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2006年01月20日 10:08:09
 映画「MANHUNTER レッド・ドラゴン レクター博士の沈黙」(原題:MANHUNTER)を12月中旬に見ました。

 えー、映画の内容とはまったく関係ないのですが「邦題長過ぎ」。三段にわたって題名が書いてあり、どれを採用すればよいのか、それとも全部書けばよいのか、非常に悩みました。

 「羊たちの沈黙」「レッド・ドラゴン」の二作が出たときに、日本での販売元が少しずつ邦題を長くしたのではないかと勘繰ってしまいます。

 本作の監督はマイケル・マン。映画自体は、マイケル・マンらしいストイックな作りになっていて楽しめました。

 粗筋は、ちょっと前に見た“アンソニー・ホプキンスがレクター教授”の「レッド・ドラゴン」と同じなので特に書きません。

 今回は、二つの映画の違いについて感想を書こうと思います。



 以下、本作を「MANHUNTER」、アンソニー・ホプキンスが出ているバージョンを「レッド・ドラゴン」と表記します。

 さて、どちらが面白かったか。

 軍配は「レッド・ドラゴン」に上がります。

 その最大の理由は、「アンソニー・ホプキンス演じるレクター教授の存在感の大きさ」です。

 これは俳優としての演技力云々の話ではありません。「羊たちの沈黙」で打ち出された“キャラクター”としての“レクター教授”の大きさという意味です。

 「レッド・ドラゴン」では、この“レクター教授”という無敵兵器を「どう活かすか」ということを中心に脚本が書かれています。

 つまり、“レクター教授”をキャラ立ちさせることに心血を注いでいます。そしてその副次的効果として、「“レクター教授”とのバランスを取る」ために、“全てのキャラクターを立てる”脚本になっています。

 ありとあらゆるシーンが、「それぞれのキャラクターの特殊性を際立たせるため」に練り込まれています。

 対して「MANHUNTER」は、「羊たちの沈黙」という前提がないために、“事件”を前面に押し立てて脚本が書かれています。

 ありとあらゆるシーンが、「異常な事件の事実関係を丁寧に描くため」に練り込まれています。

 “キャラクター”と“事件”。二つの映画は、同じ原作を元に製作されていながら、焦点となる事象が全く異なります。

 この差が如実に分かるのが、犯人(「噛みつき魔」)の人物背景の描き方です。

 「レッド・ドラゴン」では、“レクター教授”の重みに耐えられるように、「丁寧かつ異常」に描かれています。

 「MANHUNTER」では、犯人には深く触れず、あっさりと流しています。そして「MANHUNTER」では、主人公の一人称に近い形で話が構成されています。

 両方ともきっちりと作られた映画でしたが、「MANHUNTER」はどうしてもその方向性的に地味にならざるをえず、対して「レッド・ドラゴン」は階段を上るように興奮度が上昇していく作りになっていました。



 こうやって見比べてみると、「レッド・ドラゴン」は“続編物”という特徴を非常に有効に使った作りになっていたのだなと、改めて思わされました。

 逆に、そういった前提がない場合に真っ当な脚本を書こうと思うと、こうなるのだなと「MANHUNTER」を見て感じました。

 「MANHUNTER」では、“レクター教授”の説明に時間が割けないために、その出番はほとんどありません。いわゆるチョイ役です。

 たぶん、そういう時間配分にしないと、規定時間内に収まらないと判断したのだと思います。

 対して「レッド・ドラゴン」では“レクター教授の説明”は既に「羊たちの沈黙」で終わっています。そのため“レクター教授”が前面に出て、積極的に事件に関わっていきます。

 そして、二作はラストも違います。私は「レッド・ドラゴン」のラストの方が好きでした。

 同じ原作で、リメイクではなく、製作の前提条件が違うという映画はなかなかないので、貴重な体験ができました。

 いろいろな意味で楽しめました。
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