2005年11月19日 10:55:00
映画「ワイアット・アープ」(1994年のケビン・コスナー主演のもの)のDVDを10月の下旬に見たので感想です。
長かった。そして、人物の見分けが付かなかった。
私の映画の感想で時々あるパターンですが、「みんな似たような格好をしているので、人物の見分けが付かずに、話がところどころ繋がらなかった」です。
そのために、「えっ、この人死んだんじゃなかったっけ?」「こいつ誰?」という状態でした。
うーん。西部劇を何種類も見ていて、事前にどのキャラが誰だか分かっていれば多分見分けが付いたのでしょうが。
西部劇をほとんど見ておらず、ワイアット・アープというキャラにも思い入れがなかったために、その周辺の人物については「誰が誰だかさっぱり分かりませんでした」。
困ったな。粗筋書いても、間違っていそうだし。
簡単に言うと、生涯で一度も弾を受けず、かすり傷すら負わなかった、伝説の保安官ワイアット・アープの人生物語。
妻との結婚。そして、その死による自暴自棄。西部に行っての様々な活躍。そしてOK牧場の決闘など、多分西部劇ファンなら喜ぶだろう長編物語です。
ただ、私は全く共感できませんでした。
妻の死で自暴自棄になるのですが、妻との結婚までのストーリーがほとんどなく、愛情を育む期間もちょこっとしかないために、「そんなに破滅的にならないでもよいのでは?」という感想しか抱けませんでした。
巻末に「未公開シーン」として、カットされたシーンが大量に収録されていたのですが、奥さんと結婚するまでのシーンや、結婚式のシーンやら、愛情を印象付けるシーンが幾つかカットされていました。
というか、「未公開シーン」多過ぎ。それも、必要なシーンばかり。
「編集失敗しているのか、脚本が長過ぎたか、どちらかなのでは?」と思いました。
「妻の死」という“最初の山場”で感情移入できなかったため、「そのトラウマを引きずって生きるワイアット・アープ」に、以後も共感できませんでした。そしてそのまま、ダラダラと物語は長く続いてエンディングまでいきます。
うーん。最初で「心を掴む」のを失敗すると痛いですね。
「西部劇なので、みんな同じような服を着ているので見分けが付かなかった」と冒頭に書きましたが、ほかにも混乱した理由があります。
それは「どの場所に行っても“似たような町並み”に、“同じような酒場の内装”なので、今どこにいるか分からなかった」ということです。
たぶん、西部劇を見慣れている人は、細かな違いが分かるのでしょうが、私には全部同じように見えました。
私は、細かな違いが分かるほど西部劇を見てはいないです。というか、西部劇は完全な素人。この映画を楽しむには、古い西部劇を押さえていないと駄目なのかもしれません。
そんな感じで、個人的には散々な状態の本作だったのですが、1点だけ、ものすごくよかったことがあります。
それは、“結核持ちのドク”を演じていたデニス・クエイドの存在感。これは非常によかった。1人だけ、飛び抜けてよかったです。
映画としては楽しめませんでしたが、デニス・クエイドは楽しめました。
「西部劇は少し勉強しないと駄目かもしれないな」というのが素直な感想です。