クロノス・クラウン - 記事検索

おすすめ
自作の本やゲーム他を販売
便利なWebアプリが多数
ソフトウェア
めもりーくりーなー Winのメモリーを掃除
Novel Supporter 小説推敲補助ソフト
PCソフト まとめ
ゲームブック
闇の聖杯の儀式 電書のゲームブック
ゲーム
Little Land War... Win向けSRPG
Little Bit War Switch向け高速RTS
TinyWar... 1面数分の8bit風RTS
EX リバーシ 変形盤面、盤面多数
no link
2010年03月30日 17:59:17
 今年の1月から3月にかけて、ScanSnapと断裁機を使って、本の電子化を行いました。

 スキャンしたページ数は18万7174ページ。電子化した本や冊子、書類などの点数は900点です。

 1点あたりのページ数は208ページなので、ほぼ900冊の本をスキャンしたと言ってよいでしょう。

 かけた日数は48日。仕事をしながらの作業でしたので、正確には何時間か分かりません。

 この作業ですが、最初の頃と最後の頃では、その効率が圧倒的に違っていました。

 そこで、この経験を通して、最短で作業を進められる方法を、マニュアル化しておこうと思います。

 同じように本の電子化をする人が、一から方法を模索するのは馬鹿らしいですので。

 今回の一件を、マンガでも書きました。そちらは下記を参考にしてください。

□創活ノート 第14話「本の電子化」
https://codezine.jp/article/detail/4963



● 用意する道具

 用意する道具ですが、以下のものを準備しました。最初の2つだけ購入しています。残りは、部屋にあったものを、そのまま利用しています。

・ドキュメント・スキャナ「FUJITSU ScanSnap S1500 FI-S1500」(Amazon価格:¥37,300)

FUJITSU ScanSnap S1500 FI-S1500

・手動断裁機「プラス 断裁機 裁断幅A4 PK-513L 26-106」(Amazon価格:¥31,730)

プラス 断裁機 裁断幅A4 PK-513L 26-106

・ディスク・カッター「ディスクカッター・ライト DC-100」(Amazon価格:¥2,436)

ディスクカッター・ライト DC-100

・カッター「L型カッター L-550P L-550P」(Amazon価格:¥326)

L型カッター L-550P L-550P

・カッター台

・金定規



● 道具についての解説1

○ ドキュメント・スキャナ

 これがないと始まりません。本をスキャンして電子化してくれます。使い方や設定の詳細は後述します。

○ 手動断裁機

 高価なものを買いましたが、中国製の安いものでも十分だと思います。少々斜めに裁断されても、ScanSnapで補正されますので。

 あと、手動断裁機は、替えの刃が高価です。替えの刃の値段(15,000円)だけで、中国製の安い断裁機が買えます。そういう意味でも、安いもので済ましてもよいと思います。

○ ディスク・カッター

 表紙をカットするのに使いました。普通のカッターで代用しても構いません。家にあったので、便利に使いました。

○ カッター

 割と大きめの物を使っています。なぜならば、カッターは背表紙の解体用に使うからです。なので、小さいカッターだと怪我をします。大きめの、しっかりと握れるカッターがよいです。

○ カッター台

 上述の、背表紙の解体の時に利用します。

○ 金定規

 上述の、背表紙の解体の時に利用します。

 ただし、慣れてくると、定規なしで、背表紙をきれいに解体できるようになるので、なくてもよいです。



● 道具についての解説2

 本の電子化の記事でよく紹介されているけど、実際には使わなかったものです。

○ グルーガン

 熱で接着剤を溶かして、背表紙をはがしやすくするためのものです。なくても困りません。

 本のページの横幅を揃えたいという几帳面な人は、あった方がよいかもしれません。でも、電子化すると、そういったことは気にならないので必要ないです。

 また、解体した本を再度修復するつもりがあれば必要だと思います。そういった目的がなければ、この道具は必要ありません。



● 本の解体の仕方1(文庫、平綴じ本)

 本は、効率よく、かつ、スキャンしやすいように解体するのがポイントです。

 以下、その手順を書きます。本の中のハガキや広告は、あらかじめ除いておいてください。

1.表紙を取ります。

2.表紙を、表表紙と背表紙の間で、ディスクカッターでカットします。大型の本は、表紙の耳の部分もディスクカッターでカットします。

3【本の分割】.本の厚さが、断裁機を通らない場合は、以下の方法で本を分割します。

3−1.床にカッター台を置きます。

3−2.本を割って開きます。

3−3.割ったページの間にカッターの刃を置き、軽く何度か上下させます。この時、強く上下させると、滑って関係ない場所を切るので注意が必要です。

3−4.紐がある場合は、背表紙側に引っ張って、取り除きます。(そのまま残すと、細かな糸くずになり、スキャナの内部に散らばってしまいます)

