映画「赤い影」のDVDを2012年8月に見ました。
1973年の映画で、監督はニコラス・ローグ、脚本はアラン・スコット他、主演はドナルド・サザーランドです。
私には、そんなに面白い映画ではありませんでした。
印象的な雰囲気の映画ではあったのですが。
● あらすじ
考古学者の主人公は、妻と別荘にいる時に、2人の子供の内の1人を失ってしまう。妻はその時のショックから立ち直れないでいる。
主人公は、教会の修復工事のために、夫婦でヴェニスに行く。そこで妻は、謎の霊媒師のお告げを受ける。
妻は、そこから徐々に精神を崩していき、子供の危機や夫の危機を話した後、姿を消してしまう。
主人公は、妻を見つけ出そうとして、赤いレインコートを着た子供のような姿を見つける。それは、死んだ子供の姿をほうふつとさせるものだった。
主人公は、その人影を追っていく……。
● 印象を積み重ねた作品
印象を積み重ねて雰囲気を作っていくタイプの作品ですが、その話自体には、あまり脈絡がないです。
そのため、けっこう退屈です。
内容的には30分ぐらいでちょうどよいかなあという感じです。
時代の風雪に耐え抜く作品もありますが、この作品はそうではないように思えます。
少なくとも、現代の一般的な人の目から見て、面白い映画だとは言い難いと感じました。
● 改良するべき点
改良するとすれば、物事の因果関係をきちんとつけるようにすることかなあと思います。
現実の世界では、そんなにきれいに因果関係はないものですが、物語にそれがないと、拍子抜けしたり、ご都合主義に見えたりします。
「リアリティ」というのは、「現実に近い」ということではなく、「現実として受け入れられる納得感を与えられている」ということなのだろうと思います。