映画「アンドロメダ…」のDVDを、一月中旬に見ました。
1971年の映画で、監督はロバート・ワイズ、脚本はネルソン・ギディング、原作はマイケル・クライトンの「アンドロメダ病原体」です。出演はアーサー・ヒル他。
原作は十年以上前に読んでからの今回の映画でした。装飾が少なく、かなりシンプルな内容だなあと思いました。けっこう楽しめました。
● シンプルな構成
この映画は、かなりシンプルな構成です。宇宙からの未知の病原体が飛来して、それを厳重な管理の施設で研究するという内容なのですが、かなりの部分がこの秘密基地で進行します。
有事に集められる科学者が施設に来て、除染しながら徐々に地下の奥深くに移動し、研究を始めて、徐々に対象の性質が分かり、最後に大きなトラブルが起きるという流れです。
サブストーリーとして基地の外の話が入るのですが、基本的にメインの流れが淡々と順番に起きていきます。
原作も確かそんな雰囲気だったと思うのですが、これでもエンタメとして成立するのだなと思いました。
そして、これでもSF恐怖物と呼ばれたりするのだなと、不思議な気分になりました。
以下、ネタバレありの詳細です。
● 疑問点
この映画ですが、基本的に面白いのですが、ところどころ、話の流れはそれでいいのか?と思う部分があります。
その内、大きく疑問に思ったのは二ヶ所です。そのことを書きます。
● 人災と結果論
一つ目は、人災と結果論です。
この映画では、研究施設の人災で「大統領と必要な意思疎通が取れずに、作戦が遂行されない」というトラブルが発生します。
しかし物語の後半、「このトラブルのせいで最悪の事態を回避できた」という結果になります。
現実にはありそうですが、物語としてはどうなんだろうと思いました。
トラブルを解決することなく、トラブルが起きて、結果的によかったというのは、ちょっとなあと思いました。
ここは、なんだかなあという感じです。
● ラストの危機
また、映画最大の危機がラストに起きるのですが、それもどうかなと思う内容でした。
研究者の一人がてんかんを持っており、それが発現したことで、基地が汚染されたと思い込んだ人たちがパニックになり最大の危機が発生します。
これは、病原体と関係ないトラブルだしなと思いました。
どうせなら、病原体に絡むイベントだった方が、満足感は大きくなるのになあと思いました。
● 粗筋
以下、粗筋です(ネタバレあり。最後まで書いています)。
田舎の村に衛星が落ちた。そして、その村の人間は全滅した。
未知の病原体の可能性があるということで、専門家が収集され、封鎖と研究が始まった。
その病原体はアンドロメダ病原体と名付けられる。その病原体は、人体の血液を凝固させる謎の作用を持っていた。
村では二人だけが死なずに生きていた。酒好きの老人と乳飲み子である。研究者たちは、彼らと衛星の破片を回収して、研究施設に行く。
そこは有事のために建設された場所だった。各段階の除染をしながら、徐々に地下深くに潜っていく。
そして研究が始まった。研究の結果、病原体はエネルギーを吸収して増殖することが分かった。核爆弾での除染を計画していた研究者たちは、慌ててそれをキャンセルする。
研究の結果、病原体を無害にする方法が判明した。酒好きの老人は血液が酸性で、乳飲み子は血液がアルカリ性だった。病原体は、中性環境でしか生きられないことが分かった。
だが、研究者にも核による自爆装置が付いている。そして、研究者の一人がてんかんで倒れたことにより、病原体の拡散と誤判断が置き、自爆装置のカウントダウンが始まった。
研究者たちは、必死に自爆装置を止めようとする。