「KDP(kindle direct publishing)」で本を1冊出してみました。
Webで公開している「マンガで分かるJava入門講座 基本〜オブジェクト編」のkindle版です。
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マンガで分かる Java入門講座 PDFで1100ページ以上ある原稿なので、kindleやタブレットなどの方が読みやすいです。
PDF版は去年の8月に出していたのですが、KDPはやったことがなかったので、ずっとペンディングしていました。
もっと早くやるべきでした。KDP自体は、数年前からやろうとしていたのですが、面倒だと思い、放り出していました。
というわけで、KDPで1冊出してみた感想をまとめてみたいと思います。
● KDPに登録 KDPが気になっていながら、ずっと利用していなかった理由に「EIN(Employer ID Numbers)」の取得がありました。
アメリカと日本で、二重に税金を徴収されないためには、アメリカにFAXを送り免除申請をしなければなりません。これをしないと、税金30%が引かれてから入金になります。
KDPを面倒臭がっていた理由がこれだったのですが、いつの間にか、日本での販売は必要なくなっていました。今まで面倒臭がっていた理由は、何だったのかと。
アメリカで販売する際は、相変わらず必要ですが、日本語の本がアメリカで売れるわけもないので、実質不要です。
Googleで検索して上位に出てくる情報が古すぎたのですね。Amazonは、随時改善がされているので。
というわけで、Google検索に期間を指定して1年以内の情報を見てみると、様々な点が変わっていました。
そして、KDPに登録してみたら、あっけなく本が出せました。腰が抜けそうになりました。
ただ、出版申請の画面が2ページになっていて、最初のページを変更したら、2ページ目でも変更ボタンを押さないと反映されないなど、微妙に出すまでに手間取りました。
それ以外は、悩むところは、ありませんでした。
● mobiファイル KDPで本を出す際には、いくつかのファイルフォーマットが使えます。これらは最終的に、mobiという拡張子の形式に変換されます。
そのため、HTMLで原稿を作り、「Kindle プレビューアー」にドラッグ&ドロップして大まかに確認したあと、「KindleGen」で正式なファイルをコンパイルしてmobiファイルを作りました。
想像以上に簡単でした。ただ、問題点もありました。
HTML→mobiで困った点は、以下の所です。
◆「警告(SA):W20001: SA に失敗しました」という警告が出る。 どうもページ数が多いと出るっぽいです。特定のページで出るわけではなく、ページ数が増えると出ます。
ネットに情報がほとんどなかったのですが、この警告が出たままのファイルで販売できました。無視して大丈夫っぽいです。
◆「情報(pagemap):I8000: 本の中にページマップが見つかりません」 無視して構わないようです。ページマップ自体は、アドビの独自機能で、非標準だそうです。
◆オンライン版プレビューアーとローカル版プレビューアーで見栄えが違う。 オンライン版では「<mbp:pagebreak />」(改ページの独自タグ)が利いていませんでした。「<div style="page-break-after:always;"></div>」は上手くいっていましたので、そちらにしました。
これは仕様なのかバグなのか分かりません。
◆全画面表示の画像が消える。 KDPのマニュアルには「height="100%"」を指定するように書いてあったのですが、こうすると、数ページに1ページの頻度で、「Kindle Fire」系の端末で、全画面表示にした画像が消えるのですね。
どうも画像の伸張処理に失敗しているようです。e-ink系は大丈夫です。
これは「width="100%"」で回避できたので、そちらで提出しました。
このように、合計4点を悩んで試行錯誤しました。結論だけ書くとあっさりとしていますが、これらの問題を特定して解決するのに、丸二日ほどかかりました。
● 公開後に気づいたこと 公開されたあとに気づいたのですが、販売ページの本の枠の右側が見切れています。KDPのサイトには、枠は3ドットと書いてあったのですが、それじゃあ、足りないっぽいです。
ちなみに、公開ページ用の画像は、1600x2560ドットで作っています。
仕方がないので、枠の幅を12ドットに変えて差し替え申請中です。販売ページの画像だけ、差し替え依頼を出しています。反映は、72時間ぐらいかかるそうです。
● まとめ というわけで販売中ですので、ご興味のある方は、ご購入いただければ幸いです。
他にも、色々とKDPで出していきたいですね。