映画「バットマン・ビギンズ」のDVDを五月上旬に見ました。
そこそこ楽しむことはできましたが、説明責任を果たしていない映画だなと思いました。
瞬間瞬間はそれなりに観賞することはできるのですが、観客の「なぜ?」という部分にほとんど答えてくれません。
脚本がまずいよなと思いました。
以下、粗筋です。
大富豪の息子の主人公。彼は少年時代、街に正義をもたらそうとした父を悪漢に殺される。
彼は長じて、その犯人を殺そうと考える。その自分の心を恥じてチベットに行く。そこで謎の忍者軍団の修行を受ける。
父が愛した街に戻った彼は、自分の資産を注ぎ込んで、悪者に恐怖を植え付ける“バットマン”として活躍し始める。
しかし、彼の前には思わぬ強敵が立ちはだかることになる。
序盤で「たぶんこうなるよな」と考えた通りの敵が出て来るのですが、「でもなんで?」という部分の説明は一切ないです。
それに、敵の作戦もどこかおかしいです。突っ込みどころが多過ぎです。
大雑把過ぎるというか、適当過ぎるというか。きちんとした悪人が立てる作戦には到底思えません。
ほかにもそういった場所が散見されます。
この作品は、基調としては“リアル”を目指しているのだと思います。ビジュアルイメージはそういった方向性です。
しかし、前述の通り、説明責任が果たされていないのでちぐはぐな印象を受けます。
最初に狙った企画に、作品が追いつかなかったのかなという感想を持ちました。
唯一感心して見ていたのは、秘密兵器や秘密基地を用意していくところです。
あそこは、今までのバットマンとは違う雰囲気で興味深いなと思いました。
この映画は、渡辺謙が出て来ることで少し話題になりましたが、きちんと出てきました。
変な形の髭で、意味不明の言葉を喋る役です。
中の上ぐらいの役どころかなと思いました。