2006年01月24日 11:51:15
映画「シビル・アクション」のDVDを12月中旬に見ました。
ジョン・トラボルタが主演の弁護士物で、実話が元になっているそうです。
要約すると、「慣れないことに手を出すと痛い目に遭う」というお話です。
社会派映画で「真実とは? 正義とは?」みたいなお話なのですが、失ったものと得たもののバランスが映画的爽快感に繋がっていないので、正直言ってだるいです。
まあ、実話を元にした話だそうなので、仕方がないのかもしれませんが。
以下、粗筋です。(以下ネタばれあり)
主人公は傷害事件の弁護を引き受け、荒稼ぎをする敏腕弁護士。彼は友人の弁護士二人と、経理担当の友人一人とともに、弁護士事務所を構えている。
ある日主人公は、仲間の一人が持ち込んできた訴訟の依頼を「お金にならないから」という理由で直接断わりに行く。
その話は、「ある村で白血病による死者が続出しており、水質汚染の疑いが濃厚なので、責任者を探し出して謝罪をしてもらいたい」という内容だった。
「金にならない」と告げ、被害者たちの元から去った主人公は、その帰り道の途中で皮革工場に目を止める。
その工場は、食品系メジャー企業の系列会社だった。皮革工場とその背後の大企業。二つの会社から賠償金を搾り取れば大きな仕事になる。
主人公は仲間を説き伏せ、二つの会社への訴訟を開始した。
しかしその訴訟には莫大な費用が掛かる。水質汚染の調査や、環境問題の専門家たちの雇用。だが主人公たちには勝算があった。途中で相手は和解金で手を打つはずだ。事実、その通りになった。
だが、被害者たちに関わり過ぎた主人公には、彼らしからぬ同情心が芽生えていた。
和解金を蹴り、主人公は破産へと向かうチキンレースに突入する。彼の資産はみるまに減り、仲間たちの心はどんどん離れていく。
そして極限状態まで追い詰められた主人公は、それまでの人生とは違う選択肢を選んでいく。
映画の出来としては微妙です。きちんと最後までそれなりに見ることはできましたが、感動もカタストロフもないです。
何というか、主人公の転落人生を二時間近く見せられるだけ。
事実を元にした物語だからといって、事実通り作らなければならないという理由はどこにもないです。
伝えたいことに合わせて本質を抽出し、なおかつ観客が楽しめるように物語は大幅に改変するべきです。
どうも原作があるようなのですが、私は「映画は原作通りである必要はまったくない」と思っています。
映画として面白ければそれでいいです。
小説と映画では、基本フォーマットがまったく違うので。
へたに原作(or実話)があるせいで、その結末に引きずられている印象が強い映画でした。