映画「台風クラブ」のDVDを十二月中旬に見ました。
1985年の作品で、監督は相米慎二(そうまい しんじ)、脚本は加藤裕司、出演は三上祐一他。
事前に予備知識なしで見たので、ラストが衝撃的でした。そういうことになるのか!? と驚きました。
● 中学生
この映画を見て、中学生の頃って、何かこんな感じで、わいわいきゃっきゃという感じだったのかなあと、思い起こしました。
どうだっただろう。
今大人の視線で見るとそうだったかもしれないけど、子供の視線だと、どうだったのかと分からないなあと思いました。
映画を撮っているのは大人で、見ている方も大人なので、大人の視線がたぶんに入っているのだろうけど、何だか同じ生き物とは思えない部分もあるなあと思い、珍しいものを見るような目で、見てしまいました。
● 学校ホラー
この映画ですが、随所にホラー展開があります。
女子生徒に酸らしきものをかけて背中を火傷させたり、能面のような生徒が、女子生徒をレイプするように台風の学校の中で追跡したり。
なんか、想像していたのとは違うなあという感じで、これは当時でもアリだったのかなあとか思いました。
個人的には、ホラーや、90年代エロマンガみたいな設定と展開が多いので、その方向性で再構成してもよい話ではと思いました。
● 夜の学校
夜の学校といえば、文化祭の前の泊まり込みなどの経験を思い出します。やはり、そういった時の学校というのは、いつもと違う雰囲気と興奮があります。
それを一言で言えば「終わりのない時間」だと思います。
時間が止まっていて、無限に時間があるような感覚。
本当は時間があるはずなのに、そこに日常がないことによって紛れ込む虚無。そういった、動かない時間が、いつも見慣れた場所に横たわっていて興奮します。
そういった時には、いつもと違う何かが起きそうな気がします。そして、その均衡が破れた時に、何か大きな動きがありそうに思えます。
この映画を見ながら、終盤、そういったことを考えました。
● 粗筋
以下、粗筋です(中盤ぐらいまで書いています)。
主人公は中学生。彼には大学生の兄がいる。頭のよい主人公は、思索的で、いつも哲学的なことを考えている。彼には、恋人とも呼べる、彼を慕う同級生がいた。
ある日、学校の授業中に、一人の老夫婦が入ってくる。彼らは、教師に対して「娘に貢がせて、振った」という。教室に動揺が走り、女生徒たちは教師の陰口を叩いたりする。
それから数日後、台風が近付いてくる。
主人公を含む同級生は、学校に閉じ込められて一夜をともに過ごす。
また、主人公の恋人は、家出をして東京に行き、そこで知り合った大学生の家に転がり込む。
以下、ネタバレありの感想です。
● ラストの衝撃
予備知識なしに、この映画を見たので、ラストは衝撃的でした。
そうなるのかと驚きました。
中学生でこういう結論にいたり、行動する人はいるのかなあと思いました。私の周りには、そういう人がいなかったので分かりません。
というか、中学生って、まだ自我が確立しておらず、今振り返ってみれば、動物みたいなものだったなあと思いますし。
というわけで、ラストの出来事は、非常に驚き、かつ後味の悪い思いをしました。