4.本を、断裁機で、背表紙側を数ミリ裁断します。

5【ページの確認作業】.ページが正しく断裁されているかの確認作業を行います。

5−1.切った側とは逆の位置を持ち、扇状に紙を広げます。

5−2.変なしなり方をしている場所があれば、糊でページがくっついているので、ページとページを手で切り離します。

5−3.扇状になった場所の上を指でなぞり、硬い部分があれば、糊でページがくっついているので、ページとページを手で切り離します。

5−4.何度かこの作業を行い、くっついている部分がなければ確認作業終了です。

5−5.大切な本の場合は、指で1枚ずつ分離して、きちんと離れているか確認します。

裁断作業の説明01_01



○ 【本の分割】についての補足

 最初のうちは、金定規を当てた方がよいと思います。慣れれば、金定規なしでも、簡単に切り離せるようになります。

 また、本によっては、数ページずつ中綴じされていて、それが糊でくっついています。そのため、開くページによって、切り離しやすさが違います。

 本にもよりますが、糊が少ない場合は、糊だけでくっついているページの境目を狙うと切りやすいです。逆に糊が多い場合は、そこは避けた方がよいです。

 どちらにしろ、あまり強くカッターを動かさないのがコツです。



○ 【ページの確認作業】についての補足

 ScanSnapの「紙を引き込む力」は強いため、ページがくっついていると、薄い紙はぐちゃぐちゃになります。

 そうしないためには、「糊がくっついていない場所を狙って切ればよい」ということになりますが、そうは簡単にいきません。

 本によって、製本のきれいさが違います。糊が大量にはみ出している本もあるので、注意が必要です。

 また、本の中央ぎりぎりまで情報が書いてあったりします。

 そのため、ケース・バイ・ケースで対応していく必要があります。

 白黒の本なら、紙がぐちゃぐちゃになっても、ScanSnapのソフトウェア側で、折れ目を消してくれます。しかし、カラーではそうはいきません。ここは、解体作業で、気を使うところです。



● 本の解体の仕方2(ハードカバーの単行本)

 厚紙の表紙と背表紙が付いているハードカバーの単行本の場合は、【本の分割】の作業が若干違います。

 以下、その方法を解説します。3以外の部分は、基本的に同じなので、省略します。

3【本の分割】.ハードカバーの単行本は、以下の方法で本を分割します。

3−1.表表紙の厚紙の根元を、カッターで切って取り除きます。

3−2.裏表紙の厚紙の根元を、カッターで切って取り除きます。

3−3.背表紙が手で引っ張って取れるようになるので、引っ張って取り除きます。

3−4.紐がある場合は、背表紙側に引っ張って、取り除きます。(そのまま残すと、細かな糸くずになり、スキャナの内部に散らばってしまいます)

