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2009年06月15日 13:07:03
捜索者
 映画「捜索者」のDVDを二十二日前に見ました。

 1956年のカラー作品で、監督はジョン・フォード、脚本はフランク・S・ニュージェント、原作はアラン・ルメイです。主演はジョン・ウェインになります。



 なかなか面白かったのですが、個人的には凄い突き抜けるような快感は得られなかったです。

 西部劇の代表的な映画だそうです。そこらへんは、Wikipediaに詳しいです。

□Wikipedia - 捜索者
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8D%9C%E7%B4%A2%E8%80%85

 1989年に創立されたアメリカ国立フィルム登録簿に登録された最初の映画中の1本で、2008年にはアメリカ映画協会によって、最も偉大な西部劇映画第1位に選出されたそうです。

 公開当時は、興行的には振るわなかったようですね。

 Wikipediaを読んでいると、後の多くの監督に影響を与えているようです。

 DVDには、ドキュメンタリーが付いていて、この映画の撮影に関することや、ジョン・フォード監督とモニュメント・バレーの関わりなどが紹介されていました。



 この感想を書くついでに、ジョン・フォードのページも見ていたのですが、この人は映画史を繋ぐ上で重要な人なのですね。直接作品を見る機会がほとんどないので知りませんでした。

□Wikipedia - ジョン・フォード
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%89

 以下、Wikipediaの書き込みなどから、重要そうな部分を抜き出します。

・D・W・グリフィスの「國民の創生」(1915年)などに出演。
・1927年、ドイツのベルリンを訪れ、F・W・ムルナウに直接映画技法を学ぶ。
・1939年、西部劇の金字塔「駅馬車」が大ヒット。

 以下、後の影響です。

・オーソン・ウェルズは「市民ケーン」を撮る際に、映写室で「駅馬車」を繰り返し観て映画を勉強した。
・黒澤明、ジャン=リュック・ゴダール、リンゼイ・アンダーソン、ヴィクトル・エリセなど世界の映画関係者に数多くの影響を与える。
・スティーヴン・スピルバーグは、映画の撮影前に必ず観る映画として、「七人の侍」「素晴らしき哉、人生!」「アラビアのロレンス」「捜索者」を挙げている。

 私が過去に見た映画としては「怒りの葡萄」(1940)、「わが谷は緑なりき」(1941)がありますが、どちらも、あまり好みではなかったです。

 「駅馬車」は、勉強のために見ておいた方がよさそうですね。



 さて、映画の感想ですが、後で色々と解説を見て知ったのですが、もっと景色の撮り方などを見ておいた方がよかったなと思いました。

 言われてみれば、荒野の景色が表情豊かでよかったです。後で考えてみると、鳥山明などに通じているのかもしれないなと思いました。



 さて、この映画は、物語的に、少し変わった面白さがありました。

 この映画は、ジャンルで言うと、「復讐」「救出」物なのですが、通常のストーリーとは違うサスペンスが用意されています。

 この映画は、コマンチェという部族の襲撃で兄の家族を殺された復員兵の主人公と、その家族に厄介になっていた混血で血のつながっていない青年が、生き残っているかもしれない少女を探すという話です。

 その少女は、生死は不明ですが、移動を続けている部族にさらわれている可能性が高いです。なぜならば、コマンチェはさらった子女を、自分達の部族の人間として育てる習慣があるからです。

 そのため、二人は方々を放浪しながら、手掛かりを探してこの部族に肉薄していきます。

 通常なら、これは、兄の家族を殺したことに対する「復讐」と、少女の「救出」が物語の目的になります。

 しかし、この映画は、そこにもう一つひねりを入れて、サスペンス要素を作り出しています。

 それは、主人公である復員兵の考え方にあります。



 主人公は、こう考えています。

 兄の家族を殺したコマンチェには復讐をする。姪がコマンチェの一員になっているのならば、それはもう白人ではない。そして、復讐の対象だから殺す。

 主人公と共に旅をする混血の青年は、主人公のこの考え方を知っています。そのために、血の繋がっていない妹を救い出すとともに、主人公から守ることを目的として旅をしています。

