映画「素晴らしきヒコーキ野郎」のDVDを六月下旬に見ました。
1965年の作品で、監督はケン・アナキン、脚本は ジャック・デイヴィスとケン・アナキンです。
どういう映画かというと、飛行機黎明期、各国のヒコーキ野郎たちが、大新聞社主催のドーバー海峡越えのレースに挑むという話です。
各国のステロタイプをコテコテのギャグとして利用しながら、様々な妙ちくりんな黎明期の飛行機たちの飛んだり、飛ばなかったりするレースを楽しむ映画です。
娯楽大作という感じで面白かったです。
さて、この映画を見始めて思ったのは、「チキチキマシン猛レース」みたいだなということです。
ブラック魔王みたいな、悪の親分子分が出てくるので、そう思いました。
「素晴らしきヒコーキ野郎 チキチキマシン猛レース」で検索すると、けっこうな人がそう思ったようで、それなりの数(453件)がヒットします。
□Google - 素晴らしきヒコーキ野郎 チキチキマシン猛レース
http://www.google.com/search?hl=ja&q=%E7%B4%A0%E6%99%B4%E3%82%89%E3%81%97%E3%81%8D%E3%83%92%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%82%AD%E9%87%8E%E9%83%8E+%E3%83%81%E3%82%AD%E3%83%81%E3%82%AD%E3%83%9E%E3%82%B7%E3%83%B3%E7%8C%9B%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B9&lr= ちなみに、元ネタというわけではないようです。
さて、映画は、本当にステロタイプの連発で、ニヤニヤしっぱなしでした。
フランス人は、いっつも女性を口説くし、ドイツ人は、杓子定規だし、アメリカ人は、他人を気にせずやりたいことをやるし。
他にも、イギリス人や、イタリア人、そして日本人も出てきます。まあ、この時代で日本人なので、描写は「どこの国だよ」という感じです。
ちなみに、日本のパイロットは石原裕次郎です。初登場シーンでは、凧に乗って、空から降りてきます。凄いです。
そして、この映画を面白いものにしているのは、やっぱり飛行機です。
手作り感満載の飛行機たちがいいです。飛んでいる最中に故障したり、修理したり、離陸に失敗したり、着地に失敗したり。
黎明期で物が単純だから、メンテナンスも個人レベルでできるところが楽しい。
これは、弄りだしたらはまるだろうなと思いました。
また、「これはいくらなんでも飛ばないだろう」という飛行機が出てきて、予想通り飛ばなかったり、意外に飛んだり、そういった部分も楽しかったです。
娯楽大作という感じでよかったです。
さて、映画は基本的に面白かったのですが、一つだけ、あまり好みに合わなかったところがあります。
それは、横恋慕寝取り系の話です。
ハリウッド映画なので、アメリカのパイロットが活躍するのは分かるのですが、そのパイロットが、イギリスのパイロットの婚約者(まだ正式に婚約する前)を口説きます。
ハリウッド映画で、アメリカのパイロットだから、結末は分かります。何だかなと思って、そこはいただけないなと思いました。
まあ、当時の映画の対象観客でないので、仕方がないのかもしれませんが。
以下、粗筋です(序盤だけ書きます。あとは細部のギャグなどが中心の展開になりますので)。
飛行機黎明期。イギリスはこの新しい分野で出遅れていた。新聞社の社長は、イギリスが大躍進するために、各国の飛行機を一同に集めて、レースを行うことを決める。
かくしてロンドン、パリ間の飛行機レースが行われることになった。
イギリス、フランス、イタリア、ドイツなど、各国の著名な飛行家たちに招待状が送られた。また、日本にも招待状が送られる。
また、招待状を受けてはいないが、自費でアメリカ人も参戦することになった。
そして、非常にゆったりとしたレースが始まった……。
レースは、本当にゆったりとしたものでした。
練習に数日掛けたり、移動も一気に移動するのではなく、何回かに分けての移動でしたし。
でも、楽しめました。
あと、この映画は、映画の最初と最期のアニメーションが面白かったです。
飛行機の歴史や、映画のキャラクターたちを描いたアニメーションなのですが、味があってよかったです。
これだけでもけっこう楽しめました。