3−5.床にカッター台を置きます。

3−6.表紙側から2ミリほどの位置で、本を割って開きます。

3−7.割ったページの間にカッターの刃を置き、軽く何度か上下させます。この時、強く上下させると、滑って関係ない場所を切るので注意してください。

3−8.切り取った部分は斜めになっているので、綴じ部分を指で逆にひねって真っ直ぐにします。

3−9.裏表紙側から2ミリほどの位置で、本を割って開きます。

3−10.割ったページの間にカッターの刃を置き、軽く何度か上下させます。この時、強く上下させると、滑って関係ない場所を切るので注意が必要です。

3−11.切り取った部分は斜めになっているので、綴じ部分を指で逆にひねって真っ直ぐにします。

3−12.残った部分を、何回かに分けて分割します。

裁断作業の説明02_01



 6〜11は、分かり難いと思いますので、補足説明を加えます。

 ハードカバーの本の断面は、「( 」のように弧を描いています。この弧は、詳しく見ると、以下のような曲線になっています。


/
|
|
\


 真ん中の方が平らで、端に行くほど反りが大きくなっています。なので、端の方だけ、薄く分割します。


--------<2mm程度で分割>
/
|
|
\
--------<2mm程度で分割>



 そして、切り離した薄い部分を指で逆向きにひねって、真っ直ぐに矯正します。

|←平らにする
--------<分割>
/
|
|
\
--------<分割>
|←平らにする

 これで、断裁機で綺麗に切れるようになります。そして、ScanSnapでも綺麗に取り込めるようになります。



● 断裁機を使う上での注意

 断裁機を使う上で、私が失敗したことを書いておきます。

 断裁機は、紙は切れますが、金属には弱いです。本にホッチキスなどがあり、その部分を誤って切ってしまうと刃が欠けます。

 中綴じの本は、ホッチキスがあることが分かりやすいので、気をつければ避けられますが、平綴じの本で、針金で綴じられている場合は、見落として失敗してしまいます。

 具体的には、以下のような構造です。太線の部分に、針金が入っています。

┌┰────
└┸────

 こういった本は、教科書などに多いです。見落とさないように、気をつけてください。

 さて、誤って刃をかけさせてしまった場合ですが、一応本は切れます。

 ただし、下の方の数ページが切れなかったりします。その場合は、本の下に新聞紙を敷いて、底上げをして裁断するとよいです。

 またその際、毎回新聞紙を切る必要はないです。新聞紙をセロテープで固定しておき、その上に本を置けばよいです。それだけで、綺麗に切れるようになります。



● 本の解体補足

 本は、10〜20冊ほど解体して、ストックを作っておいて、スキャン作業を行いました。

 あまり大量に解体しておくと、山が崩れた時に、ページの順番を修復できなくなりますので。

 また、籠の中に入れて、崩れにくいようにしておきました。



● スキャン前の設定

 さて、本の解体の説明が終わったので、次はスキャンの説明です。

 スキャンは、ScanSnapを使います。取り込んだファイルは自動でPDF化してくれます。そして、OCRもしてくれます。

 ただし、OCRは時間がかかります。このOCRは、後でまとめて行うこともできるので、寝ている間に行うとよいです。無駄な時間は極力省いた方がよいです。

 また、本の種類によって、選ぶ設定が若干異なります。ScanSnapでは、10個までの設定を登録できますので、予め以下の設定を登録しておき、用途に応じて選択するとよいです。

 設定ウィンドウは、タスクトレイにある「青丸にS」のアイコンをダブルクリックすると表示されます。

タスクトレイ001

設定ウィンドウ001

 作製した設定は、設定ウィンドウの[読み取り設定]のメニュー内から、登録・管理することができます。

 それでは、以下、私が用途に応じて作製した設定です。



○ 0.共通部分

 全部の設定に共通する部分です。各設定は、共通しない部分だけを書いていきます。

・アプリ選択
  アプリケーションの選択:指定したフォルダに保存
・保存先
  イメージの保存先:〜\scan(パスは任意に設定してください)
  ファイル名の設定:「日付を使用します」
・読み取りモード
  読み取り面の選択:両面読み取り
・ファイル形式
  ファイル形式の選択:PDF
  テキスト認識の選択:「検索可能なPDFにします」をOFF
・原稿
  原稿サイズの選択:サイズ自動検出
  マルチフィード検出:重なりで検出(超音波)
・ファイルサイズ
  圧縮率:3



○ 1.グレー文

 文字中心の書籍用の設定です。

・読み取りモード
  画質の選択:スーパーファイン(カラー/グレー:300dpi)
  カラーモードの選択:グレー
  オプション
    「文字をくっきしりします」をON
    「文字列の傾きを自動的に補正します」をON
    その他は全てOFF



○ 2.グレー文(傾き補正なし)

 「グレー文」から、「文字列の傾きを自動的に補正します」を解除しています。これは、図版が入っている本用の設定です。

 図版が入っていると、その図に引きずられて、傾き補正で、ページが変な方向に曲がったりするためです。

・読み取りモード
  画質の選択:スーパーファイン(カラー/グレー:300dpi)
  カラーモードの選択:グレー
  オプション
    「文字をくっきしりします」をON
    その他は全てOFF



○ 3.グレー絵(傾き補正なし)

 「グレー文」から、さらに「文字をくっきしりします」を解除しています。これは、写真中心の本用の設定です。

 写真が多い場合、「文字をくっきしりします」をONにしていると、写真が黒くなりすぎるので、その対策です。

・読み取りモード
  画質の選択:スーパーファイン(カラー/グレー:300dpi)
  カラーモードの選択:グレー
  オプション
    その他は全てOFF



○ 4.カラー絵(傾き補正なし)

 「グレー絵(傾き補正なし)」のカラー版です。

 カラー本は、だいたい図版中心なので、「文字列の傾きを自動的に補正します」はOFFにしています。

 この設定では、通常の本より、若干色が薄くなりますが、あまり気にしないようにしています。

・読み取りモード
  画質の選択:スーパーファイン(カラー/グレー:300dpi)
  カラーモードの選択:カラー
  オプション
    その他は全てOFF



○ 5.カラー文

 「グレー文」のカラー版です。

 参考書などに多い、文字の一部が色つきになっている本向けの設定です。「カラー絵」と違い、「文字をくっきしりします」をONにしています。

 この設定では、実際の色とは違い、色身が強調されますが、図版が多くなければ気になりません。文字優先で読みやすくしたい場合の設定です。

・読み取りモード
  画質の選択:スーパーファイン(カラー/グレー:300dpi)
  カラーモードの選択:カラー
  オプション
    「文字をくっきしりします」をON
    「文字列の傾きを自動的に補正します」をON
    その他は全てOFF



