映画「パララックス・ビュー」のDVDを2012年6月に見ました。
1974年の映画で、監督はアラン・J・パクラ、脚本はデヴィッド・ガイラー他、主演はウォーレン・ベイティです。
私には合わなかったなあというのが、正直な感想です。
以下、ネタバレありの感想です。
● ポリティカル・サスペンス
非常にストイックなポリティカル・サスペンスです。研ぎ澄ませて、無駄をそぎ落としたような表現で、派手さはないです。
そういった方向性の表現が好きな人は、大好きだと思います。
ただ、ラストまでいった時の後味の悪さと徒労感が半端ないです。
● 後味の悪さと徒労感
映画を見ている間中、「なんか、そうなりそうな雰囲気だな。でも、ラストまでいかないと分からないな」というもやもや感が、ずっと心の中にありました。
主人公は陰謀に気付き、その謎を追い、これから起きる事件を防ごうとします。
でも、一人でどこまでやれるのか、それは難しそうだ、相手は巨大そうなのに、主人公はただの人だし、という疑問がずっと頭に付きまといます。
そして映画をラストまで見ると、主人公は殺され、やはり一個人では解決できませんでしたと終わってしまいます。
非常にリアルと言えばリアルなのですが、2時間見てきたオチがこれかよと思うと、ちょっとやりきれない気分になります。
自分が映画に求めているのは、リアリティではなく、エンタテインメントなのだなあということを、再認識させられました。
好きな人は好きでしょうし、映画の緊迫した空気はよくできていると思いますが、2時間使って見て、あのオチだと、時間を損した気分になるというのが正直な感想でした。
● あらすじ
以下、あらすじです。最後まで書いています。
大統領候補の上院議員が凶弾に倒れた。それから3年、その事件の現場にいた20人は、かなりの数が死んでいた。
目撃者の1人だった恋人に、その件を相談されたジャーナリストの主人公は、独自の調査を行う。
主人公が調査を進めていくと、目撃者達が殺されていると思われる節がある。そして、その背後にパララックス社という謎の会社が浮かび上がって来る。
主人公は、編集長にその件を話すが信じてもらえず一蹴される。彼はさらに調査を進め、上院議員の当時の選挙参謀を見つけ出して、会うことに成功する。だが、その選挙参謀も殺されてしまう。
編集長は、主人公の話が真実であることを知る。主人公はパララックス社に潜り込み、内偵を始める。だが、編集長は殺され、主人公は孤立する。
主人公は、新たな殺害計画を知る。新しい大統領候補が狙われている。主人公は、何とか止めようとして、現場に侵入する。だが、大統領候補は殺され、主人公は犯人にされて、殺されてしまう。