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2006年07月02日 03:22:07
不思議惑星キン・ザ・ザ
 映画「不思議惑星キン・ザ・ザ」のDVDを五月下旬に見ました。ロシアの映画です。

 以下、感想。

 クー!

 終わり。



 まあ、この映画を見た人は、上記の「クー!」だけで分かると思います。「キュー!」ではなく「クー!」でした。

 冗談はさておき、非常に面白かったです。

 いきなり初っ端から「滅茶苦茶シュール」で「SF脳をくすぐられる」展開でした。そして、最後までSF要素が“これでもか”というぐらいに入っています。

 SF好きにはたまらない映画です。

 そして映画全体を通して、「非常な割り切りっぷり」でありながらも、それが「手抜きとは感じさせない」「要素抽出をした結果」になるようにきっちりと作り込まれているところがよかったです。

 分かりやすく言うと、「異星人とのディスコミュニケーション」をきっちりと描いていながら、「相手はなんで、人間そっくりやねん!」(SFXなど微塵もなし)というところとか、「言語の定義や、コミュニケーション方法の差異、意思疎通の手段」をSF的に解釈してちゃんと表現している割には、「テレパシー的手段が使えるのに、空気振動系の娯楽である音楽はありなのかよ!」とか。

 あとはまあ、奇妙なファッション(単にボロボロの服)とか、頭で電球をぐるぐる回しているおっさん(富の象徴?)とか、不思議な形態の墓(地面に風船を結び付けただけ)とか、レーザーカッター(?)(ボタンを押すと、煙突が切れる結果だけ表示する。破壊シーンや原理の説明は一切なし)とか……。

 押さえるところは押さえ、それがシンボルとして成立するように設定を作り込んでいるけれど、お金が掛かって表現不可能なところはばっさりと切り落として“あり物をそのまま代用”している。

 しかしそれがマイナスにはなっておらず、“奇妙な世界”を作るギミックの一つとして成立している。

 ともかく、不思議でシュールな世界です。

 とはいえ、きちんと作っている部分が七〜八割で、作れないので無視している部分が残り三〜二割という感じで、よく練り込まれたよい映画でした。

 これは、ファンが多いわと思いました。

 というか、どうやったら、あんなシュールな世界ができるんだ……。



 以下、粗筋。(中盤ぐらいまでネタバレあり)

 奥さんに頼まれて買い物に行ったウラジミールは、若いバイオリン弾きに声を掛けられる。どうやら、路上におかしな老人がいるらしい。

 その老人は、「間違ってこの惑星に来てしまったので帰りたい」「この星の惑星番号は何番か?」といった奇妙なことを口走る。

 頭がおかしいのか、それとも本物の異星人なのか?

 ウラジミールは、老人が証拠として見せた転送装置のスイッチを押してみる。

 その瞬間、ウラジミールとバイオリン弾きは、砂漠のど真ん中に移動してしまう。

 ……ここはどこ?

 二人は仕方なくとぼとぼと歩きだす。そして空を飛ぶ奇妙な飛行物を発見して声を上げる。飛行物は着陸し、そこから二人の人間が現れた。

 「クー!」

 彼らはその言葉しか喋らない。そして、どうやらマッチを貴重なものと考えているようだ。

 ウラジミールとバイオリン弾きは、この二人の飛行船に乗り込む。

 しばらく経つと、“言葉が喋れない”と思っていた二人が急にロシア語を話しだした。

 「なんだ、話せたのか?」と言うウラジミールに、彼らは「初めて接した思考様式だったので、思考を読むのに時間が掛かったんだ」と答える。

 どうやらこの惑星は「キン・ザ・ザ」と言うらしく、地球に帰るには、加速装置が必要だということが分かる。

 「ウラジミールの持っているマッチで、その加速装置を買おう」と、飛行船の二人は提案する。だが、彼らを含めてキン・ザ・ザの連中は狡賢く、野卑な連中だ。そして奇妙な人種差別もあるらしい。

 ウラジミールたちは、この二人や、惑星の住人に翻弄される。

 地球から来た二人は、地球と異星との常識の違いに悩まされながらも、口八丁とはったりで危機を切り抜け、地球に帰るためにこの惑星を冒険し続ける。

 そして、キン・ザ・ザの中央にたどりついた彼らは、地球に帰るための方法を発見する。しかし、すんなり帰るわけにはいかない事態になる……。



 キン・ザ・ザの二人はやたら信用できない奴らなのですが、どこか憎めなかったりします。

 そして、ウラジミールが格好よすぎです。

 飄々としているくせに、やたら正義感が強くて、義理堅く、自分の信念を絶対に曲げない。

 「そんな奴、さっさとほっぽり出して行けよ!」と思うシーンだらけなのですが、「俺のせいだ」と思い「放り出すわけにはいかない」とばかりに、当然のように救出に行きます。

 責任感強過ぎ。偉いなあと思いました。

 そういうウラジミールの性格のせいで、なかなかすんなりと地球に帰れずにヤキモキさせられます。

 そのおかげで、最後に、ウラジミールとバイオリン弾きが「クー!」と言うシーンは、ある種感動的なものになっています。

 いやー、よかった。

 「正義は勝つ」ではないですが、やはり、いい人が報われるというのはよい話だなあと思いました。
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