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2010年01月22日 09:48:14
エゴン・シーレ〜愛欲と陶酔の日々〜
 映画「エゴン・シーレ 愛欲と陶酔の日々」のDVDを、十一月下旬に見ました。

 1980年のオーストリア、西ドイツの映画で、監督はヘルベルト・フェーゼリー、脚本はヘルベルト・フェーゼリー、レオ・ティシャットです。

 DVDの予約リストに何故入っていたのか記憶が定かではないのですが、映画は思ったよりも面白かったです。しかし本当に、何で借りたのだろう?



● エゴン・シーレの半生

 映画は、本当に伝記で、ストーリー的には、前半と後半に因果関係や伏線は特にないような構成でした。

 いちおう、リンクさせようとしているのですが、話的には特に繋がっていないなあと思いました。

 映画は淡々と進むのですが、その中で見せ場になっていたのは、物語的なフックではなく、女性のヌードでした。



● ヘア・ヌードだらけの映画

 映画は、ヘア・ヌードだらけでした。出てくる女性の多くがヌード・モデルで、ヘアーも露に裸を見せたり、股を開いたりしています。

 大丈夫なのか? と思いましたが、エロいというわけではありません。それはたぶん、汗や汁といった体液的表現がないことと、あっけらかんとしていることと、そのまま繋がっているような描写はあまりないことが原因だと思います。

 体液も恥じらいもなければ、性行為もそれほどエロくはありませんし。それに、ヌードも、ただ裸で立っているだけだと、単なる物体にしか過ぎません。精神的には興奮しないです。

 そういったヌードの中で気になったのは、この映画に出てくる女性は細身の貧乳が多いということです。

 主役はエゴン・シーレで、友人として出てくるのはクリムトなので、豊満な女性というよりは、退廃的で細身の女性が必然的に多くなります。

 そういった画家の作品を反映したヌードの構成になっていました。また、そういった女性の多くが、乳首が長かったのも興味深かったです。統計は知らないのですが、細身の人には、そういった人が多いのでしょうか? 謎です。

 あと、映画の前半の重要人物となる、未成年の少女も脱いでモデルをします。そのため、うら若き女性のヘア・ヌードも何度も出てきます。股も広げています。

 そのため、この映画は十年後とかには、見られなくなるかもしれないなと思いました。



● 表現に対する裁判

 映画の前半は、猥褻な表現に対する裁判が中心になります。

 エゴン・シーレは、家出して雨でびしょ濡れの少女を家に入れてあげます。そして、同棲している恋人に預けて、彼女の部屋に寝させます。

 そうやって自分の家に泊めたことで、少女の親から未成年をかどわかした罪で裁判にかけられます。これは、エゴン・シーレには、いい迷惑の巻き込まれ被害です。

 その訴えは後で退けられるのですが、家宅捜索の段階で見つかった少女の裸の絵のせいで、猥褻な表現に対する罰として、判事に訴えられます。

 この内容を見ていて、今日本は百年前に先祖返りしようとしているんだなと思いました。

 人間の進歩を維持するのは難しく、絶えず後退させる文化的な攻撃にさらされているのだなと思いました。



● クリムトとの絡み

 エゴン・シーレは、二十八歳年上のクリムトと友人関係を結んでいました。映画にも、その話が出てきます。エゴン・シーレは、クリムトのヌード・モデルの一人と、四年間同棲生活を送ります。それぐらい、仲がよかったようです。

 この関係は、二人の方向性が大きく違ったから成立したのかなと思いました。同じ方向性だと、対立するでしょうから。

 そういった対立があれば、物語として面白くなるのでしょうが、そういったものはなかったので、映画としては、ちょっと盛り上がりに欠ける内容になっていました。



● 第一次世界大戦とスペイン風邪

 エゴン・シーレは、スペイン風邪で夭折します。

 1918年から19年に起こったこの大流行は、第一次世界大戦時期(1914年〜1918年)と重なり、感染者数六億人、死者数四千〜五千万人という、未曾有の被害をもたらしました。ちなみに、当時の世界の人口は、十八億人から二十億人程度だったそうです。

 このスペイン風邪は、百年も経っていない最近の出来事なのですが、遠い昔のような気がします。現代においても、同じような大流行が起これば、似たような被害が出る可能性は高いです。

 そういった時に、自分は生き残れるのかなと思いました。



● 粗筋

 以下、粗筋です(最後まで書いています)。

 クリムトの元モデルの女性と暮らしていたエゴン・シーレは、ある日、一人の少女を家に入れる。彼女は土砂降りの日にやって来て、家出をしたので、家にかくまって欲しいと言った。

 びしょ濡れの彼女を放っておけず、エゴン・シーレは彼女を家に入れて、同棲している恋人に預けて、家に泊まらせる。そして翌日、恋人とともに、少女の祖父母の家に連れて行ったりと世話をする。

 そのエゴン・シーレの家に、娘の父親が乗り込んできた。彼は、娘をたぶらかしたとして、エゴン・シーレを訴える。たぶらかしたということが勘違いだと分かった父親は、訴訟を取り下げる。だが、エゴン・シーレの家から見つかった猥褻なスケッチに眉をひそめた判事は、エゴン・シーレを別件で訴える。

 結果、彼は投獄の憂き目に遭う。

 出所した彼は、再び恋人と暮らすが、他の女性が好きになる。そして、その女性と正式に結婚する。

 第一次大戦が始まり、エゴン・シーレは出征する。そして、戻ってきて個展を開き、成功する。

 だが、妻がスペイン風邪に罹り死亡し、その三日後に、彼自身も死ぬ。



● エゴン・シーレの母親

 エゴン・シーレの母親は、逮捕・投獄された息子に対して、「私を恥ずかしいめに遭わせて!」と憤慨します。

 これを見て、この人は駄目な人間だなと思いました。

 法律を犯すということは、現行のルールから逸脱したか、現行のルールの俎上で誰かに罪を着せられたかで、本人が悪事を犯したかどうかとは、必ずしもイコールではありません。

 親としては、自分の子供が何をしたのか、見定める必要があります。しかし、彼女にはそういった聡明さはありません。

 でもまあ、この時期の女性だし、そういったきちんとした教育は受けていないだろうし、仕方がない部分もあるだろうと思いましたが、「醜悪だな」と感じました。

 映画中、そういった母親の言葉に耳を貸さず、無視をしているエゴン・シーレの姿が、印象的でした。
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