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2009年04月23日 12:07:03
ヘアスプレー
 映画「ヘアスプレー」のDVDを、二月の下旬に見ました。

 2007年の映画で、監督はアダム・シャンクマン、脚本はレスリー・ディクソン、オリジナル脚本はジョン・ウォーターズ(1988年映画版)、マーク・オドネル(ミュージカル版)です。

 この作品は、一度1988年に映画化されています。

 爽快で痛快で最高にハッピーなミュージカル映画で、実は非常に硬派な社会派映画の側面も持つという良作でした。

 思わず何回も見てしまいました。



 この映画は、ジョン・トラヴォルタが太った女性を演じるということで話題を作っていましたが、やっぱり最も秀逸なのは、主人公のおでぶちゃんを演じるニッキー・ブロンスキーでした。

 何でも踊りで吹き飛ばす元気娘を好演していました。



 あと、ミシェル・ファイファー演じる、寝技でミスコンを取り、現在はテレビ番組のディレクターに収まっている女性が強烈でした。

 映画は、彼女が手掛ける番組「コーニー・コリンズ・ショー」(提供はヘアスプレー会社)を中心として進んでいきます。そして彼女の娘が、母親の強力な後押しで中心メンバーになってます。

 なので、基本的に娘は嫌われ者です。でも、娘は母親に比べてだいぶ弱い印象で、さりげなく嫌がらせを受けまくっているけど、上手く反撃できないでいます。

 この様子を見て、「うわー、娘も母親の被害者だよな」と思いました。

 あと、終盤にミス・ヘアスプレー・コンテストがあり、警察に追われている主人公が、このコンテストに来ようとします。

 そのことに対して「警察に捕まるかもしれないのに来るのか?」と聞かれて、彼女は「私はコンテストで優勝するために性病をもらったわよ」と応酬します。

 ミシェル・ファイファー演じる女性は、そんな感じで、かなり強烈なキャラを演じていました。



 それともう一人、クリストファー・ウォーケン演じる、主人公の父親もよかったです。

 娘に「お前も夢を叶えなさい。私は夢を叶えた。いたずらおもちゃの店を手に入れた!」と言うようなお父さんです。

 彼は、変なおもちゃばっかりのお店を経営しています。そして、のぼーっとした趣味人です。

 後半、ミシェル・ファイファー演じる美女に誘惑されているところを巨漢の妻に目撃されます。その時に「わたしはお前の色目に気付くのに五年かかった(だから誘惑されるはずないじゃないか)」と言います。

 その様子が妙におかしかったです。



 さて、映画自体について書きます。

 最初に書きましたが、この映画はハッピーなミュージカル映画ですが、実は硬派な社会派映画です。

 舞台は1962年のボルチモア。そこではまだ黒人差別が続いており、テレビ番組も白人と黒人が同時に出られませんでした。

 そして、ヘアスプレー会社が主催する、地方局の若者向けのダンス番組「コーニー・コリンズ・ショー」でもそれは同じで、一ヶ月に一度「黒人の日」というのがある以外は白人ばかりの番組でした。

 ディレクターの女性や、首脳陣は差別主義者です。

 対して、番組の進行役のコーニー・コリンズは、おおっぴらには言いませんが、音楽やダンスを通じて黒人にリスペクトを持っています。

 そして、主人公は差別とは無縁の人間です。彼女は映画の冒頭ではその番組の一ファンで、途中から番組に参加することになります。

 その彼女が番組に参戦することで、最終的に人種の垣根が崩れていくというのが、この映画の基本的なストーリーです。

 つまり、この映画は、音楽や踊りを通して、若者たちの力で差別が撤廃されていく様子が描かれています。

 また、それとともに、主人公が“太っている”という外見を気にせず、外見差別をさらりと克服するという側面も描いています。

 表面的には爽快なミュージカル映画となっていますが、根っこの部分では差別を社会からなくしていくという視点が盛り込まれています。



 次は音楽について書きます。

 この映画は、音楽が非常によかったです。

 音楽は、作詞作曲ともにマーク・シェイマンです。アカデミー賞ノミネートを何度も受けているベテラン音楽家です。

 当時の音楽を、現代の人間が気持ちよくのって踊れるように仕上げていました。おかげで、しばらく、仕事のBGMとして、DVDを掛けっぱなしにしていました。

 映画中面白いのは、「黒人の日」に、白人と同じ曲を歌う場面です。圧倒的に黒人の方が格好いいわけです。

 その対比に、女性ディレクターはかんかんに怒ります。しかし現場の人たちは、その違いの意味を当然のように理解しています。

 いい音楽はいい。差別なんか関係なく、そこにいい物があることに、みんな気付いている。

 さらりと差し挟まれるシーンですが、とても印象的でした。



 以下、粗筋です。(ネタバレあり。終盤まで書いています)

 1962年ボルチモア。主人公はハイスクールに通う、太った女の子。彼女は、ヘアスプレー会社提供の地方ダンス番組「コーニー・コリンズ・ショー」に夢中だった。

 彼女は学校でぼうっとしていて、居残りの罰を受ける。そして黒人だらけの教室に行って、そのダンスの虜になる。彼女はそこで、「コーニー・コリンズ・ショー」に出ている格好いい白人男性に出会う。

 彼は、番組ディレクターの娘と組まされていて、外見だけの女性に嫌気がさしていた。彼は、主人公の人柄に好意を抱く。

 番組に欠員が出て、オーディションが行われることになった。主人公も参加し、番組に参加することになる。

 彼女は、持ち前の明るさと、体重に似合わない華麗なステップで人気者になる。

 外見を至上のものとする番組ディレクターはそれが不満だった。

 番組には、一ヶ月に一度「黒人の日」があった。主人公が居残り授業で出会った黒人の男性は、その番組で踊っていた。その「黒人の日」のDJは、彼の母親でレコード店の店主だった。

 その「黒人の日」が打ち切られることになる。主人公は、黒人たちとともに抗議デモを行い、お尋ね者となる。

 潜伏中、一年に一度の、ミス・ヘアスプレーを決める生放送のコンテストの日が近付いて来る。

 主人公は、黒人の友人たちとともに一計を案じて、そのコンテストの会場に乗り込み、パフォーマンスを繰り広げる……。



 ともかく爽快でした。気持ちよかったです。

 そして、内容的にも良作です。

 これは人気があるし、紹介する人も胸を張って紹介できるタイプの映画だなと思いました。
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