映画「キンスキー、我が最愛の敵」のDVDを一月下旬に見ました。
1999年のドキュメンタリー映画で、監督はヴェルナー・ヘルツォーク。ドイツの怪優クラウス・キンスキーとの、愛憎交えた監督自身の関係を、本人の語りでまとめた作品です。
随分前に予約リストに入れていたのが、物凄い時間差で届きました。本数が少ないので、後回しにされていたようです。
この作品は、元々、友人のLEGIOんさんから、キンスキーの映画を薦められていて、TSUTAYAディスカスにこの一種類しかなく、「仕方ない、ドキュメンタリー映画でもいいや」と思って借りたものです。
本当は、映画の方を借りたかったのですが、ないものはどうしようもありません。
でもまあ、クラウス・キンスキーという人がぶっ飛んでいることはよく分かりました。
だいぶ“狂った”人だったようです。
クラウス・キンスキーは、ヴェルナー・ヘルツォーク監督の作品で有名な、ニュージャーマンシネマの俳優です。
自称天才で、自分が注目されないとすぐに激怒し、監督や現場との衝突も頻繁だったそうです。その代わり、演技は狂気を孕んだ鬼気迫るものだったということでした。
ヘルツォーク監督は、この気難しい年上の俳優と、殺し合う寸前まで衝突しながら映画を撮っていたそうです。
本作では、その当時のエピソードや、監督自身がどう思っていたかなどが、赤裸々に語られています。
こういった、愛憎せめぎ合う関係は、ドキュメンタリーではなく、一つの映画にして欲しいなと思いました。面白い映画になりそうなので。
というわけで、機会があれば、キンスキーの出演している作品を見てみたいと思いました。
粗筋が特にある映画ではないので、粗筋は書きません。
映画中、印象に残った部分だけ、メモしておきます。
キンスキーの自伝の中に、キンスキーがヘルツォーク監督を罵っている文章が大量に入っているというエピソードです。
この罵りの言葉は、キンスキーと監督が、一緒に考えたそうです。
キンスキーいわく。「人は、他人の悪口や喧嘩を読みたがる。徹底的に口汚く罵らなければならない」
なるほどなと思いました。
政治ニュースがワイドショー化している昨今、このキンスキーの言葉が当てはまるのではないかと思いました。