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2006年01月12日 12:33:04
2005年の読書(1)(2004年12月〜2005年01月)はこちら
2005年の読書(2)(2005年02月)はこちら
2005年の読書(3)(2005年03月〜2005年06月)はこちら



● 2005年07月(9冊/計52冊)

◆2005.07.03 ノルウェイの森 上
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(★★★☆☆)
(村上 春樹)

◆2005.07.04 ノルウェイの森 下
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(★★★☆☆)
(村上 春樹)

 「W村上の本を読もう」ということで読んだ本。村上春樹の代表的小説。

 うーん、ダウナーですね。内容も「自殺」をテーマにしたダウナーな話だし、文章表現自体も「〜た」で地の文が全て終わるダウナー系の文章だし。

 話自体は興味深かったのですが、私の精神性とは対極というほど遠い位置にあるので共感はしなかったです。唯一共感したのは、永沢さんだけ。彼の考え方は自分に非常に近かったので。

 若い頃に読むと、変に当てられそうな小説だなと思いました。


◆2005.07.09 コインロッカー・ベイビーズ 上
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★★★★★
(村上 龍)

◆2005.07.16 コインロッカー・ベイビーズ 下
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★★★★★
(村上 龍)

 物語云々ではなく、文章表現のレベルの高さにガツンときました。

 ここまで日本語の小説技法を意図的に使い、効果を上げている作品は稀有です。

 文章の粗密で、読者の時間感覚をダイレクトに操作したり。一見無関係な言葉をバッチワークのように組み合わせることで、全く新しいサイケデリックなイメージを読者の脳内に構築したり。

 何よりも驚いたのは、そうやって析出させたイメージが、これ以上ないというほどぴったりと“はまっている”こと。

 技法としては非常に参考になり、勉強になるのですが、“イメージの再構築”という手腕に関しては完全にセンスの問題で、他人が真似をできる領域ではないなと感じました。

 本を読んだあとに思った言葉は「豪腕」でした。圧倒的な力でねじ伏せられる感じ。これは傑作だなと思いました。


◆2005.07.20 鉄道員(ぽっぽや)
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★★★★☆
(浅田 次郎)

 直木賞を受賞した短編集。「鉄道員」「ラブ・レター」「悪魔」「角筈にて」「伽羅」「うらぼんえ」「ろくでなしのサンタ」「オリヲン座からの招待状」からなる。

 表題作の「鉄道員」にはそれほど心は動かされなかったのですが、「ラブ・レター」は非常に心を動かされました。傑作。

 そのほかの作品も、“言葉にしにくいような微妙な感情の揺れ動き”を見事に描いている佳作揃いでした。


◆2005.07.21 コンスタンティノープルの陥落
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★★★★☆
(塩野 七生)

 「コンスタンティノープルの陥落」「ロードス島攻防記」「レパントの海戦」の三部作の一作目。

 まずはこの「コンスタンティノープルの陥落」で時代背景や地中海世界の各国の現状を掘り下げていき、「ロードス島攻防記」で技術史的な戦争叙述を行ない、「レパントの海戦」で決定的な時代の転換を描く。

 一気に通して読みましたが、非常に面白かったです。やはり、こういう歴史物語を書かせると、塩野七生は強いです。


◆2005.07.24 白球残映
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(★★☆☆☆)
(赤瀬川 隼)

 直木賞受賞作。野球を扱った短編集です。

 面白い作品もあれば、面白くない作品もありました。また、文章表現もちょっと違和感を感じるところがあり、あまり私の好みではありませんでした。


◆2005.07.28 ロードス島攻防記
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★★★★☆
(塩野 七生)

 築城技術V.S.攻城技術。その技術的攻防がともかく熱かったです。興奮します。

 本書は三部作なので、「コンスタンティノープルの陥落」から順番に読むことをおすすめします。そうしないと、時代背景や前提条件が分かりませんので。


◆2005.07.30 凍える牙
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(★☆☆☆☆)
(乃南 アサ)

 直木賞受賞作ですが、大ハズレでした。

 女刑事が愚痴を言いながら捜査をする小説なのですが、その愚痴の原因が全部自分にあることに全然気付いていないし、冷静に捜査しないといけないのに勝手に殺人犯(殺人犬)に感情移入して浮かれまくっているし。

 そんな駄目駄目な主人公なのに、著者はそれを格好いいと思っているらしく、読者を感情移入させようと筆を尽くします。そうされればされるほど、冷めていくのですが……。

 ともかく読んでいる間中、主人公にむかつきまくりの本でした。




● 2005年08月(4冊/計56冊)

◆2005.08.03 新宿鮫 無間人形
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(★★★☆☆)
(大沢 在昌)

 直木賞受賞作。「凍える牙」のあとに読んだせいで、やたら安堵感を持って読めました。「そうだよ、刑事ってのは、こうやって真面目に捜査して欲しいんだよ」と。

 本書は麻薬密売に絡む話です。麻薬自体の危険さを啓蒙するという意味でよく出来ていました。また、警察、厚生省下の麻薬取締官、といった麻薬に関する二つの追跡ルートの確執など、興味深い話が多かったです。

 この本を読んでいたおかげで、攻殻機動隊S.A.C.の麻取の話もよく理解できました。

 あと関係ないですが、大沢在昌は、映画「妖怪大戦争」にも出ていました。


◆2005.08.06 レパントの海戦
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★★★★☆
(塩野 七生)

 冒頭で、塩野七生が感慨に耽っているのは御愛嬌ということで。

 面白かったです。戦い直前までのゴタゴタ、そして開戦から一気に結末に至るまでが、丁寧に描かれていました。海戦物として非常に楽しめました。


◆2005.08.17 恋
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★★★★☆
(小池 真理子)

 直木賞受賞作。題名から陳腐な物語を勝手に想像して、期待せずに読み始めたのですが、期待は完全に裏切られました。面白い。引きずり込まれて一気に読みました。

 エロティックな話のはずなのに、全くエロティックでない。異常な設定のはずなのに、物凄く正常。醜悪な話のはずなのに、はかないほど美しい。

 上手いなと思いました。


◆2005.08.27 司法精神医学と犯罪病理
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(★★☆☆☆)
(中谷 陽二)

 この頃から、精神医学関係の本を読み出しました。まずは何冊か読んで、この領域の下地を作ろうということで、さくさくと読みました。

(続く)
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