2005年11月08日 02:20:15
映画「ティム・バートンのコープス・ブライド」を11月7日に見ました。この日2本目。
うん、面白かったです。
でも、この前に見た「ALWAYS 三丁目の夕日」の出来がよすぎて、少しかすんでしまいましたが……orz
「見る順番間違えたかも」と、正直思いました。
でも、パペットによるストップ・モーションと、ダニー・エルフマンの曲による、超絶ミュージカルは、とても素晴らしい出来でした。
以下、粗筋です。
成金夫婦の息子で内気なビクターは、両親の命令で会ったこともない女性と結婚することになった。
相手は、没落貴族夫婦の娘で、やはり内気なビクトリア。
互いに相手のことを知らなかった二人だが、会ってすぐに恋に落ちた。
だが、不幸は訪れた。
緊張して結婚式のリハーサルに失敗したビクターは、1人森に入り、指輪を妻に与える台詞の練習をする。
そして、何度も繰り返すうちに段々乗ってきて、枯れ枝を指に見立てて指輪を着けた。しかし、枯れ枝と思っていたのは死体の手だった。
愛の誓いを得た死体は、コープス・ブライド(死者の花嫁)として復活し、ビクターを死者の国へと連れ去る。
ビクターは生者の国に戻り、ビクトリアと結婚しようとする。だが、コープス・ブライドのエミリーはビクターとの結婚生活を送りたいと願う。
エミリーは、死者ではあるが悪い娘ではない。だがビクターはビクトリアを愛している。二人の女性の間で揺れ動くビクター。そして野心丸だしの、ビクターとビクトリアの両親たち。
彼らの間に、バーキス卿という謎の男が割り込んでくることで、物語は急展開を迎える……。
えー、告白します。
私は予告編以外、予備情報を何も入れずに映画を見に行きました。そのため、この映画を見ている途中まで、「パペットでストップ・モーションをしていること」に気付いていませんでした。
それに気付いたのは、ビクターが死者の国に行き、レンズと照明が変わったときでした。
「えっ、これ全部パペットじゃないか!」と、今更ながら驚いてしまいました。予告編を見て、「CGだろう」と勝手に判断していたので。
なぜ、そう思ったかというと、「登場人物の表情が自然な動きをしていた」からです。
パペットによる演技というと、どうしても「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」のときに「顔の表情を変えるために、いくつもの交換用の頭部を用意していた」というエピソードが頭に浮かんでしまいます。
だから、「顔の表情があんなに動くということは、きっとCGだろう」と勘違いしてしまいました。
でも、生者の国(レンズを換えずにライティングも単調にしている)から、死者の国(レンズをやたら換えてライティングも凝っている)に行ったときに、「レンズの癖が出ていて、CGでない照明の質感が出ている」ことにようやく気付きました。
不覚としか言い様がないです。映画を見ながら、頭を抱えてしまいました。
映画を見たあとでプログラムを読んで知ったのですが、パペットの世界も進歩しているらしく、「顔のなかにギアを仕込んで表情を変えられるように作っていた」そうです。やられた。
ただ、そのために人形が大きくなり、セットも2〜3倍ぐらいのサイズになり、撮影は大変だったそうですが。
はあぁ。自分の勘違いにへこみました。そして、「固定観念は怖いな」と思いました。
というわけで、ティム・バートンのよる造形、人形の演技や踊りはとても素晴らしく、そこにダニー・エルフマンによるミュージカル曲や歌が被るという、大変豪華で素晴らしい映画でした。
私自身は、映画の面白さとは違うところで悶絶しておりましたが。