2006年01月05日 18:40:28
映画「ヒート」のDVDを11月下旬に見ました。
「ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノの二大スターが激突」という映画です。
えー、時間170分以上あります。ちょっと長過ぎ。でも出来はよかったです。
映画を見始めた序盤の感想は「アルパチーノは、悪役顔だよな」です。本作では、ロバート・デ・ニーロが悪玉で、アル・パチーノが善玉です。
「逆だろう」という印象を持ちました。
あと、アル・パチーノの背が低いのが印象的でした。刑事の指揮を取っているのですが、周囲の人たちと比べると、頭1つ分ぐらい小さいです。「こんなに小さかったのか」と思いました。
以下、粗筋です。(約3時間の映画なので長い&一部ネタばれあり)
装甲輸送車が襲われ、多額の有価証券が奪われた。現場にたどり着いた刑事ヴィンセント(アル・パチーノ)は、その手口の鮮やかさから、凄腕のプロの仕業だと見抜き、捜査チームの指揮を取り始める。
相手を「凄腕」と評したヴィンセント。彼もマムシのように犯罪者を追跡する熟練の刑事だ。
だが彼は家庭に問題を抱えていた。三度目の結婚に破局の危機が迫っていたのだ。仕事の鬼の彼は、家庭を顧みないが、家族を持つことに執着している。
輸送車を襲った犯罪集団のリーダーであるニール(ロバート・デ・ニーロ)は、家族を持たず、身軽に生きることを信条にしている鉄の男だ。
しかしそんな彼にも春が訪れる。バーで出会った女性に声を掛けられたのだ。偶然の出会いに気をよくしたニールは、その女性と親しくなる。
彼は、自分自身の掟に反した感情を持ち始める。
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ニールの許に、犯罪の仲介屋から提案が入る。
「装甲輸送車を襲って手に入れた有価証券を、持ち主ヴァン・ザントに割安で売ろう。奴は、無制限の保険を掛けているために、丸々儲けになるから乗ってくるだろう」
彼はその提案を飲み、交渉を開始する。
だが、裏社会の交渉に不慣れなヴァン・ザントはニールたちのチームを抹殺しようとして暗殺者を放つ。ニールはその暗殺者を殺し、ヴァン・ザントに復讐の予告の電話を掛ける。
その頃、ヴィンセントの調査も進展していた。ニールのチームのメンバーをたどり、彼はニールたち犯罪集団の存在を突き止める。
網を張ったヴィンセントは、貴金属強盗に入ろうと計画しているニールを張る。しかし、すんでのところでヴィンセントの企みに気付いたニールは計画を取り止め、現場を離れる。
「奴はプロフェッショナルだ! 素晴らしい!」
自分自身、プロフェッショナルであるヴィンセントは、ニールに対して奇妙な友情のような感情を抱き始める。
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次第に距離が縮まっていくヴィンセントとニール。そして二人は深夜のコーヒーショップで出会った。
二人は、互いに相手の実力と存在を認め合う。そして、「また自分の仕事を邪魔するようならば、プロとして容赦をしない」と伝え合う。
二人は再び袂を分かつ。
ヴィンセントの影を感じつつも、ニールは最後の大仕事に打って出る。銀行強盗だ。だがその完璧な計画は、意外なところから綻びを見せる。生命の危機に瀕したヴァン・ザントが、なりふり構わぬ抵抗を試みたからだ。
計画は変更の連続になりながらも、ニールはその実力でトラブルを強引にねじ伏せていく。そして、ヴィンセントはニールを追い詰めていく……。
似たもの同士の二人の対比が絶妙でした。
互いにプロフェッショナルで、自分の仕事に自信とプライドを持っている。
しかし、一方は刑事で、一方は犯罪者。家族重視と家族否定派。終わりかけた愛と、始まりだした恋。感情を露わにし、下卑た口調で相手を罵る捜査方法と、どこまでも冷静に動き、自分の部下たちを家族のように親身になって世話する紳士的な組織運営。
二人の男の“火花を散らす激突”が熱かったです。「ヒート」という題名は、非常に合っているなと思いました。
3時間近い長尺でしたが、人物の配置や役割もはっきりしており、よく整理されているなと感じる脚本でした。
面白かったです。
あと、映画の雰囲気がコラテラルに似ているなと思ったら、監督は同じマイケル・マンでした。