2005年10月21日 13:28:23
9月の下旬に、映画「LOVERS」のDVDを見ました。以前、ヒットした中国映画「HERO」のスタッフが作ったアクション映画です。
主要登場人物は、チャン・ツィイーと金城武とアンディ・ラウ。
「HERO」のときもそうだったのですが、話の筋はネタバレなしには書けないようなフェイクに満ち溢れているので割愛します。映像美とリズムと様式美の極地のようなアクションシーンは相変わらず圧巻です。物語も、騙しに騙しが入っていて、「ぬぉ!」と思わず声を出してしまいます。
でも、テーマが「愛」で、個人レベルのお話のために、「HERO」のときのような度肝を抜くような大掛かりな「燃え設定」はないです。そのため、「HERO」よりかなり地味に感じます。
という感じで、どうしても「HERO」と比べてしまうのですが、単体で見るとよくできている映画で、きちんと面白かったです。
男と女が出会う導入の部分も「なるほど、こういう方法もありか」と思わせる設定で、少し感心しました。
以下、超個人的な感想を書きます。
● 音楽
音楽で納得のいかない部分がありました。
馬で林を駆けているシーンで流れる音楽が、非常に中国的な音楽だったのですが、これが駄目。緊迫しているシーンなのに、どこか間抜けな印象のある音楽で脱力しました。
その音楽を聴きながら思い返してみたのですが、香港映画など中国系の映画では、音楽のせいで何だか間抜けに見えるシーンが少なくなかったような気がします。
「LOVERS」は、なまじクオリティが高かったために、映像と音楽のイメージの剥離が如実に表れていたような気がしました。
まあ、そこ以外のシーンでは、音楽はそれほど気にならなかったのですが。
● 色使い
画面の色使いをコントロールするために、景色の色を病的にこだわっているのは、やり過ぎの感がありました。
「HERO」でも同じ傾向が見られたのですが、あのときは同じシーンを何度もループする物語構成の都合上、二度目、三度目は色使いを変えるという観客への配慮という意味合いが強かったです。
今回の「LOVERS」では、ほとんど同じ場所にいて時間軸が一緒なのに、目まぐるしく背景の山々の色が赤とか黄とか緑とか白に変わります。やりたいことは理解できるけど、少し過剰な気がしました。
● チャン・ツィイー
この女優の顔は、基本的に小憎らしい印象を持つので、私はあまり好きではありません。「可憐な美少女」という役でいつも映画に出てくるのですが、私には「むかつく女」に見えてしまいます。
単に、私の好みとの相性の問題なのですが、毎回この女優を見るたびに気になります。
映画自体は、アクションシーン満載で楽しめました。格好よかった〜。