映画「トゥルーライズ」のDVDを今日見ました。
1994年の映画で、監督・脚本はジェームズ・キャメロン。原作はクロード・ジディ他。主演はアーノルド・シュワルツェネッガー。奥さん役はジェイミー・リー・カーティス。
フランス映画「La Totale」(1991年)のリメイクになります。
● シュワちゃん若い
この映画の冒頭でまず驚いたのは「シュワちゃん若い」です。
17年前だから若くて当然なのですが、すらっとしていて凛々しいです。
また、もっと筋肉パンパンのイメージがあったので、その点でも、だいぶ意外でした。
● ジェイミー・リー・カーティスのコメディエンヌ振り
この映画の出色は、シュワちゃんの奥さん役で出ているジェイミー・リー・カーティスの変身振りです。
最初は、夫婦仲が倦怠期入っている、いけてない法律事務所の事務の女性なのですが、途中で訳あって変身して、コールガール風の(になっていないけど)装いに変わります。
うん? けっこうよくない?
という感じで、女性は服装と化粧と髪型で随分変わるなあと思いました。
まあ、元がよいから、そうなるのでしょうが。
というわけで、正しく書くのならば「服装と化粧と髪型で随分地味っぽくなるんだなあ」と思いました。
そして、この奥さんが、おっかなびっくり、ぎこちなく頑張ります。この様子が、非常にコミカルで面白かったです。
● スパイアクション+夫婦の危機
この映画の上手いところは、スパイアクションに、夫婦の倦怠期と、子供からの尊敬を得られないことをミックスしている点です。
序盤は華麗なスパイアクション映画と思わせておいて、それが終わった直後から主人公の現実の生活を描きます。
家庭は円満ではなく、どうも妻が浮気をしているらしいと主人公が知ります。
そして、職権乱用で妻を監視したら、妻ごと敵にさらわれて、妻を助けながらのアクションへと展開していきます。
そして、妻を守り、危機に陥った娘を助けに行きということで、夫と父としての立場を復権していきます。
こういう感じで、全体の目的と、個人の目的が合致しており、楽しめる作りになっていました。
やはり、登場人物には、個人的な共感できる目的が必要だなと思いました。
● ハリアー強い
映画は終盤、ハリアーが出て来て、シュワちゃんが乗り込んで戦います。
いやあ、ハリアー格好いい。そして強い。
攻撃機としての活躍をしながら、ヘリコプターのような市街戦もこなす。映画としては、これほど使いやすい機体はないだろうなと思いました。
あと、ハリアーの上で格闘するのですが、戦闘機って相当揺れると思うので、不可能だと思うのですが、どうなのでしょうか?
最近だと、「ダイ・ハード4.0」(2007)で同じようなシーンがありましたが。
● 核爆弾をバックにキスシーン
映画中に、核爆弾が爆発して、そのキノコ雲をバックにキスするシーンがあります。
「あー、これ、ジェームズ・キャメロンの趣味だよね」と思いました。
どうでもいいですが、このシーンの直前に「核爆弾が爆発するから、閃光を見るな」と言って、全員、目だけを隠すのですが、「そういう問題じゃないだろう」と思いました。
核爆弾の至近で、悠長に目だけ隠すのは、さすがに駄目だろうと思いました。
● 粗筋
以下、粗筋です(だいたいの流れを書いています。大まかなネタバレはあり)。
主人公はアメリカのスパイ。彼はテロリストの集団を追いかけていた。彼は妻子には本当の職業を明かしていない。そして、留守がちの彼の家では、妻は夫に飽きていて、娘は父親を尊敬していなかった。
主人公は、妻が浮気をしている証拠を掴む。そして、その現場を押さえるために、職権乱用をする。
だが、意外な方向に話が流れる。主人公と妻は、追っていたテロリストたちに捕らえられてしまう。
主人公は、妻を守るために奮戦して、危地を脱する。だが、子供の存在に気付いたテロリストたちが、主人公の娘を人質に取り、ビルの屋上に立てこもる。
主人公は娘を救うために、ハリアーで攻撃を開始する。
以下、ネタバレありの感想です。
● 娘の誘拐
これは、さすがに無茶だろうと思いました。
写真と財布を見つけているので、住所は分かると思うのですが、物語の盛り上げ以外の理由で、テロリストが娘をさらう理由がありません。
さすがに、やり過ぎだろうと思いました。
● 最後のタンゴの奥さんの下手さ
映画のラストのスタッフロールは、主人公と奥さんの社交界でのタンゴシーンです。
これが、微笑ましくてよいです。
主人公の奥さんは、いけてない女性ということになっているのですが、主人公とともに、正装して登場します。
でも、踊るとやっぱりぎこちなくて下手なんですね。
それが、非常にキャラクターを表していてよかったです。
「下手だからよい」ってのも変なシーンですが、こういったのも、たまにはありだなと思いました。