映画「バットマン・リターンズ」の動画配信を七月下旬に見ました。
Gyaoの無料動画配信を利用しての鑑賞です。一つ前の「バットマン・フォーエバー」(1995)の感想に書いてある部分は割愛します。
「バットマン・リターンズ」は1992年の作品で、監督はティム・バートンで、脚本はダニエル・ウォーターズです。
話の出来としては、「バットマン・フォーエバー」の方がよく出来ていたと思います。
造形的には、こちらの方が上ですが。
あと、全体的に対象年齢が低い印象が強かったです。
出てくる悪役が、いずれも子供のような内面だというのが原因だと思います。
この映画の悪役は、ペンギンとキャットウーマンです。
そのどちらも子供っぽいのが、全体として低年齢の印象を強くしているのだと思います。
あと、バットマンが完全に据え物的なのも大きいと思います。この映画では、バットマンはほとんど何も考えて(悩んで)いないように見えますので。
そのため、大人の苦悩が足りない印象が強かったです。
さて、この映画を見ていて、あるお約束的な構造があることに気がつきます。
それは、悪役の登場の仕方です。
近々で見た「バットマン・リターンズ」「バットマン・フォーエバー」で顕著に感じたのですが、それは悪役の連鎖です。
映画の冒頭で一人の悪役がいて、その悪役に影響されて、第二の悪役が誕生するという構図です。
これは、「ゴッサムシティーでは、連鎖的に次々と悪役が誕生する」「普通の人がバットマンになるように、普通の人が悪役になる」という構図を暗示させているのだと思います。
そしてこの構造は、バットマン映画の一つのお約束になっているのだと思います。
このお約束の感想をここに書いているのには意味があるのですが、それは意味が分かった人だけ分かって下さい。
以下、粗筋です。(ネタバレあり。細部は書いていません)
ペンギンという鳥のような奇形の姿をした悪党がゴッサムシティーで幅を利かせていた。
バットマンはペンギンを倒そうとするが、なかなか倒せない。
ペンギンはサーカス団を配下にして悪さを重ねていた。
ペンギンはある企業家に接近する。彼はペンギンと手を組むことを約束する。
その企業家の秘書は、企業家の悪事の尻尾を偶然見つけてビルの窓から突き落とされる。だが、奇跡的に助かる。
しかしその代償として二重人格となり、キャットウーマンとして悪の道に入ってしまう。
バットマンの正体であるブルース・ウェインはキャットウーマンになる前の女性と恋に落ちる。
だが、彼女はキャットウーマンとしてペンギンと手を組み、バットマンと対立する。
バットマンとペンギン、企業家、キャットウーマンは、それぞれの思惑を持ちながら次第に一つの場所に集結し、それぞれの正体に気付いて悲劇的な戦いに突入する。
企業家のクリストファー・ウォーケンがいい味を出していました。
やたら存在感がありました。
あと、旧バットマン共通の感想なのですが、バットマンの中のウェイン役(この映画ではマイケル・キートン)はあまり記憶に残らなかったです。
キャットウーマンはなんだか、夢見る少女っぽくて、ウェインが惚れるのがいまいちぴんと来なかったです。
ペンギンはあんなものかなと思いました。
少し物足りない感じの映画でした。