2018年9月21日に、いつもの太郎さんと、大人の社会科見学に行ってきました。
今回は、横浜の「崎陽軒」の横浜工場。「シウマイ」(シュウマイではなくシウマイ)で有名な、ローカルブランドの企業です。
崎陽軒の工場見学 新横浜駅からバスで10分ほどの場所です。昔、自転車でうろうろしていた頃に、前を通っていたので、場所自体は知っていました。
崎陽軒のような、食品の社会科見学は、試食目当てで競争率が高く、なかなか取ることができません。以前、私も予約をしようとして挫折しました。今回は、太郎さんが気合いを入れて取ってくれました。
太郎さんの話だと3ヶ月先まで予約可能で、12時直後の5分以内に、ホームページから素早く予約しないと駄目だそうです。こりゃあ、厳しいです。
さて、当日は、新横浜駅で待ち合わせをしました。
11時開始の回だったので、10時に集合して、10時10分のバスに乗りました。小雨の中、バスから降りると、乗車していた人のほとんどが工場見学の人でした。
崎陽軒の工場は、どーんと直方体の箱が横になっている感じです。隣には、廃業したラブホテルがありました。そうした郊外の立地です。
工場内は、土足禁止で、実際に見学コースに入る前に、靴を履き替えます。売店のところは、下足そのままで大丈夫ですが、トイレはスリッパに履き替えないと行けません。
かなり早く着いたので、開始まで工場内の売店で待ちました。1時間に1本ぐらいしかバスがないので、そうしたスケジュールになります。
というわけで、まずは売店で時間を潰しました。
売店は、崎陽軒の商品と、温めたシュウマイの小分け販売が行われていました。
売店には月餅もあり、そういえばそういうのも売っていたなと思いました。何気にレストラン事業もしていますし。
小分け販売は「工場できたてアツアツメニュー」という名称で、「昔ながらのシウマイ」3個が100円、「えびシウマイ、かにシウマイ盛り合わせ」1個ずつのセットが150円。「シウマイまん」3個セットが100円でした。
私は全種類制覇しました。見学前に、「昔ながらのシウマイ」と「シウマイまん」を食べて、見学後に「えびシウマイ、かにシウマイ盛り合わせ」を食べました。
また、電車の座席を模した席が3ヶ所あり、そこに座って食べたり、窓のタッチパネルで動画を見たり、クイズをしたりできるようになっていました。
時間になり、いよいよ見学の開始です。今回は、首から提げるネックストラップの紐の色で、グループ分けがされています。
工場見学の最初は、定番の動画閲覧です。全員で椅子に座って、企業や工場の概要やPRの動画を見ます。100年以上続いている崎陽軒の歴史を中心に紹介があります。
崎陽軒は、1908年に横浜駅(現在の桜木町駅)構内の営業許可を受け、創業しました。今回、動画を見て初めて知ったのですが、元々は「駅弁屋さん」なんですね。シュウマイは関係ありません。
そして、1923年の関東大震災を機に、「横浜名物を作ろう」ということで中華街を回り、「シュウマイだな」と考え、点心の専門家「呉遇孫(ご ぐうそん)」を招聘し、試行錯誤を経て、1928年に「横浜名物崎陽軒のシウマイ」を開発して販売開始しました。
なぜ「シウマイ」かというと、創業者の発音が「シウマイ」で、「中国語の発音に近いね」と言われたのが理由だそうです。
そして、崎陽軒のシュウマイの特徴は、「冷えても美味しい」がコンセプトだそうです。さすが、駅弁屋です。そこが重要なのだろうと思いました。
崎陽軒の歩み・歴史|明治41年(創業)から昭和20年 ちなみに、レシピは当時のものを守っているそうです。豚肉とタマネギと干し貝柱とグリンピースと調味料で、化学調味料は不使用とのことでした。
グリンピースは上に載せるのではなく、練り込んでいます。
干し貝柱は、一晩水で戻し、その汁も使うとのことでした。
また、会社の経営理念が面白かったので、ここに掲載しておきます。
■崎陽軒はナショナルブランドをめざしません。
真に優れた「ローカルブランド」をめざします。
■崎陽軒が作るものはシウマイや料理だけではありません。
常に挑戦し「名物名所」を創りつづけます。
■崎陽軒は皆さまのお腹だけを満たしません。
食をとおして「心」も満たすことをめざします。
「ローカル」を標榜する会社は珍しいなと思いました。
崎陽軒|企業情報
さて、見学の最初は、崎陽軒のシウマイに入っている、陶器の醤油差し「ひょうちゃん」のラインナップの展示です。
昔は一般的に、醤油などはひょうたんに入れていたそうで、「分かりやすいように」と、ひょうたん型の醤油差しにしたそうです。
崎陽軒|ひょうちゃん 初代、2代目、3代目、期間限定があり、現在は3代目だそうです。各代で、かなりの種類の絵があります。
何も絵がない時期もあったようですが、それは初代の前で0代とかでしょうか?
