映画「ピーウィーの大冒険」のDVDを二月下旬に見ました。
1985年の作品で、監督は ティム・バートン。脚本はフィル・ハートマン他。主演はピーウィー・ハーマン。そして音楽はダニー・エルフマンです。
コミカルで面白い映画でした。そして、ダニー・エルフマンの音楽が素晴らしい映画でした。
● 音楽と映像の競演
この映画は、ともかく音楽と映像とのシンクロがよかったです。
映像とドンピシャのタイミングで音楽がポンッと響く。そして、軽やかに、そしてリズミカルに映画が進行していく。その様子が非常に楽しい映画でした。
特に、主人公のコミカルな動きが、音楽の雰囲気とぴったり合っていました。映像に合わせて音楽を作ったのでしょうが、よくここまで合うものだなと思いました。
● ティム・バートンとダニー・エルフマン
この映画は、ティム・バートンの長編映画監督デビュー作です。そして、ダニー・エルフマンの商業映画デビュー作でもあるそうです。
名コンビが誕生した一作のわけです。
ところで、今回この映画のことを調べていて知ったのですが、ダニー・エルフマンは、オインゴ・ボインゴのリーダー兼ボーカルだったのですね。
「ジョジョの奇妙な冒険」で、オインゴ・ボインゴの名前だけは知っていたのですが、ダニー・エルフマンのバンドだったとは。
今回知って、非常に驚きました。
● ピーウィーというキャラ
この映画は、ピーウィーというキャラのコミカルでファニーな様子が非常に面白い映画です。
少し頭が弱そうに見えるピーウィーですが、底抜けに明るく楽しいです。
個人的には、映画を見ながら「ウォレスとグルミット」を思い出しました。どこが似ているというわけではないのですが、その陽性な雰囲気が似ているなと思いました。
● 愛車(自転車)のための大冒険
この映画の楽しさに輪をかけているのが、主人公の目的です。
彼は、自分の愛車(自転車)を探すために、大冒険を繰り広げます。この「自転車」というチープさが、非常にこの映画を楽しげにしています。
どうでもよさそうなものに、主人公が命懸けと言ってよい様子で救出劇を繰り広げます。
こういった落差が、観客の笑いを誘うのだろうなと思いました。
何にせよ、目的はチープですが、冒険は壮大で大掛かりでした。
● ハリウッド的(いい意味での)結末
結末は、非常にハリウッド的でした。といってもハリウッドお約束の結末というわけではなく、ハリウッドという場所を上手く活かしたオチでした。
「うん、いいオチだ」と思いました。
大冒険に、きれいにオチがついていましたので。
● 粗筋
以下、粗筋です(少しのネタバレあり。ラスト直前まで書いています)。
主人公は町に住む不思議な青年。彼には、お金持ちで性格の悪い友人がいた。友人は、主人公の持つ「格好いい」自転車を欲しがる。しかし主人公は、どんなにお金を積まれても自分の愛車を手放そうとはしなかった。
しばらく後、主人公の愛車が盗まれた。主人公は友人知人を組織して、大捜索を行う。しかし、自転車は見つからない。
悩んだ末、主人公は占い師の許に訪れる。そして、占い師の適当な言葉に感化されて、自転車探しの旅に出る。
旅には様々な困難が付きまとう。脱獄者に同乗されたり、幽霊と遭遇したり、バイカーたちに取り囲まれたりと危機また危機の大冒険になる。
そして、主人公はハリウッドにたどり着く。どこをどう渡ったのか、主人公の自転車は、巡り巡って撮影スタジオで小道具として使われていた。
主人公は、愛する自転車を取り返すために、上を下への大騒動をハリウッドで引き起こす。