映画「ちびっこギャング」のDVDを、十一月上旬に見ました。
1994年の映画で原題は「THE LITTLE RASCALS」。監督・脚本はペネロープ・スフィーリス。
小学校低学年ぐらいの子供たちが主役のコメディ映画です。子供向けと思い、けっこう侮っていましたが面白かったです。
あと、そういえば「ラスカル」って悪戯小僧とか、そういう意味だったなあと、黄色いアレを頭に浮かべながら思いました。
● 男の友情と恋愛と
この映画の基本は「女の子なんか仲間に入れないぞ」という、男子の悪ガキグループです。
そこのリーダーの親友が、女の子に恋をしてしまうことで物語が始まります。
この、「男の子社会ならではの友情」と「女子との対立」が、コミカルに描かれていて面白かったです。
この年頃の男子には、こういうの、あるよなあと思いました。
● 純情な男の子と、ませた女の子
さて、恋をする男の子は、非常に純情で一途です。そして、どこかぽーっとしていて、ポエマーです。
対して女の子は、非常にませています。そして、まんざらでもないけど、もっといい男はいないかしらと思っています。
この取り合わせが、この年頃の男女に、非常に「ありそうな感じ」で微笑ましかったです。
● 絵に描いたような、金持ちの悪役
この映画は、子供向けのコメディなので、敵も絵に描いたような悪役です。お金持ちでキザで、性格が悪いです。
そして、その悪役に女の子が惚れてしまいます。
馬鹿だなあと思いますが、そこはきちんと映画のラストには、「本当にいい奴は誰なのか」が分かります。
それだけでなく、女の子側も、きちんと仕事をして元の鞘に収まるので、後味が悪くありません。
本当にいい奴のことを認めるだけでなく、自分も能動的に動き、「行動」で自分の意志を示します。
ここは少し感心しました。映画の、ラスト付近のサプライズにもなっていて、よくできているなと思いました。
● レースという物語を牽引するギミック
さて、恋愛と友情だけだと、物語は進みません。
ここでは「カートレース」というギミックで、話を進めていきます。
主人公たちは、秘密基地が火事で燃え、その資金を稼ぐためにレースの優勝を目指します。しかし、車を別の悪ガキたちに奪われてしまいます。そして友情パワーで、車を一から作ってレースに臨みます。
やはり、こういった物語を牽引するギミックは必要だなと思いました。
● 粗筋
以下、粗筋です(ネタバレあり。終盤近くまで書いています)。
主人公は、男だけで結成したクラブの団員。彼は、団長の親友でもある。彼らは空き地に秘密基地を作り、女人禁制で遊んでいた。
そんなある日、クラブの団員は重大な背信行為を発見する。主人公がデートをしていたのだ。彼は、クラスの女の子にぞっこん。その子は、ませた少女で、団員たちは別れさせようと奮闘する。
そのドタバタの結果、秘密基地が火事になってしまう。そして主人公は少女に振られ、少女は金持ちのいけすかない少年の下に行く。
団員たちは、秘密基地の復興のために、カートレースで大金を手に入れるように画策する。
だが、主人公のミスで、車を他の悪ガキに奪われてしまう。そして、少女は金持ちの男とレースに出ることになる。
主人公は団長と和解して、そのレースで優勝することを誓う。主人公と団長は新しい車に乗り込み、優勝を目指す。