アニメ「惑星大怪獣ネガドン」のDVDを二月中旬に見ました。
2005年の自主制作CG映画(25分)で、監督、脚本、CGは粟津順。音楽と声優以外は基本的に一人作り上げた作品です。
□自主制作CG映画『惑星大怪獣ネガドン』情報 うん。よい特撮映画だ。
その心意気とクオリティに感服したという感じです。話題になってはいて、興味はあったけど見ていなかった作品ですが、これは見ておいて損のない作品だと思いました。
というか、自分でも映画撮りたい!
● 昭和百年
もう、この出だしだけで、全てが許せる感じです。ちなみに昭和百年は、Wikipediaによると2025年だそうです。
この映画の世界観は、昭和は昭和でも、陸軍がいた頃の「昭和」です。
そのアナクロな感じの世界観に、火星から運ばれてきた宇宙生物、そして、それを迎撃する試作巨大ロボ。もうこれだけでお腹いっぱいです。
そして、それを自主制作とは思えない、クオリティの高さで作ってくれれば、これは肯定せざるを得ません。
素晴らしい。
幼少期に特撮番組で育った、昭和生まれの人なら、誰もが楽しめるCG映画だなと思いました。
● 突っ込みどころ満載だけど、それがいい各種設定
歪んで鞭のようになるビーム。それを跳ね飛ばすドリル。軍の試作機なのに、なぜか勝手に乗り込んで出撃する博士。そこに対して取る連絡は黒電話。
もう、狙い済ました「昭和特撮」の香りでニヤニヤとしてしまいます。
私と+15〜−5歳ぐらいの人は、かなりストライクゾーンなのではないかと思います。
また、最後のカーズ様展開もけっこうぐっと来ました。
● 楢崎博士最高
メカニカルな義眼の老博士。彼は軍で開発していたロボットに乗り込み、宇宙怪獣を迎え撃ちます。
いやあ、いいですね。娘の悲劇とかもお約束で。
25分という短編ということもあり、深く考えずにネタをぶち込んで消化していく様がよかったです。
● CG
実はCGはけっこう感心しました。
どこが関心したかというと人物です。
博士の「老人の皮膚」の質感がよかったです。若い人の張りのある質感は、いかにもCG風で綺麗過ぎましたが、ある程度汚しの入っているテクスチャの老人の顔は、実はCGで映えるのだと気付きました。
この手のCG映画は、人物がプラスチックのように見えてしまう問題があるのですが、老人を主人公にしたことで、かなりカバーできていると思いました。
あと、やはり兵器などの無機物は、CGの得意分野ですね。フォグとかかけた上での機械描写は、かなりリアルに感じるものになっていました。
● 粗筋
以下、粗筋です(ネタバレあり。最後まで書いています)。
昭和百年。宇宙開発は火星まで進み、そこで発掘された生物が地球に運ばれてきた。しかし、その途中で事故が起こり、荷物は地球に落下する。
それは宇宙怪獣だった。目覚めた宇宙怪獣は東京で暴れだす。
かつて軍にいたロボット工学の博士は、娘の事故死で隠棲していた。しかし、宇宙怪獣の襲来を知り、試作巨大ロボに乗り込み出撃する。
そして、宇宙怪獣と死闘を繰り広げた末、宇宙怪獣とともに宇宙へと飛び立ち地球を救う。