クロノス・クラウン - 記事検索

おすすめ
自作の本やゲーム他を販売
便利なWebアプリが多数
ソフトウェア
めもりーくりーなー Winのメモリーを掃除
Novel Supporter 小説推敲補助ソフト
PCソフト まとめ
Webサービス
Kindle Unlimited マンガまとめ 巻数の多いマンガを集計
ゲームブック
闇の聖杯の儀式 電書のゲームブック
ゲーム
Little Land War... Win向けSRPG
Little Bit War Switch向け高速RTS
TinyWar... 1面数分の8bit風RTS
EX リバーシ 変形盤面、盤面多数
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002SXBEMA/cronuscrown-22
2010年11月04日 11:28:28
アウトサイダー
 映画「アウトサイダー」のDVDを八月上旬に見ました。

 1983年の映画で、監督はフランシス・コッポラ。脚本はキャスリーン・クヌートセン・ローウェ
ル、原作はS・E・ヒントンです。主演はC・トーマス・ハウエル。ヒロインはダイアン・レインです。

 凄い面白いという作品ではありませんが、ところどころ妙に心に響くところがある映画でした。



● 行き場のない不満

 この映画は、若者の行き場のない不満みたいなのがくすぶっています。

 主人公たちは不良たちです。でもそれは、彼らがワルだからではなく、生まれ育った環境から脱出できない鬱屈と、若さの迸りが、そういった方向性に駆り立てているように見えます。

 そういった意味では、「ウエスト・サイド物語」(1961)などに通じる映画だと思います。

 この「アウトサイダー」では、そういった若者の鬱屈と衝突に、意図せぬ殺人というツイストを入れています。

 この要素のために、物語は逃避行によるロードムービー的な要素が加味されています。

 この逃亡中そして帰還後に行われる主人公たちの会話が、「ウエスト・サイド物語」に比べて、内容を深めていました。



● 階層社会

 この映画を見ながら思ったのは、イギリスは階級社会で、アメリカは階層社会に見えるなあということです。

 アメリカは移民の国で、移民してきた時期と民族で、地層のような階層を作っています。この映画では、富裕な階層の若者たちと、貧しい階層の若者たちが衝突します。

 しかし、それは「階級」というほど離れているようには見えません。でも、現代日本に比べると明確に分かれています。

 そういった意味では、アメリカは、自分の属する社会に対する帰属意識が強く、対抗心も大きいのだろうなと感じました。

 日本では、出身地や出身校を言うことはありますが、それほど他のグループと乖離しているわけではないですので。



● 最弱こそが最強

 主人公は、彼の属するグループの中では若手です。そして、彼が共に逃避行をする友人は、グループの中で、最も若手で最弱の存在です。

 その逃避行と帰還後のやり取りで、この二人の内面が深く描かれます。

 そこで分かるのは、この二人は、彼らが属するグループの中では、かなり異色の存在だということです。

 そして、終盤近くの会話で分かるのは、この最弱の少年が、グループの中で一番大人びていて、世界をしっかっりと見ているということです。

 トランプのゲームではないですが、最弱のカードが実は最強という感じで、映画の序盤と終盤での印象の逆転が鮮やかでした。



● Stay Gold

 映画中の重要な台詞です。主人公に対して送られた重要なメッセージです。

「黄金のままでいろ」

 若い頃の、黄金のような感性やみずみずしさを失わずに、いつまでも輝き続けろというメッセージです。

 映画の内容の積み重ねがあるので、非常に鮮烈に印象に残りました。

「Stay Gold」というのは、歌のタイトルなどにもなっていますが、非常によい文句だなと思います。



● 風とともに去りぬ

 気になったことです。映画中、「風とともに去りぬ」の本を買うシーンが何度かあるのですが、アメリカでは「風とともに去りぬ」は、どこにでも売っているものなのでしょうか?

 それこそ、本屋だけでなく、病院の売店にも売っていました。

 これは、日本だと、どういった本になるのでしょうか。赤川次郎とか、西村京太郎とかとは違いますし。ドラえもんやあさりちゃんとも違うでしょうし。そういった本で思いつくものがありません。

 日本だと何かなというのは、だいぶ気になりました。



● 編集違い

 映画を見た後、Twitterでこの映画のことを書いたら、「○○のシーンはありましたか?」と質問を受けました。

 どうやら、編集違いのバージョンがあるようです。終盤の特定の場面でのキスシーンの「あり」「なし」があるみたいです。

「山の手からも夕焼けが?」「下町でも見える」という台詞のシーンのようですが、私が見たDVDには、キスシーンはありませんでした。

 この感想を書く際に、この映画のことを調べたら、DVDでは未公開シーンが加わっていると書いてあったので、編集違いのバージョンが何種類かあるのかもしれません。



● 粗筋

 以下、粗筋です(ネタバレあり。最後まで書いています)。

 主人公はオクラホマ州の田舎町の十四歳。彼の住む町には、裕福な若者グループと、貧しい若者グループがあり、対立していた。主人公は、貧しい方のグループの若手だった。

 主人公は、裕福なグループの女の子と仲よくなる。だがそのことがトラブルの種となり、彼とその友人は裕福なグループの男たちに襲われる。

 主人公は気絶する。主人公の友人は、裕福なグループの若者を刺し、殺人を犯してしまう。

 二人は、信頼を寄せている年上の若者のところに行き、隠れ先を手配してもらう。そして、その場所でしばらく二人で過ごす。

 そんな中、煙草の不始末が原因で、隠れ家にしていた廃教会が火事になる。たまたまそこにいた幼い子供たちを助けるために、二人は奮闘する。

 その結果、彼らは一躍ヒーローになる。主人公の友人は重度の火傷を負うが、子供たちを助けたことで、裁判の陪審員たちの心象はよくなり、たぶん無罪になるだろうと言われる。

 そういった中、主人公の属する貧しいグループと、裕福なグループの対立は強まる。そして、決闘の時が約束される。

 主人公は、その決闘に参加する。

 戻ってくると、主人公の友人は死んでいた。二人を匿ってくれた兄貴分の若者は、そのことでやけになり、スーパーを襲って逃亡する。

 主人公は、兄貴分を助けようとする。しかし、兄貴分は警察に射殺されてしまう。
最新20件 (全て見る)

オススメ電書 (全て見る

動画講座 (全て見る

サイト目次

おすすめ

PCソフト/Webアプリ

ゲーム

マンガ

記事

柳井の同人活動

開発

携帯・スマホ

アナログ・ゲーム

Cronus Crown(クロノス・クラウン)のトップページに戻る
(c)2002-2024 Cronus Crown (c)1997-2024 Masakazu Yanai
ご意見・お問い合わせはサイト情報 弊社への連絡までお願いします
個人情報の取り扱い、利用者情報の外部送信について