映画「レベッカ」のDVDを八月下旬に見ました。
1940年の白黒映画で、監督はアルフレッド・ヒッチコック、脚本はロバート・E・シャーウッド他です。
サスペンス物の映画です。
どうなるんだろうと、最後までドキドキさせてくれました。面白かったです。
この映画は、先に粗筋というか設定を書いておいた方が分かりやすい映画なので、先に書いておきます。
サスペンス寄りのミステリー系の作品なので、ネタバレはなるべく少なめになるように書きます。
以下、粗筋です。(ネタバレは最小限にとどめています)
主人公は貴族の未亡人に仕える若い使用人。彼女は一人の貴族の男性に求婚される。彼は事故で妻を失っていた。
主人公は嫁ぎ先の屋敷に行く。そこでは、前妻付きの家政婦が、屋敷の運営を取り仕切っていた。
何かにつけて前妻と比べられる主人公。前妻は絶世の美女だった。
夫は主人公を、前妻の代わりとはみなしていなかった。しかし、彼女は前妻の代わりになろうとする。夫はその行為を嫌った。
夫は、妻が前妻を真似ることを嫌う理由があった。
それは、前妻との夫婦関係、そして彼女の死の真実にあった……。
以下、若干ネタバレ的な部分がある感想です。
核心については書きません。
前妻付きのメイドが不気味でよかったです。
無表情で感情を出さないからこそ、何を考えているのか分からず不気味さが増す。そんな感じでした。
そして、前妻レベッカの存在感の出し方も上手かったです。既に死んでいるので、当然出てこないのですが、ずっと場を支配し続けます。
写真すら一切出さない演出が、無言の圧力となって迫ってきます。
まさに「レベッカ」という名前に相応しい映画でした。
ストーリーもよかったです。二転三転しながら、最後は「おおっ」思って終わります。
普通のミステリー系と方向性が違っているなと思ったのは、「犯人探し」がハラハラ要素ではなく「犯人とされるかどうか」がハラハラ要素な部分です。
これは、けっこうぐっと来ました。
謎を解く側ではなく、謎を解かれる側の立場でのミステリーです。
とはいえ、そんなに素直に最後までいかないのがミソなのですが。
そして最後に明かされるレベッカの罠。
これは、「分かるなあ」と思い、レベッカの心にぐっと来ました。
でも、人によってはレベッカの心情が分からない人もいるだろうなとも思いました。
素直な性格の人には分からず、ねじくれた性格の人にこそ、よく分かる心の動きでしたので。
何はともあれ、面白かったです。
ただ、この映画は130分あるのですが、もしリメイクするとしたら十分ぐらいは削れるなと思いました。