2009年の読書のまとめ2月分です。
星による評価の基準については前述の通りです。
● 2009年02月(6冊/計17冊)
■ 06 漢字−生い立ちとその背景−(白川 静)
(★★☆☆☆)
原初の「呪物」としての漢字の成り立ちと、その背景を生き生きと描いた本。さすがに「字統」とか「字訓」とかは読めませんが、こういった薄い本なら読めます。
昔、TRPGがらみ呪術を調べていた頃にこの本に出会っていればよかったのになあと思いました。
■ 15 五重塔(幸田 露伴)
(★★☆☆☆)
幸田露伴の作品を読んでおこうと思って読んだ本です。薄い本です。
最初、想像以上に読みにくかったのですが、途中からはぐいぐいと引き込まれました。でも、重くて読みにくいのは変わりないです。これは、書かれた時代というのもあるのだと思います。
話としては面白かったです。
■ 15 欺術 史上最強のハッカーが明かす禁断の技法(著:ケビン・ミトニック、ウィリアム・サイモン、訳:岩谷 宏)
(★★★☆☆)
ハッキングはハッキングでも、ソーシャル・ハックを中心とした手法です。
人がいかに騙されるのかと、組織の最大のセキュリティ・ホールは人間なのだということがよく分かる本です。
作者のケビン・ミトニックは有名なハッカーですが、今はセキュリティのコンサルタントをやっているそうです。
その彼が本書で書いていたのは、組織の末端までセキュリティ意識がないと、組織の情報は簡単に抜かれるということです。それは、システム面で整備するとともに、「これはおかしい」と気付く意識の高さを養う必要があるということです。
その部分を読んで、安い給料で人を雇うのも問題だなと思いました。安い給料なら、そもそも会社に対するそういった意識を持ってもらうのは難しいでしょうし。
何はともあれ、この本は事例が豊富で、それを読むだけでも楽しめました。
■ 21 古今和歌集(二)全訳注(久曾神 昇)
★★★★☆ 一巻のところでまとめて書いたので割愛。
■ 25 歌行燈・高野聖(泉 鏡花)
(★☆☆☆☆)
肌に合わないという奴でしょうか。読みやすさでは、圧倒的に幸田露伴の「五重塔」より上でしたが、面白さでは「五重塔」の方が遥かに上でした。
「五重塔」は、物狂いの話なので、私が好きなタイプの話ですので。
これはもう、その人の生まれ持ってきた資質と、これまで蓄積してきた情報が物を言うので、仕方がないだろうと思いました。
■ 28 理性の限界 不可能性・不確定性・不完全性(高橋 昌一郎)
(★★☆☆☆)
だいたいが既知の情報でした。薄い本なので、すぐに読み終わりました。