが、ストーリーをチェックしたいのならば、「ピグマリオン」の方が短いし、いいなと思いました。