映画「ニック・オブ・タイム」のDVDを2012年6月に見ました。
1995年の映画で、監督はジョン・バダム、脚本はパトリック・シーン・ダンカン、主演はジョニー・デップです。
娘を人質に取られて、知事候補暗殺を命じられる父親を、ほぼリアルタイムで描いた佳作です。
リアルタイムだからこその緊張感がありますが、設定がかなり強引なのが玉に瑕。また、ラストもちょっと上手くいっていないなあという感じでした。
見ている間は、それなりに楽しめるのですが。
● あらすじ
主人公は、最近妻を失った税理士。彼は娘とともにロサンジェルスにやって来た。
彼は娘を拉致され、命じる通りに動けと強要される。
主人公には監視が付き、再選を目指す現職女性知事を暗殺するための手駒にされる。
● 敵側の仕掛け
「足が付かず」「人質を取って操れる」人物として、主人公に白羽の矢が立ちます。
駅で子供連れで歩いていた主人公が、いきなり幼い娘をさらわれます。
確かに足は付かないと思うけど、能力的な問題などがあるので、さすがに吟味した方がよいだろうと思いました。
耳が聞こえないとか、英語が通じないとか、命令を理解できないとか、パニックになって何もできないとか、いろいろと問題が発生する可能性がありますし。
それに、選んだ相手が、うっかりスティーヴン・セガールな可能性もあるわけで。
綿密な計画なのか、アバウトな計画なのか、どっち付かずの面があり、いいのかなあこの計画と思いました。
普通に考えるなら、条件に合う人間をきちんと選定して、その上で、逃げられない仕掛けを打つはずですし。
そこらへんが杜撰すぎます。この冒頭での躓きが、けっこう大きかったです。
● 主人公側の工夫
主人公側は、割と状況に流されっぱなしです。いろいろと頑張ろうとするのですが、これはまあ、そうなるよねと思います。
ジョニー・デップが、普通のお父さんを演じているのはよいのですが、普通のお父さんなので、凄い展開にはなりにくいです。
映画としては、スティーヴン・セガールやブルース・ウィリスとは言わないでも、手に汗握るつばぜり合いがあった方が面白いよなと思いました。
敵側が主人公を選ぶ理由が「ほぼランダム」で、選ばれた主人公が「普通の人」なので、「ゆるいなあ」というのが、正直な感想でした。
あと、ラスト付近は、だいぶごたごたしており、「どんでん返し」というよりは「混乱でぐだった」と見えていたので、もう少しどうにかした方がよかったと感じました。