映画「エスケープ・フロム・L.A.」のDVDを七月下旬に見ました。
1996年の作品で、監督はジョン・カーペンター、脚本はジョン・カーペンター他。主演はカート・ラッセルです。
「ニューヨーク1997」(ESCAPE FROM NEW YORK)(1981年)の十五年振りの続編です。スケールアップという言葉が、これほどしっくりと来る映画はなかったです。
● スケールアップ
何がどう「スケールアップ」かというと、前作のスートーリーをほぼなぞりながら、表現と内容だけことごとく予算増大しているからです。
映画は、前作の七倍の予算で作られたそうですが、セルフリメイクかと思うほど、見事なまでに前作を踏襲しています。
ストーリーのほぼ全てにわたって「前作であったなあ」という設定と展開で、「絵は豪華になっているなあ」という感じです。
ここまでの清々しいほどの続編は見たことがないです。
企画通しやすかっただろうなあと思いました。
● L.A.
前作を踏襲と書きましたが、設定からして凄まじいほどのなぞりっぷりです。
前作はニューヨークを監獄島にしていましたが、今回はL.A.が監獄島です。
えっ、L.A.って島ではないだろうと思うと思いますが、嘘ではないです。
なんと、巨大地震で、L.A.の周りが陥没して、島になってしまったのです。「その手があったか!」というより、「すげえ、そんなのありかよ!」と思いました。
全編この調子で、凄い勢いでセルフリメイクというか、セルフスケールアップでした。
● ちょっとコメディタッチ
映画はリッチになったのですが、なぜかそのリッチな方向性がちょっとギャグ調になっています。
前作は渋い感じだったのですが、今回はシュールで笑えるシーンが多いです。
「なんで?」と思いました。
予算が増えて、こういう風に変わる映画は珍しいなと思いました。
● ご当地バトル
なぜか、L.A.の観光ガイドかと思うような、ご当地バトルが満載でした。
この様子を見た時、「これは、ご当地バトルでシリーズ化なのか?」と思いました。
でも、映画のラストで、「うわ、それはなかった!」と否定されました。
● ラスト
けっこう衝撃的です。なんというか「絶対続編はないぞ!」という終わり方でした。
「ご当地バトル」の色が強かったので、「裏切られた!」という気になりました。
まあでも、これはこれでありだと思いました。
● スティーヴ・ブシェミ
ブシェミ出ます。けっこう出ます。
というわけで、ブシェミ映画でもあります。
● 粗筋
以下、粗筋です(大きなネタバレはなし。中盤ぐらいまで書いています)。
主人公はスネーク。彼は元特殊部隊で、現在は犯罪者で無職だ。彼は以前逮捕された時、軍にはめられて、大統領を助けに行き、救出した過去を持っている。
彼は再び逮捕された。そして、陸の孤島になったL.A.に、軍にはめられて行くことになる。そこには大統領の娘が逃げ込んでおり、彼女は大統領から超兵器のスイッチを奪っていた。
主人公は死のカウントダウンを受けながら、L.A.に行く。そこには政府に対抗する組織があり、大統領の娘はそこにいた。
主人公は、過去の仲間と出会ったり、敵に騙されたりしながら、超兵器のスイッチを奪還して、大統領の娘も救おうとする。