映画「ゾンゲリア」のDVDを二月上旬に見ました。
1981年の映画で、監督はゲイリー・A・シャーマン。脚本はロナルド・シャセットとダン・オバノンです。原題は「DEAD & BURIED」になります。
この脚本コンビは、「エイリアン」(1979)や「トータル・リコール」(1990)などを手掛けています。
・ロナルド・シャセット
「エイリアン」(1979)製作総指揮/原案
「刑事ニコ/法の死角」(1988)脚本
「トータル・リコール」(1990)製作/脚本
「マイノリティ・リポート」(2002)製作総指揮
・ダン・オバノン
「エイリアン」(1979)原案/脚本
「トータル・リコール」(1990)脚本
映画は、亜流のゾンビ物かと思って見始めたのですが、なかなか硬派で面白かったです。
印象としては、クトゥルフ神話物の小説(邪神が出ない系のやつ)のような雰囲気の映画でした。
● ラストの畳み掛けるような種明かし
映画の主人公は警官です。彼は田舎町で起こった殺人事件を追います。その際に、事件に何度となく出てくるのが検死官兼葬儀屋の男です。
死体が出るたびに、主人公は検視官と話をします。この検視官は、葬儀屋でもあり、死体の復元と化粧が得意です。
この二人が中心となって映画は終盤、大きく転がっていきます。この終盤ですが、映像の見せ方も含めて、よくできていました。
でも、序盤は割りともっさりとしていました。序盤はどこにでもあるようなテレビで流れそうな映画といった雰囲気でした。
総合評価としては、終盤の畳み掛けるような種明かしと、古典的などんでん返しで、標準より上でした。でも、終盤を除くと、ちょっと退屈かもしれないなと思う映画でした。
● ゾンビというよりも死体蘇生
この映画ですが、範疇としてはゾンビ物に入ると思います。
でも、映画自体の方向性としては、死体蘇生系ホラーになると思います。ブードゥーのゾンビというよりは、マッドサイエンティストの死体蘇生という感じでしたので。
いわゆるゾンビ物を期待していると、だいぶ違うものになります。でも、ホラーとしては、それなりによくできていました。
● 粗筋
以下、粗筋です(ある程度ネタバレあり。終盤中ほどまで書いています)。
主人公は警官。彼が住む田舎町で、外から来たカメラマンが殺された。主人公は事件を追うが、その殺人を契機に、不審死や殺人事件が続く。
主人公は、死体を検視官の許へと運び、調査を依頼する。検視官は、町の葬儀屋も兼ねていて、調査後の死体をきれいに修復していく。
事件を追いかけるうちに、主人公は奇妙な出来事に出会う。彼は人を轢いてしまうが、その相手が姿を消す。車に残った肉片は、三ヶ月前の死者のものだった。
その謎を追ううちに、検視官の許から死体が姿を消す。主人公は、事件の背後に何があるのかを調べていく。
そして、検視官について、以前の住所の警察署に問い合わせる。主人公は検視官の正体を知り、彼の許に乗り込んでいく。
だが、そこでは意外な人物が待っていた。そして、検視官は驚くべき事実を語りだす……。