2006年01月25日 01:08:01
映画「七人のおたく」のDVDを12月下旬に見ました。
こういった、「専門分野とコンプレックスを持った人たちが集結して何かを成し遂げる」話は、基本的にハズレはないですね。
面白かったです。
でもまあ、マックおたくの彼女は、キャラクター紹介で「レジャーおたく(?)」と書いてあったのですが、「彼女はおたくじゃないでだろう」と思いました。
あと、物語を総合すると、「アイドルおたくは報われない」ということだよなと思いました。
私はアイドル属性は0なので、アイドルにはまる人の気持ちはまったく分からないです。アイドルを見るぐらいなら、マンガを読む人なので。
以下、粗筋です。(ネタばれが嫌いな人は飛ばしてください。粗筋が分かっても問題ないだろうという映画ではありますが)
ミリタリーおたくの主人公の家の近所で事件が起こった。アジアから来た女性の赤ん坊が、人相の悪い男にさらわれたのだ。
赤ん坊は、アジア女性と人相の悪い男のあいだに生まれた。跡取息子欲しさに女性を嫁に迎え入れた男は、「子供ができたら、用済みだ」といわんばかりに女を捨てたという。
主人公は義憤とともに、自らの力を試してみたい欲望にかられ、特殊な技能を持った専門家たちを集めて奪還チームを作る。
人々を集める基準は「自分と同じ目をしている人たち」。つまり、「真性のおたくたち」だ。
無線マニアで人付き合いが苦手な女子高生。コミケで格闘ビデオを売る格闘マニア。C級アイドルを改造車で追い掛け続けるアイドルおたく。そして、ソフト開発会社兼パソコン教室の社長のマックおたく。
彼らは集結地を知らされた。そこは漁師たちの住む島。赤ん坊が連れ去られた場所だ。
だが、彼らはその島の人々の正体を知らなかった。彼らは密漁や他の漁協への襲撃で荒稼ぎをする犯罪者集団だ。そして赤ん坊の父親こそ、その島のボスだった。
島に集まったのは、主人公と、四人のおたくと、マックおたくの彼女の六人。
主人公は他のメンバーに事情を知らせぬまま、赤ん坊奪還作戦を決行する。しかし、連係の取れていない彼らの作戦は失敗する。
そして主人公から事情を打ち明けられた仲間たちは、主人公のやろうとしていることは誘拐だということに気付き、彼から離れていく。
だが、主人公は諦めなかった。格闘マニアとともに、再び島に潜入を試みる。そしてその地で思わぬ師を得ることになる。漁師たちのなかに、かつて伝説だったフィギュア原型師がいたのだ。
その頃、主人公と離れた仲間たちは、それぞれの日常に戻る。しかし、彼らの人生は、彼らのこだわり故に、行き詰まりつつあった。
そして、理想と現実のギャップに気付き、それでも理想を追い求めようとする彼らは、同志たちへの友情を感じ、同じ目をした主人公の許に再び集結する。
主人公、四人の仲間、マックおたくの彼女、そして伝説の原型師。七人のおたくは、赤ん坊を母親の許に届けるために、壮大な作戦を計画し、実行に移す。
江口洋介演じるマックおたくに強く感情移入をしてしまうのは、明かに現在の私の仕事が関係しているよなと思いながら見ていました。
「俺が欲しいものを作らないでどうするんだよ。俺が欲しいから作っているんだ。誰が買うんだ?って。俺はこれを買うぞ!」
彼の会社は、ソフト開発会社としてスタートした。しかし会社の仲間たちはパソコン教室で得られる安定した収入に甘んじ、いつしか守りに入っていた。
自分が開発しているソフトを市場に投入しようとしたとき、会社の仲間たちは「リスクが大き過ぎる」と猛反対した。そのとき彼が彼が言った台詞です(確かこんな感じ)。
ところどころ、「うんっ?」と首を捻るようなシーンもあるのですが、全体として熱いパッションが伝わってくる良作でした。
やはり、人間は熱く生きないと駄目ですよ。でもまあ、どう贔屓めに見ても、主人公たちは駄目人間の集団なのですが。