○ 6.カラー文(傾き補正なし)

 「カラー文」から、「文字列の傾きを自動的に補正します」をOFFにしたものです。

 図版の多い参考書などに使います。

・読み取りモード
  画質の選択:スーパーファイン(カラー/グレー:300dpi)
  カラーモードの選択:カラー
  オプション
    「文字をくっきしりします」をON
    その他は全てOFF



○ 7.マンガ

 マンガ用の設定です。スクリーントーンを潰さずに取り込むために、600dpiにしています。また、マンガの線に引きずられないように、「文字列の傾きを自動的に補正します」をOFFにしています。

 絵の資料ではなく、話だけ分かればよいマンガは「グレー文(傾き補正なし)」で取り込んでいます。

・読み取りモード
  画質の選択:エクセレント(カラー/グレー:600dpi)
  カラーモードの選択:グレー
  オプション
    「文字をくっきしりします」をON
    その他は全てOFF

 設定は以上です。これらの設定を、用途によって切り換えて使用していきます。



● スキャンの設定の切り替え

 タスクトレイにある「青丸にS」のアイコンを左クリックすれば切り替えられます。

メニュー001



● 表紙のスキャンについて

 スキャンしたページは、後でAcrobatで向きを変更できます。なので、表紙は、縦向きでも横向きでも構わずスキャンしてください。

 最初の頃は、表紙だけフラット・スキャナでスキャンして、あとで結合していましたが、表紙もScanSnapで取り込んだ方が早いし便利です。これは、後悔しています。



● スキャナの掃除

 ScanSnapは、かなり頻繁に掃除しなければなりません。なぜならば、細かな紙くずが、すぐに内部に充満するからです。

 本体は、簡単に蓋を開けて掃除できるようになっています。

 掃除は、眼鏡拭きがあるとよいです。また、眼鏡拭きでなくても、目が細かく、ガラス(スキャン面)を傷付けないものなら、何でもよいです。

 液体系で拭くのは避けた方がよいです。内部には、電子部品とともに、ゴムの部品もあります。水もエタノールも避けた方が無難です。

 また、スキャン面のガラス窓に、本の糊が付着することがあります。その場合は、ゴシゴシとこすって取り除いてください。そのままにしていると、全ての画像に縦線が入ります。

開いて掃除001



● カラー画像取り込み時の注意

 ScanSnapは、グレーでの本の取り込みは、ほとんど無敵に近いです。ただ取り込むだけでなく、紙焼けを消したり、折れ目を消したりもしてくれます。エラーもほとんどないです。

