映画「アニマル・ハウス」のDVDを五月下旬に見ました。
1978年の作品で、監督はジョン・ランディス、脚本はハロルド・ライミス他、主演はジョン・ベルーシです。
学生クラブを描いたドタバタコメディです。面白かったです。
● 学生クラブ
この映画では学生クラブ間の格差と闘争が描かれています。
アメリカの学生クラブは、日本には存在しないので、ちょっと説明が必要だと思います。
一番近いのは、明治とか大正とか昭和初期の大学の同郷会みたいなものでしょうか。繋がりを持ち、派閥を作り、互いに協力して、他の集団と敵対するというか。
ただ、アメリカの学生クラブはそういう分け方ではなく、出自とか、スクール・カーストによって、所属するクラブが決まるようです。
こういった学生クラブは、最近の映画では「ソーシャル・ネットワーク」(2010)で色濃く描かれていました。
そしてこの映画の主人公たちは、この学生クラブの中でも「最悪」と評判の、デルタ・ハウスというクラブに属しています。
このデルタ・ハウスの俗称が「アニマル・ハウス」。つまり、野獣のようなどうしようもない奴らが巣食っているクラブというわけです。
この映画は、そのメンバーたちが、学長に解散の圧力を掛けられながらも、はちゃめちゃな活動をしていくという話です。
● 大学生活
この映画は、はちゃめちゃな学生生活が売りなのですが、それほどぶっ飛んでいるとは思わなかったです。それは、たぶん私が大学で学生寮に入っていたからだと思います。
……うん、まあ。分かる、分かる。
そんな感じで、学生時代を懐かしみながら映画を見ました。
● はちゃめちゃなドタバタコメディ
とはいえ、ドタバタコメディはよく出来ていました。
特に、ジョン・ベルーシが最高でした。何を考えているのか分からない風貌と雰囲気で、所構わず他人が嫌がることをしてニヤニヤしている。
なんというか、人間というよりはアニマルです。人語が通じなさそうな雰囲気です。
他のキャラもいたのですが、全部ジョン・ベルーシに持っていかれていました。
あと、主演ジョン・ベルーシとは書いていますが、主人公ではないです。主人公は、このアニマル・ハウスに入ってくる新入生二人になります。
● キャスト
この映画は、キャストについて書く必要があると思います。
監督:ジョン・ランディス
・アニマル・ハウス (1978)
・ブルース・ブラザース (1980) 監督/脚本
・狼男アメリカン (1981) 監督/脚本
・殺人ゲームへの招待 (1985) 原案/製作総指揮
・星の王子ニューヨークへ行く (1988) 監督
主演:ジョン・ベルーシ
・アニマル・ハウス (1978) 出演 ブルート
・ブルース・ブラザース (1980) 出演 ジェイク・ブルース
脚本:ハロルド・ライミス
・アニマル・ハウス (1978) 脚本
・ゴーストバスターズ (1984) 脚本/出演 エゴン・スペングラー博士
・恋はデジャ・ブ (1993) 監督/脚本/製作
ジョン・ランディスは、コメディが得意な監督です。その他の特徴としては、「狼男アメリカン」が切っ掛けで、マイケル・ジャクソンの「スリラー」を演出しています。また、「殺人ゲームへの招待」で、ボードゲーム「CLUE」を映画化しています。
このジョン・ランディスとジョン・ベルーシは、「アニマル・ハウス」と共に「ブルース・ブラザース」で組んで大ヒットを飛ばしています。
また、脚本のハロルド・ライミスは、後に「ゴーストバスターズ」や「恋はデジャ・ブ」を手掛けています。
この「アニマル・ハウス」は、そういった面々が作った映画で、300万ドルの制作費で、1億4100万ドルの興行収益を上げました。
実に47倍。出世作だというのが、よく分かる作品でした。
● 粗筋
以下、粗筋です(終盤直前ぐらいまで書いています。基本的にはその場その場のお笑いの連続なので、話の流れだけ書いています)。
主人公は大学に入ってきた新入生二人。彼らは初め、オメガ・ハウスという学生クラブに顔を出すが、高慢ちきな彼らに馴染めず、他のクラブを探す。
そして、「アニマル・ハウス」と呼称される、駄目人間たちが集まるデルタ・ハウスを選ぶ。
アニマル・ハウスの先輩たちは、駄目で馬鹿で下品で痛快だった。主人公たちは、彼らのペースに乗って、どんどん人生を踏み外していく。
そんなアニマル・ハウスの周囲からの評価は最悪だった。大学の学長は、どうにかして彼らのクラブを潰そうと策を練る。
だが、アニマル・ハウスの面々は飄々とその策を潰していく。
しかし、そんな所業が長く続くわけもなかった。学長はデルタ・ハウスの解散を決定する。
クラブにあぶれた「元」アニマル・ハウスの面々は、学長にリベンジして周囲をあっと驚かす、奇抜な作戦に出ることにした……。