映画「ルームメイト」のDVDを、四月下旬に見ました。
1992年の作品で原題は「SINGLE WHITE FEMALE」。監督はバーベット・シュローダー、脚本はドン・ルース、原作はジョン・ラッツ。主演はブリジット・フォンダで、客演はジェニファー・ジェイソン・リーです。
サイコスリラー系の作品ですが、なかなか面白かったです。
● ブリジット・フォンダの美しさ
この映画は、ブリジット・フォンダの美しさが、ともかく前面に出ています。
しかしこの「美しさ」は、意味のない美しさではなく、映画のプロットから要求される必然としての美しさです。
この映画の筋は、美しくて有能な女性が、恋人と別れ、ルームメイトを募集し、そのルームメイトが彼女に同化することを望み、サイコな人になっていく話だからです。
映画の原題の「SINGLE WHITE FEMALE」は、同居人募集時に、新聞の三行広告のような場所に載せる文句です。これは、向こうでは「SWF」と略されるようです。
その募集でやって来て、一緒に住むことになった女性が、恐怖の対象に徐々に変貌していきます・
しかしまあ、ブリジット・フォンダは、裸も含めて美しかったです。
あと、どうでもよいですが、この人は、03年に、ダニー・エルフマンと結婚しているのですね。今回、映画の感想を調べるにあたって検索するまで知りませんでした。
● ジェニファー・ジェイソン・リーの変身
さて、ブリジット・フォンダ演じる主人公の元に、同居人として訪れるのは、ジェニファー・ジェイソン・リーです。
この映画は、「初体験/リッジモント・ハイ」(1982)を見た繋がりで借りてきました。
「リッジモント・ハイ」でも、彼女は裸が多かったですが、この映画でも多かったです。
そしてこの作品では、徐々にサイコに変身していく女性キャラを熱演していました。けっこうゾクゾクします。
本作での彼女の役どころは、ルームメイトの美しい女性に憧れて、彼女の真似をして、同化して行く女性です。
そのため、最初は垢抜けない田舎娘のようなスタイルから始まり、徐々にそのスタイルを変貌させていきます。
この変身ぶりが凄かったです。
あと彼女は、ブリジット・フォンダと比較されて、田舎娘風に装っているので、いけていないように見えますが、町にいると普通に美人だと思います。
そういったところは、映画だからそういう役どころなんだろうなと思いました。
しかし、この人は、生え抜きのサラブレッドのようですね。両親もその筋の人だし、若い頃から一流の演技教育を受けているようです。
十四歳からリー・ストラスバーグやステラ・アドラーの元で演技の勉強を重ね、アメリカ演劇アカデミーなどでも学ぶと、経歴に書いてありましたので。
□ジェニファー・ジェイソン・リー
http://www.allcinema.net/prog/show_p.php?num_p=39442
● ヌード・シーンの多さ
ともかく裸が多いです。それも、不要と思える場所まで裸です。
男性的には素晴らしいのですが、本当に必要なのか?とも、若干思いました。
まあ、エロティック・サスペンスなので、ビジネス上は正しいのだと思いますが。
というわけで、男性には嬉しい映画かと思いました。
● 憧れから同化へ
映画の筋的には「憧れから同化へ」ということで、「イヴの総て」(1950)を思い出しました。
映画の格としては「イヴの総て」の方が数段上ですが、こちらの映画も楽しめました。
● 粗筋
以下、粗筋です(大きなネタバレはなし、中盤まで書いています)。
主人公はニューヨークの高級アパートで暮らすシングルの白人女性。彼女はプログラマで、自作のソフトを売り込もうとしていた。
そんな折、付き合っていた彼氏と別れることになる。彼女は、男性を忘れるために、同居人を募集する。そして、大人しそうな田舎風の女性と暮らし始める。
だが、その女性は、少し頭がおかしな女性だった。主人公に憧れてその真似をして、主人公とよりを戻そうとする男性の邪魔をする。
そうこうする内に、主人公は男性とよりを戻す。同居人は、そのことに怒りを抱き、暴走を始める。
● ゲイ
映画では、主人公の友人として、同じアパートに住むゲイの男性が出てきます。
主人公の女性と、そのゲイの男性は、友人として振舞います。
その様子を見て、ハリウッド映画では、女性とゲイの男性が友人関係になっている様子が時々描かれるけど、実際にそういった組み合わせは多いのだろうかと疑問に持ちました。
いわゆるテンプレートなのか、それとも実際によくあるのか分かりません。そもそも、日本で暮らしていると、そういった人をリアルに見る機会は少ないですので。
私は性はグラデーションだと思っているので、現実はどうなんだろうかなと疑問を持ちました。