映画「ヘルナイト」のDVDを二月の上旬に見ました。
1981年の映画で、監督はトム・デ・シモーネ。脚本はランドルフ・フェルドマン。主演はリンダ・ブレアです。
リンダ・ブレアは、「エクソシスト」(1973)の女の子です。
映画は、べたべたのB級ホラー乗りの映画でしたが、B級ホラー以上に面白かったです。
● 定番のキャラ配置と舞台設定
B級ホラー映画の定番設定と言えば、「若者たちが、人里離れた場所に行く」「その場所はいわれのある場所で、一人一人殺されていく」というものです。
この映画も、その定番設定に則っています。そしてそこに、ひねりを加えています。
映画の舞台は、かつて殺人事件があった恐怖の館です。そこに、新入生歓迎パーティーということで、四人の新入生が一晩泊まることになります。そして、その館には、彼らを脅すために上級生たちが潜んでいます。
こういった構図で、「館の殺人鬼>上級生>新入生」と円が二重になっています。当然襲われるのは上級生たちからで、新入生たちは、上級生たちの悪戯か本当の殺人か、最初は見分けがつきません。
この新入生は四人います。
無垢で可愛らしいだけの女の子に見えるけど、実は家が貧しくて苦労している主人公。その相方は、お金持ちでイケ面で軽そうに見えるけど、実は真面目で誠実で親切な男の子。残りの二人は、イケイケのサーフィン男子と、尻軽女です。
まあ、どんな順番で殺されていくのかは、だいたい予想できると思います。
こういったお約束をきちんと盛り込みながら、映画としてきっちりと楽しめるように本作品は作られていました。
「お約束が駄目」「B級はB級レベルでなければ嫌」という人でなければ、安心して見られる映画だなと思いました。
● リンダ・ブレア
かなりぽっちゃりさんでした。
「エクソシスト」でホラーのアイコンになったので採用されているのでしょう。
それなりに可愛らしいですが、美人ではないなと思いました。
もう少し細身で整っている顔の方が好みでした。
以下、ネタバレの感想です。
● ヒロインの伏線
ヒロインのキャラ設定の伏線を、後半きちんと回収していたので、投げっぱなしではないなと思いました。
どの部分に対してそう思ったかというと、ヒロインの父親の職業です。映画の途中で、ヒロインが自分の生まれを語り、「自動車修理工の父親を手伝っていた」などと言います。
そのシーンを見て、「これはヒロインのお姉ちゃんが、凄い勢いで車を直して脱出するか、敵を倒すな」と思ったら、きっちり終盤でそうしてくれました。
分りやすくて、気持ちのよい伏線だなと思いました。
● 粗筋
以下、粗筋です。
主人公は、女子大生。彼女は学生クラブの新入生として、恒例の儀式に参加することになる。
その儀式はヘルハウスと呼ばれ、町外れの館に一晩泊まるというものだ。その館は、過去に心中事件があり、そこで生き延びた狂人が潜んでいるという噂があった。
新入生四人はその館に入り、上級生たち三人が脅かし役となる。
だが、その肝試しは恐ろしい結果になる。上級生たちは、一人、一人と何者かに殺されていく。
上級生に脅かされていると思っていた新入生たちは、自分たちが死の危険にさらされていることに徐々に気付きだす。
だが、その屋敷からは通常の手段では脱出できなかった。新入生たちが逃げ出さないように、巨大な門に鍵がかけられていたからだ。
新入生たちは生還するために、恐ろしい敵と戦うことになる。
● 敵の数
以下、完全にネタバレです。
映画を途中まで見た時点で、敵の数は、一人か三人以上のどちらかだろうと思ったのですが、実際には二人でした。あれ?
なんで二人なのかは、よく分からなかったので、何か見逃したのでしょう。そこだけ、ミスったなと思いました。