映画「(500)日のサマー」のDVDを十二月中旬に見ました。
2009年の映画で、監督はマーク・ウェブ、脚本はスコット・ノイスタッターとマイケル・H・ウェバー。主演はジョセフ・ゴードン=レヴィットで、ヒロインはゾーイ・デシャネルです。
それなりに面白かったですが、これは主人公がふられるよなと思いました。
● 粗筋
先に粗筋を書かないと感想を書けないので、粗筋を先に書きます。
以下、粗筋です(ネタバレあり。最後まで書いています)。
主人公は、グリーティングカード会社に勤めているサラリーマン。彼はかつて建築関係に進もうと思っていたが、挫折して今の会社にいる。彼には飲み友達の悪友がいた。
恋に夢見る主人公は、会社に入ってきた可愛い女性に恋をする。そして仲がよくなり、セックスする。しかし彼女は、恋人になる気はないと言う。
主人公は、どうにかして恋愛関係になろうとする。しかし彼女は頑なで、徐々に溝が深まってくる。
そして関係は破局に至る……。
● 男性がふられる理由
この映画を見て真っ先に思ったのは「これは男性がふられるだろう」ということです。
なぜならば、男性は自分の気持ちしか考えておらず、自分の望む結末に至ることしか考えていないからです。
相手が「特殊な恋愛観」を持っているということは、その人格形成にいたった「過去の経緯」があるはずです。
そういったことに対して何ら情報収集をせずに、自分の情報を相手に与えるばかりでは、事態は何も進みません。
一方的に自分を押し付けているだけで、関係がよくなるはずがありません。
相手をプロファイリングできるほど情報収集をして、人格モデルを脳内に形成して、エミュレーションできるようにしなければ、相手を自分の望む方向に変化させることはできないでしょう。
いわば、偵察をせずに戦争をしているようなものです。そりゃあ負けます。
映画を見ていると、主人公側に反省の様子や今後の対策といったものがなかったので、このままでは同じことを繰り返すのだろうなと思いました。
● 男性目線の映画
この映画は男性目線の映画です。
男性が、自分の価値観で相手に接して、相手に受け入れられずに挫折して、それを心の痛手のように感じる様を描いた映画です。
これは男性側に重大な落ち度があると思います。それは、先ほど書いた「男性がふられる理由」があるからです。
人間関係を進展させるためには、男女関係なく、相手のことを知り、相手が何を考えているのか、積極的に知ろうとしなければなりません。
特にギブ・アンド・テイクで、自分側が利益を得よう(相手を恋人にしよう)と思うならなおさらです。
会社の面接に来て、「御社のことは知りませんが、御社に就職したいと思います」と言っても、門前払いにされるのは当たり前です。
そういった意味で、これは一方的に自己完結している映画だなあと思いました。
● 謎の小さな女の子
映画中に、主人公たち男性の「恋愛師匠」になる幼女が出てきます。
あとで調べてみましたが「キック・アス」の女の子(クロエ・グレース・モレッツ)のようです。
この子の存在が、最後まで謎のままでした。
いったい、何者なのだろうと思いました。