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2011年10月14日 19:33:35
太平洋の地獄
 映画「太平洋の地獄」のDVDを七月中旬に見ました。

 1968年の映画で、監督はジョン・ブアマン、脚本はルーベン・バーコヴィッチ、脚色はアレクサンダー・ジェイコブス、エリック・バーコヴィッチ。出演は、三船敏郎とリー・マーヴィンの二人だけです。

 敵対していた異文明の人間の出会いと衝突と交流ということで、映画の解説本などで何度か目にしていた映画なのですが凄かったです。これは見るべき価値のある映画だと思いました。



● 交戦中の二つの文明の人間の出会い

 この映画は、南海の無人島で、日本軍兵士とアメリカ軍兵士が出会うという内容です。

 島には先に日本人兵士がおり、水や食料の確保方法を確立しています。そこにやって来たアメリカ人兵士が、それを盗んだり奪ったりしようとします。

 そして互いに闘争を繰り広げる内に、徐々にこのままではジリ貧であることに気付きます。そして、無人島脱出のために、協力してイカダを作り脱出します。

 この映画の凄いのは、映画の最初から最後まで、互いに言葉が通じず、本当の意味での和解がないことです。

 アメリカ人兵士は、日本人兵士のことを黄色い猿だ、自分の奴隷だと思い、そう扱おうとします。日本人兵士は、アメリカ人兵士のことを、自分では何もできない駄目人間だと思い、憐れに思います。

 言語を使っての交流は一切なく、互いに、自分の目から見た相手の存在だけで同居します。

 同じ場所に住んでいながら、水と油は交じり合うことなく、別個の世界のまま存在し続けます。

 これが、相当強い印象を与えます。二人には和解も理解もないからです。そして終盤は、利害によって結ばれ、そこから相手を理解しようとする努力が生まれます。

 一つのシミュレーションとして、よくできた映画だなと思いました。



● 登場人物二人だけの映画

 この映画、何が凄いかというと、映画が始まってから終わるまで、登場人物が二人しか出てきません。しかし、全然退屈ではありません。凄いです。

 三船敏郎とリー・マーヴィンの実力は凄いものだなと思いました。

 あと、個人的には三船敏郎のぶっきら棒な台詞回しと、異様な存在感が凄かったです。いい俳優だなとつくづくと思いました。



● 日本人とアメリカ人の描き方

 この映画ですが、三船敏郎演じる日本人に対して、アメリカ人が凄くアホに描かれています。

 自分で何もせず、他人を蔑み、自分のことを棚に上げる。

 この映画は、アメリカ映画のはずだけど、これでいいのかアメリカ人と思ってしまいました。



● 呆然とするラスト

 ラストが呆然とします。

 ネタバレになるから書きませんが、「ぬおおお〜、ここで終わりか〜〜」と叫びたくなります。

 これまで積み上げてきたものが何だったのかと思う、あまりにも斜め上のラストが待っています。

 うんまあ、戦争だし。

 DVDには、もう一つのエンディングも収録されていました。しかし、こちらの方も呆然とする内容でした。

 基本的に、こういった方向にすることでは変わらないのだなあと思いました。



● 粗筋

 以下、粗筋です(終盤の最初ぐらいまで書いています。大きなネタバレはないです)。

 第二次大戦中。南海の無人島にアメリカ兵が墜落する。彼はその島に、日本人兵士が一人住んでいることを発見する。どうも、彼も漂流してここにたどり着いたらしい。

 先行していた日本人兵は、水の確保を行い、食料も自分で得て自活していた。アメリカ兵は、それらを何とかして奪おうとする。

 アメリカ兵と日本人兵は、いたちごっこのような盗みと防衛を繰り返す。

 そして、日本人兵はアメリカ人兵を捕らえて、捕虜にする。だが、その立場も、次の戦闘で変わる。今度はアメリカ人兵が勝ち、日本人兵が捕虜になる。

 そういったことを繰り返している内に、このままでは拉致が空かないことに、二人とも気付きだす。

 この島を脱出して、他の人間がいる場所に向かわなければならない。二人は協力してイカダを作り、島を脱出する。そして大海原で、次の島を目指す……。
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