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2006年01月06日 14:13:00
 映画「カサブランカ」のDVDを11月下旬に見ました。

 感想は「初期配置はよいのだが、終盤の詰めが悪い」というものでした。

 主人公はチキン過ぎ。萎え萎えです。

 映画というものは、一部のボードゲームと同じように、登場人物や設定の初期配置が重要です。この「カサブランカ」は、この初期配置は非常によくできています。

 しかし終盤、無神経で自己中心的なヒロインのわがままに従う主人公の駄目っぷりは見ていてガックリときます。

 うーん。

 名作らしいですが、ハズレでした。



 以下、粗筋。

 第二次大戦中。フランスはドイツに占領されていた。

 フランス支配だったアフリカのカサブランカにもその影響が出ていた。この地にはドイツ軍将校がやって来て、ドイツに反逆した者たちの引渡しを要求していた。

 カサブランカは、ヨーロッパの戦役を逃れてアメリカに亡命しようという人たちの中継点になっている。

 この場所で「リック's カフェ・アメリカン」というバーを経営するアメリカ出身のリックは、かつてヨーロッパで人民解放のために戦ったこともある男だ。

 しかし彼はいま、心を閉ざして、冷徹な男として政治には無関心を貫いている。

 ある日、リックの店に一組の男女がやってきた。ヨーロッパで反ドイツの活動をしている男とその妻だ。

 リックはその妻を見て驚く。かつてパリで恋人同士として付き合っていたことがある女性だったからだ。

 リックは反ドイツ活動の男から、アメリカ亡命の手助けを求められる。しかしリックは、女との過去の恨みから、そのことを断固として拒否する。

 だがドイツ軍将校の執拗な圧力の下で、彼らの運命は急転する。



(以下、ネタばれあり)

 登場人物の配置や設定などは、緊張を強いる非常によいものでした。しかし、主人公は自力の解決を行なうのではなく、周囲の流れに身を任せるように、うやむやのうちに決断をしてしまいます。

 私としては納得のいかない選択でした。

 自分を勝手に振って出て行った女に、「私の夫を助けて」と言われて、最終的に「はいそうですか」と応じて、自分を犠牲にして二人ともを助けるのはちょっとどうかと思う。

 お人よしにもほどがある。きっちり復讐をしろと言いたい。

 惜しい映画だなと思いました。
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