 この設定があるために、物語は一筋縄ではいかない状態になっています。

 そして、その捜索は数年に及びます。

 そのため、少女が女に成長する時間が経ちます。これが何を意味するのかは、書かなくても分かります。

 二人が手掛かりを手繰り寄せ、コマンチェに近付き、少女に接近していけばいくほど、危険度は高まっていきます。

 それは、コマンチェとの戦いが近いというだけでなく、大いなる悲劇が起こる可能性を暗示しているからです。



 この、設定は上手いなと思いました。

 一直線に困難を克服していくのではなく、ゴールに近付けば近付くほど、物語の破局に対する内圧が上がっていく。

 そしてその内圧が、外因ではなく、主人公自身の考え方という内因に起因している。

 問題が内部にあるために問題の解決は難しく、どこかのタイミングで、二人の協力関係が破綻することが目に見えている……。

 ゴールに近付くほど、仲間割れが起こる可能性が高まるという設定は、宝探し物などでよくある設定です。

 しかし、この映画では、その仲間割れを「主人公が自分の姪を手に掛けるかもしれない」という悲劇に設定している分、話に深みが出ています。

 葛藤という点では、損得ではない部分なので、より重いです。

 こういった部分も、この映画の魅力の一つだと思いました。



 以下、粗筋です(ネタバレあり。中盤のラストまで書いています)。

 主人公は復員兵。南北戦争が終わってからしばらくの間、彼は兄の家族が待つ家には帰らず、方々を放浪していた。

 彼は、兄の家族が待つ家に帰ってくる。だが、その直後に悲劇が襲う。コマンチェと呼ばれる部族が、兄の家族を襲ったのだ。

 主人公と、兄の家族に養われていた混血の青年の二人は、村の仲間たちとともに遠出をしていた。

 二人は帰って来て、惨劇を目撃して、怒りを露にする。破壊された家には、兄家族の死体が転がっていた。しかし、家族で一番幼い少女の死体はそこにはなかった。

 主人公は、コマンチェの習慣を知っていた。彼らは子供をさらって、自分達の一員として育てることがある。

 二人は、村の仲間たちとともに、姪を救出するために追跡を開始する。しかし、仲間は傷を負ったり脱落したりして、最後には二人だけになる。

 彼らは年をまたいでも追跡を続け、数年後にようやく手掛かりを得る。

 だが、その頃には、混血の青年にはある恐れが浮かんでいた。主人公は、コマンチェに育てられているであろう姪を、コマンチェの一員として殺す気でいる。

 二人はコマンチェに徐々に近付いていく。そして、伝手を得て、部族の長と会う機会を得る。そこには、族長の妻の一人になった、かつての姪がいた……。



 なかなか上手い葛藤を持ってきている映画だなと思いました。

 その部分は、割と珍しいサスペンスなので、印象に残りました。



 あと、この映画はカラー映画なのですが、たぶん映画館で見ると、かなりド迫力だっただろうなと思います。

 以下、Wikipediaからの抜粋や、他の部分から調べた情報です。

□Wikipedia - カラー映画
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%BC%E6%98%A0%E7%94%BB

 カラー映画は、1939年の「風と共に去りぬ」でムーブメントを起こし、その後1970年代までには本流になっていったそうです。

 なので、この映画「捜索者」(1956年)は、まだ過渡期の作品なのだと思います。DVDに同梱されていた、この映画のドキュメンタリーは白黒でしたので。

 また、この映画の一つ前に見た「その男ゾルバ」は、1964年で白黒でした。

 同じ時期ぐらいの映画で、カラーの景色が美しい映画として思い出すのは「アラビアのロレンス」です。こちらは、1962年になります。

 なんとなく映像の質感から、カラー過渡期の作品かなと思ったので、少し時代関係を調べてみました。
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