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2012年05月04日 14:43:30
(500)日のサマー
 映画「(500)日のサマー」のDVDを十二月中旬に見ました。

 2009年の映画で、監督はマーク・ウェブ、脚本はスコット・ノイスタッターとマイケル・H・ウェバー。主演はジョセフ・ゴードン=レヴィットで、ヒロインはゾーイ・デシャネルです。

 それなりに面白かったですが、これは主人公がふられるよなと思いました。



● 粗筋

 先に粗筋を書かないと感想を書けないので、粗筋を先に書きます。

 以下、粗筋です(ネタバレあり。最後まで書いています)。

 主人公は、グリーティングカード会社に勤めているサラリーマン。彼はかつて建築関係に進もうと思っていたが、挫折して今の会社にいる。彼には飲み友達の悪友がいた。

 恋に夢見る主人公は、会社に入ってきた可愛い女性に恋をする。そして仲がよくなり、セックスする。しかし彼女は、恋人になる気はないと言う。

 主人公は、どうにかして恋愛関係になろうとする。しかし彼女は頑なで、徐々に溝が深まってくる。

 そして関係は破局に至る……。



● 男性がふられる理由

 この映画を見て真っ先に思ったのは「これは男性がふられるだろう」ということです。

 なぜならば、男性は自分の気持ちしか考えておらず、自分の望む結末に至ることしか考えていないからです。

 相手が「特殊な恋愛観」を持っているということは、その人格形成にいたった「過去の経緯」があるはずです。

 そういったことに対して何ら情報収集をせずに、自分の情報を相手に与えるばかりでは、事態は何も進みません。

 一方的に自分を押し付けているだけで、関係がよくなるはずがありません。

 相手をプロファイリングできるほど情報収集をして、人格モデルを脳内に形成して、エミュレーションできるようにしなければ、相手を自分の望む方向に変化させることはできないでしょう。

 いわば、偵察をせずに戦争をしているようなものです。そりゃあ負けます。

 映画を見ていると、主人公側に反省の様子や今後の対策といったものがなかったので、このままでは同じことを繰り返すのだろうなと思いました。



● 男性目線の映画

 この映画は男性目線の映画です。

 男性が、自分の価値観で相手に接して、相手に受け入れられずに挫折して、それを心の痛手のように感じる様を描いた映画です。

 これは男性側に重大な落ち度があると思います。それは、先ほど書いた「男性がふられる理由」があるからです。

 人間関係を進展させるためには、男女関係なく、相手のことを知り、相手が何を考えているのか、積極的に知ろうとしなければなりません。

 特にギブ・アンド・テイクで、自分側が利益を得よう(相手を恋人にしよう)と思うならなおさらです。

 会社の面接に来て、「御社のことは知りませんが、御社に就職したいと思います」と言っても、門前払いにされるのは当たり前です。

 そういった意味で、これは一方的に自己完結している映画だなあと思いました。



● 謎の小さな女の子

 映画中に、主人公たち男性の「恋愛師匠」になる幼女が出てきます。

 あとで調べてみましたが「キック・アス」の女の子(クロエ・グレース・モレッツ)のようです。

 この子の存在が、最後まで謎のままでした。

 いったい、何者なのだろうと思いました。
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