2012年の1月下旬に「続・荒野の用心棒」のDVDを見ました。
1966年のイタリア/スペイン映画で、監督はセルジオ・コルブッチ。脚本はフランコ・ロゼッティ他です。主演はフランコ・ネロです。
棺桶を引きずった主人公「ジャンゴ」が、記憶に残る映画でした。
● マカロニ・ウェスタン
今回、調べていて知ったのですが、マカロニ・ウェスタン(イタリア製の西部劇)は、地域的な制約からその設定が概ね決まっていたそうです。
以下、allcinemaの記事から抜粋です。
■映画 続・荒野の用心棒 - allcinema西部劇を模倣したマカロニ・ウェスタンには、低予算から来る少ない登場人物やありきたりなセットという物理的な問題の他に、ヨーロッパ人の役者を使わなければならないのと、アメリカらしい描写を避けるため(ロケ地も主にスペイン辺りだったりする)舞台の設定をメキシコ近辺に置く作品が多い。これらの要素はおのずと西部劇の陽性とは全く逆の性格を作品に与える事になり、(イタリアお得意の残酷描写もあって)マカロニ・ウェスタンは常に死臭漂う暗黒面、負のイメージとして確立していった。
マカロニ・ウェスタンの存在と、作られている場所は知っていましたが、このように作風に反映されているのは知りませんでした。
勉強になりました。
● 「続」だけで続編ではない。
邦題で「続」と付いているだけで、続編では全くないようです。原題は「DJANGO」です。
● 棺桶を引きずった主人公「ジャンゴ」
キャラ勝ちという感じの映画です。
棺桶を引きずった謎の主人公ジャンゴ。彼の棺桶の秘密が明かされる前半のシーンまで、その謎でぐいぐいと観客を引き付けます。
その後は、ジャンゴの超人的な活躍で話が進んでいきます。
こういうキャラを作れたら勝ちだなと思いました。
● 逆転、逆転のストーリー展開
主人公が正義の味方と見せかけて、実は悪側かもしれないと思わせて、周囲の人間のために戦ったと思わせて、実は裏の思惑があって、冷徹な人間かと思わせて、実は……。
のように、主人公の立場が二転三転どころでなく、どんどん変わっていきます。これはなかなか凄いなと思いました。
けっこう楽しかったです。
● 粗筋
以下、粗筋です(ネタバレあり。終盤まで書いています)。
メキシコ国境沿い。そこでは町を牛耳る人種差別主義者の少佐が、メキシコ人を殺しまくっていた。
そこで1人の美しい混血の女が殺されかける。そこに通りがかった棺桶を持った男が、銃を抜いて女を助ける。
女は感謝するが、主人公の反応は薄い。主人公と女は国境の酒場に行く。そこで主人公は、町を牛耳る少佐を挑発し、対立する。
少佐が、大量の部下を連れて現れる。主人公は一人で対峙する。そして、棺桶から機関銃を出して、少佐の部下達を皆殺しにする。
その後に、メキシコ側の有力者の将軍が現れる。主人公は、将軍に恩を売った過去があった。主人公は、少佐が警備する金を強奪する話を持ちかける。資金難に喘ぐ将軍は、その話に乗る。
主人公と将軍は、金を強奪する。しかし将軍は、きちんとした分け前を払おうとしない。主人公は怒り、金を奪って逃げる。
将軍は金を取り返しに来て、主人公の両手を潰す。だが、その将軍は、少佐の報復に会って殺される。
実は主人公と少佐の間には過去の因縁が合った。主人公だけはそのことを覚えていた。主人公を始末しに来た少佐に、主人公はかつての恋人が眠る墓場で迎撃を画策する。