2006年02月18日 18:31:23
映画「スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー」のDVDを1月中旬に見ました。
映画が始まって五分で思いました。「この映画はハズレだ!」
ハズレでした。
映像は凝りに凝っているのですが、「“映画”について分かっていないデザイナーが、自分の腕を示すためのデモとして作った“映像”」のように、映画としての魅力が欠けている映像が延々と続きます。
「頼む、映像ではなく、映画を見せてくれ!」
そう思いました。
そして映画を見ているあいだに思ったことは「インディー・ジョーンズは偉大だった」ということです。
基本的には同じ系統の物語なのですが、その出来は雲泥の差です。面白い映画を作ることは、本当に難しいんだなと思いました。
以下、粗筋。
飛行船が大陸を横断する時代。アメリカでは、科学者の失踪事件が続いていた。
その事件を追い掛けていた女性記者は、匿名の情報提供者から「会いたい」という手紙をもらう。
彼女は劇場で相手を待つ。来たのは科学者だった。
彼は、「科学者たちを暗殺している悪の科学者がいる」と告げる。
その直後、街は謎の巨大ロボットに襲われる。彼女はすんでのところで、飛行機に乗ったスカイ・キャプテンに助けられる。
二人はかつて恋人同士だった。彼女はスカイ・キャプテンの基地に行く。今度はその基地が襲われた。
スカイ・キャプテンの友人がさらわれ、女記者が接触した科学者は殺される。悪の科学者は世界を滅ぼそうとしているという。
二人は敵のアジトを突きとめ、友人の奪還と、世界を救うための戦いを行なう。
どうでもよいのですが、ヒロインがむかつきます。
ドジっ娘で、いらんことばかりして状況を悪化させる女なのですが、最悪なのは“可愛げがない”ことです。
周りに迷惑を掛けてもなんの反省もせず、それが当然だと思っている、どうしようもない女です。
可愛げのないドジっ娘は人間のクズだということがよく分かりました。
そんな女に惚れている主人公のスカイ・キャプテンの精神構造がよく分かりません。どう考えても彼女は、途中で射殺するか拘禁するべき登場人物です。
他人の仕事を、悪意を持って邪魔する人間は明確な敵です。それも、何度も命の危険や、世界の滅亡の危機を招いています。
なぜスカイ・キャプテンがあれほど寛容なのか理解不能です。
「愛しているから」などという陳腐な言葉で片付けないで欲しいです。そもそも、そんな相手に愛情を持った理由がどこにも語られていませんし。
もう一つ映画を見ながら突っ込みまくったのが、タイム・スケジュールが無茶苦茶なことです。
「なぜ、飛行機で移動している人よりも、さっきまで徒歩だった人の方が、遠方に先に付いているのか」など、不可思議なところがいっぱいです。
また、乗り物の設計もおかしいところが多いです。
いろいろと不満の残る映画でした。
最後に、本当にどうでもよいけど気になったことです。
本作では、アンジェリーナ・ジョリーが、眼帯を着けた軍服姿で出てきます。
その眼帯は右目に着けているのですが、右眉のラインと左眉のラインの高さが大きく違います。
眼帯よりも高い位置に眉を描いているために、左眉に比べて右眉は、えらく高い位置に眉が引かれています。
本当にどうでもよいのですが、非常に気になりました。
映像的には興味深いところもありましたが、映画は本当に面白くなかったです。
おまけ:
この映画の製作経緯を複数の人から教えてもらったのですが、何というか「映画を知らない映像畑」という言葉が頭に浮かびました。
辛い映画でした。