クロノス・クラウン - 記事検索

おすすめ
自作の本やゲーム他を販売
便利なWebアプリが多数
ソフトウェア
めもりーくりーなー Winのメモリーを掃除
Novel Supporter 小説推敲補助ソフト
PCソフト まとめ
Webサービス
Kindle Unlimited マンガまとめ 巻数の多いマンガを集計
ゲームブック
闇の聖杯の儀式 電書のゲームブック
ゲーム
Little Land War... Win向けSRPG
Little Bit War Switch向け高速RTS
TinyWar... 1面数分の8bit風RTS
EX リバーシ 変形盤面、盤面多数
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000B4NFCU/cronuscrown-22
2006年02月16日 20:19:59
 映画「レイ」のDVDを1月中旬に見ました。

 素晴らしかったです。

 わりと長い映画なのですが、映画が終わったあと「まだ続いて欲しい」と思いました。

 レイ・チャールズの人生を描いた映画なので、その人生の一時期を切り取っています。これは、映画として当然の処置なのですが、その抜き出し方が非常によいために「延々と続いて欲しい」と感じました。

 この映画の最大の功労者は、レイ・チャールズ役を演じたジェイミー・フォックスだと思います。

 レイ・チャールズ本人が出てきて、レイ・チャールズ本人をカメラで映し続けているようにしか見えません。

 凄い。

 圧倒的説得力を持って、彼が画面に存在し続けています。

 そして音楽も素晴らしい。

 この「レイ」という映画は公開当時、ラジオで「ジェイミー・フォックスの歌うレイ・チャールズの歌は凄い」と散々言われていました。噂に違わぬ出来でした。

 音楽家を描いた映画として、こんなに幸せなことはないだろうと思いました。

 一回見終わったあと、BGMとしてもう一回映画を流しっぱなしにしました。

 非常によくできた映画でした。



 以下、粗筋です。(終盤間近までのストーリーを書いているので、ネタバレが嫌いな人は読まないほうがよいです)

 盲目の天才音楽家レイ・チャールズ。

 彼は母からこう言われて育った。「お前を盲目だと言わせないでおくれ」

 施しを受けず、自らの音楽で自分の人生を切り開いていく。そう心に誓うレイは、田舎から都会に出た。

 「盲目ではあるが、馬鹿ではない」と、彼は自分のことを言う。

 したたかさを持ち、才能を持つレイは、次第に音楽の世界で頭角をあらわしていく。

 そんなレイに転機が訪れる。

 アトランティック・レコードから、レコードを出す話を持ちかけられる。彼はレコーディング・スタジオに入るが録音はうまく進まない。

「物真似はいらない。君の音楽を聞きたいんだ。僕たちは、君のなかに何か光ものがあると感じたんだ」

 盲目のレイは仕事を失わないために、様々な人気音楽家の真似をすることを好んで行なっていた。彼は自分の殻を破れずにいる。

 そんな最中、彼は生涯の伴侶を見つけ、彼女の助言を聞き入れて自分の殻を破る。彼にしか出来ない音楽に気付いたのだ。

 音楽家レイ・チャールズが誕生した。

 彼は次々と自分の音楽を確立し、人生は上り調子になっていく。

 しかし、その上昇の影には深い闇が横たわっていた。彼は麻薬に溺れていく。それは、彼の幼児体験に原因があった。

 彼は幼い頃、目の前で死ぬ弟を助けなかった。そのことがトラウマになり、ことあるごとに彼の心を悩ませる。レイは逃避のために麻薬を使う。

 音楽的成功と、麻薬による凋落。その二つのバランスは、危ういところで保たれていた。

 しかし、徐々に麻薬はレイの体を、そして彼の周囲の人の人生を蝕んでいく。だがレイは麻薬を手放そうとしない。そんなレイが麻薬と訣別するためには、大きな犠牲が必要だった。



 ジェイミー・フォックスの演技や歌も素晴らしかったですが、シナリオもしっかりしていました。

 レイの苦境や苦悩、そして精神的成長、音楽的飛躍。これらの人生の上昇を描いた直後に、ガツンと麻薬による不穏な影が入ってきて、観客の高揚感を一気に反転させます。

 成功が大きくなればなるほど、この反転の度合いも大きくなり、いつか破綻することが目に見えてきます。

 何よりも、音楽面での成功が描かれているあいだ、観客が完全に麻薬のことを忘れてしまうのがよかったです。

 一人の人間の人生を、どのように一本のシナリオにまとめるかというのは、脚本家の手腕が要求されます。この映画は、その難しい仕事に成功していると思いました。

 非常に楽しめる映画でした。
最新20件 (全て見る)

オススメ (全て見る

動画講座 (全て見る

サイト目次

おすすめ

PCソフト/Webアプリ

ゲーム

マンガ

記事

柳井の同人活動

開発

携帯・スマホ

アナログ・ゲーム

Cronus Crown(クロノス・クラウン)のトップページに戻る
(c)2002-2025 Cronus Crown (c)1997-2025 Masakazu Yanai
ご意見・お問い合わせはサイト情報 弊社への連絡までお願いします
個人情報の取り扱い、利用者情報の外部送信について