映画「北海ハイジャック」のDVDを2012年8月に見ました。
1980年の映画で、監督はアンドリュー・V・マクラグレン、原作・脚本はジャック・デイヴィス、主演はロジャー・ムーアです。
原題は「NORTH SEA HIJACK FFOLKES」で、フォルクスというのが主人公の名前になります。
小気味よい感じの映画で、なかなか面白かったです。
● ハイジャックの対象としての閉鎖空間
この映画の舞台は、北海油田です。海上に浮かぶ、完全に外部から孤立した閉鎖空間。その施設に爆弾が仕掛けられて、身代金を要求するという話です。
この手の「閉鎖空間物」の代表と言えば、「ダイハード」の第1作でしょう。
この「北海ハイジャック」が、そういった閉鎖空間物と少し違っているのは、敵がこの閉鎖空間内にいないことです。少し離れた船の上にいます。
なぜかと言うと、爆破したら自分達が死んでしまうからです。まあ、当たり前と言えば当たり前です。
この映画では、この「敵は少し離れた船の上にいる」というのが、なかなか面白い仕掛けになっています。
見えるのだけど倒せない。相手の許可を得て近付いていくために、様々な交渉をする。
そういった部分が、通常の閉鎖空間物とは違うアクセントになっていて、面白かったです。
● 癖のある主人公
この映画が、味のある映画になっているのは、その主人公の存在です。
海軍に縁があるらしいこの主人公は、女の代わりに猫を愛する変わり者です。そして、特殊部隊顔負けのチームを率いて、保険会社などの依頼を受けています。
この主人公が、北海油田に乗り込み、敵との交渉に当たりつつ、襲撃の機会を窺います。
ロジャー・ムーア演じるこの主人公が小気味よくてよかったです。
そして、最後のオチも、なかなかニヤリとさせられる落とし方でよかったです。
● あらすじ
以下、あらすじです。
主人公は私設特殊部隊を率いる男。彼は内外の会社から、警護や奪還などの特殊な仕事を引き受けて解決している。
ある時、彼の許に依頼が舞い込む。北海油田にテロリスト達が接近し、爆弾が仕掛けられたのだ。
主人公は奪還作戦を想定して、陸上で部隊をトレーニングする。そして、いよいよ乗り込む時が来て、部隊を率いて現地に向かう。
息の詰まる交渉をこなしながら、彼は油田の責任者と共に、敵の船に行く許可を得る。
そして敵に肉薄する機会を得て、船に囚われた人々を救いつつ、敵を一網打尽にする。