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2010年06月15日 11:59:41
愛のむきだし
 映画「愛のむきだし」のDVDを、四月下旬に見ました。

 2008年の映画で、監督・原案・脚本は園子温。主演は西島隆弘で、ヒロインは満島ひかり。敵役のコイケを怪演していたのは、安藤サクラになります。

 エロとタブーとバイオレンスが、思春期の無駄なエネルギーで笑いに昇華している素晴らしい作品でした。

 そして、映画というフォーマットの懐の広さを感じました。必見です。



● 237分という長尺

 本作は237分、約四時間という長尺でした。

 DVDは二巻組み。TSUTAYAからは、他のDVDとセットで先に上巻、後で下巻と来たので、数日間空いて上下巻を見ました。

 映画を見ている途中で思ったのは、「これはテレビドラマではできないな」ということです。

 何より主人公の設定や話の展開が、地上波で乗せるには難しいもので、かつ数話分の時間があるので厳しいです。

 しかし、映画という枠組みなら、そういった話でも、作って公開することができます。これは、映画というフォーマットの懐の広さだなと思いました。



● 盗撮王子から宗教バトルへ

 さて、この映画の主人公は、かなり強烈です。

 牧師の息子で、インポテンツで、父親に愛されるために罪を集めようとして不良と友達になり、パンチラ盗撮道に足を踏み入れます。

 そんな彼が、ある少女に対して初めて勃起します。そして、その相手と義理の兄妹になり暮らすことになります。そうやってできた家族が、新興宗教の手に落ちて洗脳されます。

 主人公は、その彼女を救うために、新興宗教と戦うことになります。



 というわけで、映画は大きく分けて三つのフェイズに分かれます。

・主人公が、父親に愛されるために、パンチラ盗撮道にはまっていくフェイズ。

・主人公が、運命のマリア様を見つけて、なんとかその心を掴もうとして悶々とするフェイズ。

・家族が新興宗教に洗脳されて、愛する少女を救おうとするフェイズ。



 どれもが面白かったのですが、一番笑えたのは前段の盗撮道のフェイズです。そして、一番緊張感溢れて引き付けられたのは、後段の宗教バトルのフェイズでした。

 その中でも特に、前段の盗撮道のフェイズが秀逸でした。

 思春期の少年たちの、「意味不明のことに全力疾走する様」が、非常にコミカルに描かれています。

 この前段が面白かったので、四時間の映画を、一人のキャラを主軸として楽しめたのだと思います。



 そして後段の宗教バトル。

 オウムなどの、いくつかの宗教団体をミックスした新興宗教団体と主人公との戦いが始まります。

 これが、かなりえげつないです。真っ黒々の、完全な悪の組織です。

 これは地上波に乗せるのは難しいだろうなと思いました。芸能界を支配している宗教団体も、モデルの一部に入っている感じでしたので。

 個人的には、そういった団体は嫌いなので、終盤にカタルシスを味わうことができました。

 しかし、洗脳って怖いですね。

 あと、勃起で感動できる作品は、少ないと思いました。



● キャラの立った登場人物たち

 映画は、キャラの立った登場人物で彩られています。

 まずは主人公の高校生の少年。母が死んで後、彼の父親は牧師になります。しかし、その父に愛人ができ、その後父親は振られて、精神が病んだ状態になります。

 その父に主人公は毎日責められます。「お前は罪を犯したはずだ。懺悔しなさい」と。

 これは父親の罪の意識の裏返しでしかなく、主人公は、ない罪を告白するために、様々な悪事を探して、不良の世界に身を落としていきます。そして、パンチラ盗撮の道に足を踏み込んでいきます。

 この主人公が、さわやかでイケ面なのに、頭が完全におかしくてよかったです。

 また、この主人公の友人となる仲間たちが、頭は弱いけど友情に篤く、ちょっとよかったです。

 しかしまあ、主人公の父親は、精神力が弱いというか、この物語の全ての元凶だなと思いました。

 でも、妻を失うという切っ掛けがあるので、宗教にはまるのも、ある意味仕方がないのかなと思いました。



 さて、この映画にはメインキャラが三人います。

 二人目は、主人公が惚れる(初めて勃起する)少女です。

 彼女はすさんだ人生を送っており、美少女ですが喧嘩上等です。そして、男が大嫌いです。

 彼女は、主人公が罰ゲームで女装した時に、喧嘩で助っ人をしてもらい、そのことが切っ掛けで、女装した主人公(実在しない人物)に恋をします。

 彼女は、牧師を振った女と一緒に住んでいます。そのため、その女性と行動を共にしています。そして、牧師と愛人がよりを戻すことで、主人公と家族として暮らすことになります。

 非常にバイオレンスな娘なのですが、この子もかなりキャラが立っていました。



 そして三人目がコイケという女。こいつが凶悪で、キャラが立ちすぎていました。

 まだ高校生ぐらいなのに、新興宗教の幹部で、頭が切れて、腕っ節が強い。

 実の父親を憎んでおり、その男性器をハサミでちょん切るような奴です。

 このコイケが狂っていて凄かったです。

 映画は、この三人のメインキャラと、主人公の父親と愛人を中心にして進んでいきます。



● 剥き出しの愛

 剥き出しの愛というか、真っ正直に暴走する愛というか、そんな感じです。

 ある意味純愛で、もっと言うと愛に狂ったテロリストという感じです。

 終盤、そこまでやるかという展開になっていき、容赦ない話だなと思いました。



● 粗筋

 以下、粗筋です(中盤ぐらいまで書いています)。

 主人公は高校生。彼の父親は牧師で、母親は既になくなっている。彼は母親に、自分のマリア様を見つけるようにと遺言される。

 ある日、父親は家に一人の女性を連れてくる。愛人となったその女性は奔放で、しばらくすると家から出て行く。

 その日を境に父親は壊れる。自分の罪を覆い隠すために、息子に罪の告白を強要するようになる。主人公は、罪を探すために不良と仲間になる。

 そして主人公はパンチラの撮影を始める。父親は激しく怒りをぶつけ、そのことで主人公は喜びを覚える。

 そうしている中、彼は一人の女性に犯罪の現場を押さえられる。その女性は新興宗教団体の幹部で、牧師の息子が盗撮していることに興味を持ち、彼を解放する。

 しばらくして主人公は、仲間たちとの遊びで、罰ゲームとして女装して町に出ることになる。

 そこで、喧嘩をしていた一人の少女を助けする。主人公はサソリと名乗り、少女はそのサソリに恋心を抱く。

 その少女は、かつて牧師を振った女性と共に暮らしており、牧師と愛人がよりを戻したことで、主人公と一つ屋根の下で住むことになる。

 その一家に、彼らに目を付けていた新興宗教団体の魔の手が迫り始める。
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