初代は、マンガ家の横山隆一(『フクちゃん』で有名)が描いたそうです。
2015年には、「金色の還暦記念ひょうちゃん」が登場したそうです。ド派手でした。
そして、いよいよ工場の見学。合間に動画での説明を挟みながら進みます。工場のラインは撮影禁止です。
シュウマイ工場は、かなり自動化されていました。同じ物を大量に作るので、自動化しやすいのでしょう。
ほとんど人の手は入っておらず、材料の練り込みから、シュウマイ作成、箱作り、箱詰めまで、自動でおこなわれていました。
ただ、シュウマイの具を皮で包む工程は見えませんでした。機械がどんな動作をするのか見たかったのですが、企業秘密なのかもしれません。
対して、弁当工場の方は、人手がけっこう入っていました。弁当に各具材を詰めるのは全て人手です。弁当の詰め込みは、タイミングが悪く、実物は見られませんでした。
昔の写真なども展示されていたのですが、当たり前ですが、昔は人手でシュウマイを作っていました。
女性が竹べらで作っていたそうで、「マイ竹べら」をそれぞれ持っていたそうです。その竹は、門松の竹がよかったそうです。
弁当は、木箱に入っています。これは、ご飯の水分を調整して、もっちりしたご飯のままにするためだと説明していました。
個人的には、プラスチックや紙に切り替えるタイミングがなかったのかもと思いました。存外古い商品ですし。まあ、木の箱の方が高級感があってよいですが。
弁当は、実際にお土産に買って帰り、家で食べました。ご飯は確かにもっちりしていました。ご飯には青梅が載っています。
おかずは、シウマイは5個で、あとは、煮タケノコ、マグロの照り焼き、かまぼこ、厚焼き卵、唐揚げが入っています。どれもきちんと美味しかったです。
また、付け合わせで、紅ショウガと昆布の佃煮が入っています。個人的には、弁当の柴漬けが苦手なので、よかったです。
弁当を作っている場所では、期間限定だった弁当の紹介もありました。シウマイと唐揚げの数が逆になったものや、煮タケノコがぎっしりと入ったものがありました。
どちらも、茶色一色に見える弁当で「インスタ映えしないね。ツイッター受けだよね」と2人で言いました。
あと、弁当に紐をかける工程は、基本的に人手で、3台だけ機械が導入されているとのことでした。
紹介の中には、シウマイガールも登場しました。駅弁を売る会社なわけで、駅で汽車に乗っている人に、窓から弁当を売る売り子さんがいたわけです。
昔の汽車は、窓が高い位置にあったそうで、身長が158cm以上の人を採用していたそうです。当時としては、長身の女性ばかりを選んでいたのだと思います。
シウマイガールは映画にもなったとのことでした。
見学コースには、歴代の制服も展示されていました。謎なのは、制服の期間に空きがあるのですね。
全部の制服が並べられていないのか、制服がない時期があったのか分かりませんでした。あと、制服の時期が被っていたりもしました。
見学は、工場内を上下に移動しながら行いました。エレベータで移動するのですが、4階のボタンがありません。企業秘密が隠されているのかもしれません。
見学が終わると、いよいよ試食です。シウマイと煮タケノコと、デザートのパインキューブです。
煮タケノコは「ファンが多いんです」と言っていました。ちょっと甘さが強いなと思いました。個人的には、もう少し辛い方が好みです。まあ、美味しいんですけどね。
最後に、もう一度売店に行き、「シウマイ弁当」と「昔ながらのシウマイ 30個入り」を買って帰りました。
結局その日は、ずっとシュウマイを食べていました。