 しかしこのScanSnapも、カラーの取り込みには弱いです。

 特に、光沢紙の取り込みには弱く、静電気のせいか、スキャン面にゴミが付きやすく、スキャン後の画像に縦線が入りやすいです。

 カラー画像を取り込む場合は、10ページずつぐらいにして、スキャン後に頻繁に確認して、必要に応じて内部の掃除をするようにしなければなりません。

 特に、黒背景のページでは、ほぼ何らかのエラーが出ると思っていた方がよいです。



● スキャナの上と下の特性の違い

 両面同時にスキャンしてくれるScanSnapには、上側と下側に2つのスキャン窓が付いています。

 この2つのスキャナには、実は精度に違いがあります。これは、電子的な性能の違いではなく、構造的な問題です。

 紙をカーブさせながら取り込みスキャンするため、紙がスキャナの間を通るときの角度が、上と下では若干違います。

 そのため、黒背景のカラー画像の時に、下側のスキャナでは紙の端が白くぼける現象が発生します。

 黒背景のページをスキャンする場合は、上側のスキャナを使うようにした方がよいです。

 では、具体的な作業をどうするかと言うと、表から1回、裏から1回スキャンしておき、あとでAcrobatで合成するのがよいです。

 Acrobatでは、各ページやファイルを、ドラッグ&ドロップで編集することができます。



● 分割してスキャンした本の結合

 ScanSnapには、Adobe Acrobatが同梱されています。このAcrobatを使って、ドラッグ&ドロップで簡単に編集を行うことができます。

 とりあえずガンガンスキャンしておき、1冊分取り込んだ時点で結合して、本のタイトルをファイル名にするとよいです。

 スキャンには、エラーがたまにありますので、1冊ごとに確認しておいた方がよいです。

 ちなみに、起こるエラーとしては、ページの二重取り込みはまずないです。

 ただし、しおりが挟まったまま取り込まれることはたまにあります。

 あとは、ページの大きさを判断ミスして、巨大な画像になっている場合も稀にですがあります。



● 消耗品の交換

 500冊ぐらいスキャンしたところで、ページ分離用の部品を交換する必要があります。ゴムが磨り減ってしまうからです。

削れて消耗001

 私は、この部品交換のタイミングに気付かずに、かなり四苦八苦しました。交換しないと、読み取りエラーが頻発します。

 部品は2,000円ぐらいしますが、消耗品として割り切るしかないです。

FUJITSU パッドユニット 0637841

 あと、もっと大量にスキャンすると、ローラーも替える必要が出てきます。

FUJITSU ピックローラユニット 0637831



● OCR

 スキャンしたあとのPDFは、ScanSnap付属のソフト「ScanSnap Organizer」で、まとめてOCRができます。

 けっこう時間がかかるので、寝ている間にするとよいです。

 この「ScanSnap Organizer」ですが、ScanSnapでスキャンしたPDFしかスキャンできないようになっています。

 しかし、他のPDFであっても、ScanSnapでスキャンしたページをそのPDFに加えれば、OCR可能になります。

 「ScanSnap Organizer」のOCR精度は、Acrobatの精度よりも遥かに高いです。また、日本語、英語などと言語が選べますので、スキャンした本によって、言語を切り替えるとよいです。

 あと、プログラム系の書籍は、OCRが上手くいかないものと思っておいた方がよいです。日本語と英語の混在している紙面になりますので。どちらかの言語を犠牲にしなければいけません。

ScanSnap-Organizer001



● PDFファイルとAcrobatの設定

 見開き表示にした際、縦書きの本で、若いページを右側にしたい場合は、以下のような設定にします。

1.Adobe Acrobatの[ファイル]→[プロパティ]で、「文書のプロパティ」ダイアログを表示します。

2.[詳細設定]タブを選び、[読み上げオプション]→[綴じ方]→[右]に設定します。

 これで、縦書きの本も見開きで見られるようになります。

 ちなみに、見開き表示は、以下の方法でできます。

1.Adobe Acrobatのメニュー[表示]→[ページ表示]→[見開きページ]を選択します。

 また、見開きページにした際、1ページ目を表紙にして、2ページ目から見開きにするには、以下のような設定にします。

1.Adobe Acrobatのメニュー[表示]→[ページ表示]→[見開きページモードでページをレイアウト]をチェックします。



● 整理と閲覧

 取り込んだPDFは、Explorerのフォルダでジャンル分けしています。また、スキャン日やページ数などの情報を、エクセルファイルでまとめています。

 また、PDFですが、1ページ目を画像にして、同じフォルダに保存しています。

 なぜそういったことをしているかと言うと、PDF管理ソフトではなく、画像ビューワーで本を探せるようにするためです。

 いくつかのサムネール付きのPDF管理ソフトを試してみたのですが、どうも速度が遅く、使い勝手が悪かったです。なので、画像ビューワーで表紙を見て、PDFにアクセスする方式にしました。

ビューワー001



● バックアップ

 ハードディスク2台に保存した上に、DVD2枚に保存して、4重に保存するようにしました。

 よほどのことがない限り、これで十分かと思います。

 スキャンした本は全部捨てました。本は、紙ゴミの日以外にも、地区センターの紙ゴミ用のボックスに出しに行きました。



● まとめ

 本の電子化は、やり方次第で、かかる時間がかなり違います。

 最初の段階で、最後の方法が確立できていれば、たぶん1/4ぐらいの時間で全てが終わったと思います。

 なぜなら、1日あたりのスキャン冊数が、最大で5倍ぐらい違っていましたので。

 というわけで、これからスキャンする人の参考になればと思います。
最新20件 (全て見る)

オススメ電書 (全て見る

動画講座 (全て見る

サイト目次

おすすめ

PCソフト/Webアプリ

ゲーム

マンガ

記事

柳井の同人活動

開発

携帯・スマホ

アナログ・ゲーム

Cronus Crown(クロノス・クラウン)のトップページに戻る
(c)2002-2024 Cronus Crown (c)1997-2024 Masakazu Yanai
ご意見・お問い合わせはサイト情報 弊社への連絡までお願いします
個人情報の取り扱い、利用者情報の外部送信について