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2009年08月09日 04:58:32
気狂いピエロ
 映画「気狂いピエロ」のDVDを六月中旬に見ました。

 1965年の映画で、監督・脚本はジャン・リュック・ゴダールです。

 映画は、言葉にはしにくいけど、もやもやと伝わるものがありました。特に終盤は「分かる」と思わせる、ぐっと来るものがありました。

 ハリウッド的な「作り手側が理解を助ける」作りの映画ではなく、「読み手側が解釈する」タイプの映画なので、人によって受け取り方がだいぶ違うだろうなと思いました。

 私個人は面白かったです。



 さて、この映画で一番印象に残ったのは、助演の女優のアンナ・カリーナです。

 腰からお尻のラインがやばい。

 引き締まってはいるけど、貧弱ではない。膨らみはあるけど、豊満ではない。小柄な体に、肉がほどよく付いているように見える。絶妙のバランス。

 そして清廉でありながら艶かしいカーブ。これは人の目を引き付けるプロポーションです。

 それがよく分かっているのでしょう。彼女は、腰から尻のプロポーションがよく分かる服装ばかりです。そして、撮影も、そういった部分に目がいくような撮り方をしています。

 映画中、主人公が、腰からお尻のラインを褒めるシーンがあるので、そういった演出は意図的だと思います。

 よかったです。



 映画を見終わって、キャストの情報を見ると、彼女はゴダールと一時期結婚していたそうです。

 この映画は、ゴダールと正式離婚後に彼女は出演したと書いてありました。

 ゴダールはこんな美人の奥さんを持っていたのかと思いました。

 あのラインは、正直やばい。また、そう思わせるような映像になっていました。



 映画自体についても書きます。

 ファムファタル系です。ロードムービーです。

 奔放すぎる女性、それと対を張れるぐらいの、ある意味達観した男性。

 しかし、男性の方が、彼女に対する執着が強く、結果、身を滅ぼす方向にむかっていく。

 そういった感じの物語です。

 話は断片的で、きちんと説明されていないように見えますが、最後まで追っていけば、きちんと理解できるだけの情報が提示されています。

 前半だと、「この女性、どういう人なの?」という感じですが、中盤も終わりが近付いてくると、ああなるほど、彼女の背景はこういうことなのかということが分かるような描写が続きます。

 そしてラストは、衝撃的ですが、納得できるものでした。

 丹念に主人公の心の動きやわだかまり、心にたまっていく感情を描写しているので、破天荒な結末でありながらも、共感できるものになっていました。

 よく出来ている映画だなと思いました。



 さて、この映画を見て思ったのは、「行動の理由というのは、一つの切っ掛けでなく、感情の積み重ねなんだよな、現実世界では」ということです。

 この映画は、そういったことを感じさせられようになっていました。

 きっちりとした脚本だと、理由1、理由2みたいな感じで列挙できるようになっているのですが、実際はこの映画のように、じわじわと感情が積み上げられていくのだと思います。

 そして、感情の堰を溢れさせる切っ掛けで、それが決壊する。

 この映画では、この決壊のタイミングとなる話があります。しかし、積み重ねた感情をどう受け取るかによって、微妙に「原因」が、観客によって異なるのではないかと思いました。

 私は、「自分が愛する女性が、自分だけを愛しているのではないと知ったこと」だと感じました。だから、自分だけのものにする必要があり、時を止める必要があったと解釈しました。

 人によっては「信用していると思っていたら、裏切られた」からと感じるかもしれません。

 何はともあれ、曖昧な感情を、曖昧な形のままぶつけてこられたような部分があり、面白かったです。



 以下、粗筋です(ネタバレあり、最後まで書いています)。

 金持ちの女性と結婚した主人公は退屈していた。そんなある日、かつて付き合っていた女性と再会する。

 主人公は不倫をして、彼女の部屋で死体に出会うことになる。そして、二人の逃避行が始まる。

 主人公にとって、彼女は謎だらけだった。大量の武器が部屋にあったり、その部屋に大金があったり。人の死を恐れないことも、普通では考えられないような大胆さと奔放さを持っていることも、不思議なことだった。

 二人の逃避行は、能天気な強盗旅行という感じだった。

 車を奪ったり、金を奪ったり、時には芸をして金を稼いだり、人のいない場所でロビンソン・クルーソーのような生活をしたり、小説を書いて過ごしたり。

 しかし、そんな二人を追う、警察以外の者たちがいた。彼らは、彼女が武器取引の金を盗んだという。その金は、盗んだ車を燃やした時に全て炎上していた。

 主人公は、彼女の来歴を知らない。

 彼女は、その追っ手を殺して姿を消す。

 しばらく経ち、主人公の許に、再び彼女が現れた。二人は再び行動を共にする。主人公は、次第に彼女がどういった人間なのか分かってくる。

 どうやら、どこかの戦時下の国に武器を調達している組織の一員らしい。そう考えれば、彼女の大胆不敵さ、奔放さ、人を殺すことへの無抵抗感など、様々なことが説明が付く。

 そして、主人公は、その片棒を担がせられだす。しかし、彼女を愛する主人公は、彼女に疑問を持ちながらも協力する。

 しかし、彼は目撃してしまう。彼女が「兄」と呼んでいた組織の男とキスをする場面を。

 そして彼女は、共犯となった主人公を置いて、去ろうとする。主人公は、彼女を追い、撃ち殺す。

 主人公は、自らの顔にダイナマイトを巻き、壮絶な最期を遂げる。



 ラストは、「ああ、これは伝説になるな」と思いました。

 ダイナマイトの下りの前に、顔にペンキを塗りたくるシーンがよく出来ていました。

 映画の間中、主人公は彼女に「気狂いピエロ」と呼ばれて「僕の名前は気狂いピエロではない」と答え続けます。

 そして、ラストで、自らの顔にピエロのようにペンキを塗ります。

 この仕掛けがよく出来ています。

 ここでぐっと来る。

 こういう仕掛けは大切だなと思いました。



 Wikipediaを見ると、「気狂いピエロ」は、「きちがいピエロ」と読むのが正式のようです。

 以下、抜粋です。

 映画のタイトルの読みは「きちがい-」であり、「きぐるい‐」は誤りであるが、放送等においては「きぐるい-」と読ませる。

 近年のテレビ放送では原題と同じように「ピエロ・ル・フ」とされることもある。


□Wikipedia - 気狂いピエロ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%97%E7%8B%82%E3%81%84%E3%83%94%E3%82%A8%E3%83%AD
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