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固定概念は素晴らしい

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2005/07/30(土) 14:37:36
1つ前の記事:古林仁史
 Web上のやり取りで「固定概念は悪」のような意見を見たので「必ずしもそうではない」ということをちょっと書いておいたほうがよいだろうと思いました。

 私は「固定概念は人間の持つ素晴らしい能力」だと考えています。
 この固定概念という機能がなければ人間は物を考えることはできません。固定概念は情報の整理能力とも言い換えることができます。
 それに我々が日常使っている「言語」は、この機能の集大成のような観があります。
 「○○」と聞いたとき、ある一定の範囲で物事を想定するということは、個人の思考にも重要なことですし、さらに、複数の人間の間でのコミュニケーションでも多大な恩恵をもたらしています。

 「固定概念は悪」なのではなく、「固定概念は素晴らしい能力」です。これは通信プロトコルに似ています。
 ある一定のルールで情報をやり取りするインターフェースとして、「固定概念」のような「概念を一定にパッケージ化する方法」は重要な役割を果たしています。

 さて、Web上のやり取りや他人の書き込みへの感想に対して、この固定概念を批判する発言を時々見ます。
 これには、そうなるだろうことが推測できる理由があります。

 まず、この「固定概念をコミュニケーションのインターフェースとする場合」の問題を、一対一の会話で考えてみます。
 この場合、話者と聞き手の文化的距離が近い場合は、この固定概念はコミュニケーションを円滑にすることに役立ちます。対して文化的距離が遠い場合は、この固定概念は通じず、文化によっては反発を招きます。

 そこで話者は、相手と自分の文化的距離を勘案しながら言葉を選ぶことになります。
 この作業は、相手の反応を推し量ることができる情報量が多いほど簡単になります。そのため、対面で話しているほどコミュニケーションエラーが起き難く、メールなどの情報量が少ない方法ほどエラーを生じやすくなります。

 次に一対多の場合を考えてみます。
 この場合、話者は相手の集団をどう見るかによって、固定概念を適用できる範囲がどのくらいかを判断します。
 相手が全員身内の場合は固定概念を共有しているので、その機能を最大限に利用したほうがコミュニケーションを円滑に運べます。
 逆に相手が全員初見の場合で、自分との文化的距離が遠い場合は、そういった方法を使わずにコミュニケーションを行ないます。
 難しいのが、会話の対象にこれらの人が入り混じっている場合です。
 文化的距離が近いのか遠いのか、そのどちらにターゲットを合わせて会話をするか、固定概念のボリュームをコントロールする必要が生じてきます。

 「それでは、不特定多数の人を対象にする場合は、偏った言葉を使うべきではないのでは?」という疑問は当然持つでしょう。
 しかし、「それは多くの人に伝わる言葉」にはなりますが「微妙なニュアンスを伝える言葉」にはなりません。

 ある特定の文化の中で使われる「固定概念化された言葉」というのは、「歴史情報や周辺情報を含んだ言葉」になります。
 これは「言葉に含まれている情報量」が圧倒的に違うということになります。
 圧縮ソフトの圧縮率で言うならば、「多くの人に伝わる言葉」は、データ量を100〜90%程度に圧縮した言葉にあたります。対して「固定概念化された言葉」は、データ量を10%ぐらいまで圧縮した言葉にあたります。
 当然、適切な解凍ソフトを脳内に持っていない人はデータの解凍に失敗します。そして誤解を招きます。

 コミュニケーションというのは本来キャッチボールです。人間は太古の時代、文字を持っていませんでした。そのため、相手の反応を見ながら情報の送り方を変えていくのが本来のコミュニケーションの方法でした。
 対して文章などの、基本的に一方的で、固定化されたコミュニケーションでは、相手の反応を想定して、あらかじめ情報の送り方を決めてしまいます。
 また、会話の内容によっては、情報を届けたい相手を最初から限定してしまいます。
 そのために、その情報を読み取れなかった人や、話者が届けたいという対象から外れてしまった人は、その内容を誤解したり、その話者に憤慨したりします。

 そもそもの文章の内容がまずいということも多々あるでしょうが、「固定概念」に対する議論の奥にはこういった問題が少なからず潜んでいます。

 話者や書き手は、意識的にしろ無意識的にしろ、何か情報を発信するときには、情報の伝え方を選び、対象を選んでいます。
 そのため、ある考え方や言葉、見方などに反発を覚えるときは、その話者がどういった意図のもとで、その表現を選択しているのかを考えてみる必要があります。
 少なくとも、その人がどういった人生を歩んできたか、どういった文化圏に属しているかを調べ、立ち位置や発言の基点、視点を想定し、その差分を補正して言葉を聞いたり、文章を読んだりする必要があります。

 このような理由から、「固定概念は悪」と簡単に切り捨てるのではなく、様々な文化を理解するためにも、多くの固定概念を読み解くための勉強が不可欠だと私は考えています。

 固定概念は、コミュニケーションを円滑に運ぶために必要なものであり、適切に使いこなすことは特定の文化圏と接するために必要なことです。
 それに、情報の発信者の差分を読まず、言葉にそのまま反応していたら、自分の視野を広げることにはなりません。
 できればいろいろな文化の歴史や周辺情報を知り、多くの文化圏について勉強したいものです。そして、複数の固定概念を解体して、そこから新しい考え方を探っていきたいものです。
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