映画「世にも怪奇な物語」のDVDを八月下旬に見ました。
1967年の映画で、エドガー・アラン・ポー原作の三篇のオムニバス映画です。
以下、各話の情報です。
● 第1話「黒馬の哭く館」
監督:ロジェ・ヴァディム
脚本:ロジェ・ヴァディム他
出演:ジェーン・フォンダ、ピーター・フォンダ他
● 第2話「影を殺した男」
監督:ルイ・マル
脚本:ルイ・マル他
出演:アラン・ドロン他
● 第3話「悪魔の首飾り」
監督:フェデリコ・フェリーニ
脚本:フェデリコ・フェリーニ他
出演:テレンス・スタンプ他
個人的には第二話が好みでした。
以下、各話の粗筋は、最後まで書いています。
● 第1話「黒馬の哭く館」
ちょっと生硬な感じで、あまり好みではなかったです。もうちょっとアクション映画風な絵作りの方がよいと感じました。
以下、粗筋です。
主人公は伯爵令嬢。彼女は若くして莫大な財産を継ぐ。彼女は放蕩と淫蕩の限りを尽くす。周囲の人間たちは彼女におもねる。
彼女の領地には男爵がいた。彼だけは彼女に従わず、地味で堅実な領地経営を続ける。
そんな彼に恋をした主人公は、男爵を自分になびかせようとする。しかし男爵は彼女を歯牙にもかけない。怒った主人公は男爵に嫌がらせをしようとして厩舎を放火する。そして誤って殺してしまう。
その時、主人公の城の黒馬のタペストリーが燃え落ちた。時を同じくして黒馬が現れた。主人公はその黒馬に魅了される。
彼女はタペストリーを修繕させる。そして、そのタペストリーが完成した時、彼女は黒馬とともに炎の中に身を投じて死んだ。
● 第2話「影を殺した男」
まさに短編小説という感じの話で面白かったです。
また、アラン・ドロン演じる、性悪で美形の主人公がよかったです。
以下、粗筋です。
主人公は男性。彼は教会に懺悔しに来た。彼は子供の頃から悪ガキで、周囲を従えて、弱い者いじめをしていた。
ある時、彼の学校に、同姓同名で容姿もそっくりな少年がやって来る。彼はことあるごとに主人公の邪魔をする。
その相手は、人生の節目節目に現れては、主人公の悪事を妨害する。
そして、主人公が軍人になり、イカサマ賭博で女性を貶めようとした時にも再び現れた。
主人公は、その人物の登場に気が狂いそうになる。彼はその男を短剣で刺し殺す。そして教会に入り、罪を告白した後、教会の塔から飛び降りた。
主人公のわき腹には、自らが刺した短剣が深々と突き刺さっていた。
● 第3話「悪魔の首飾り」
非常に独特の雰囲気を持った作品でした。
恐ろしい少女の幻影に悩まされるところは、スタンリー・キューブリックの「シャイニング」(1980年)を思い出しました。
また、映画の雰囲気は、テリー・ギリアムの「未来世紀ブラジル」(1985)を思い出しました。
以下、粗筋です。
主人公は俳優。彼は新作の撮影のためにイタリアに来る。彼は報酬としてフェラーリをもらう。
彼は酒に溺れていた。彼は得体のしれない不安に襲われていた。彼は恐ろしい少女の幻影を見る。
主人公は不安を振り払うようにフェラーリを走らせる。そして建設途中の橋を暴走し、その先へと落ちていく。